NW-ZX2の4極ジャックについて、walkman井戸端会議の結果を受けて、さらに考えてみた
ヘイ、ジャック。あれはプラグのせいじゃないか(ジャック違いだろ)。
などと雪風ごっこはさておき。
NW-ZX2の4極ジャックとそれにまつわる音質の違和感について、イヤホン側を4極プラグ化したときのパターンについては、先日のwalkman井戸端会議で、開発の佐藤(朝明)氏から「プラグの母材の影響が考えられる(R側GNDに用いる部分のピンの金属がその部分だけ大きいため)」というご意見をいただきました。
こちらとしては3極プラグ接続時の気持ち悪さなども軽くお伝えはしたのですが、そもそもあちらが興味があったらしいのが4極接続時でのGNDの接続位置による音の変化だったため、3極プラグ接続での音の件には話がほとんど及ばなかったことと、ZX2の本体側については並々ならぬ自信を見せられた感じだったので(材質担当の方からは「ジャックのGND/Rの接触圧が弱い恐れがあり、それが原因かも」とのお話はいただけましたが)、それはわからなくもないんだけど事実違和感は出てるよねえ…っていうことで、追試してみました。
これら変換ケーブルを以下の状態にしたZX1につないで試聴していきます。
この写真の状態で、イヤホンプラグの根元のところからGNDが二分されて、4極ジャックへ結線されています。
4極ジャック部分はZX2同様の『L/R/L・GND/R/GND』の配置となっています。
「え?なんでZX2のジャックの件の追試なのにZX1なん?」というのは理由が。
これら変換ケーブルのジャック部分は全部4極です。つまり、ZX1に接続して、擬似的にZX2同様の4極の状態を作り出して、それで違和感があるかどうかなどで判断してやろう、というわけです。
これでプラグ側だけが原因ならば、ここに3極3芯のイヤホンを接続したときにZX2で感じるような違和感は発生しないであろう、ともいえるからです(このパターンは後述)。
用意した変換ケーブルの結線は以下の通り。
1:LをGND/Lに落とす、RをGND/Rに落とす(普通の4極接続)
2:LをGND/Rに落とす、RをGND/Lに落とす(誤った4極接続)
3:LをGND/Lに落とす、RをGND/Lに落とす(ZX2のGND/Lのみに落とす4極接続)
4:LをGND/Rに落とす、RをGND/Rに落とす(ZX2のGND/Rのみに落とす4極接続)
5:LをGND/LとGND/Rに落とす、RをGND/LとGND/Rに落とす(一般的な3極接続)
これだとわかりづらいから、プラグの先端から『信号・信号・GND・GND』となっているので、たとえば1なら『LRLR』という風に書いていきます。
5パターン用意しましたが、ZX2での試聴において、『LRLL』と『LRRR』に差があることははっきりわかっているので、まず、ZX1でも同様かを試してみました。ZX1に3極プラグ~4極ジャックの変換を接続した状態で、それぞれの変換ケーブルを経由して4極4芯のイヤホンで聞きます。結果は、やっぱり『LRLL(プラグ部分からはLのGNDだけを拾ってイヤホン側ジャックのL/GNDとR/GNDに接続している)』のがマトモに聞こえます。『LRRR(プラグ部分からはRのGNDだけを拾ってイヤホン側ジャックのL/GNDとR/GNDに接続している)』だと全体的に微妙にディレイがかった感じというか、気持ち悪い。
差があることがわかったので、佐藤氏の仰られる「自作用プラグに原因がある」のは、まず間違いがなさそうです。
これでまず、4極4芯時で、自作用プラグが原因で音質に影響があることはわかりました。
次に、では、この『LRLL』の変換ケーブルを用いてZX1を4極ジャック化して、そこに普通の3極3芯のイヤホンを接続します。つまり、プラグ側のGNDにジャック側のGNDが2接点で接触している、ZX2と同様の状態です。その状態とZX1直結(つまり3極ジャックに普通に3極プラグのイヤホンを接続している状態)を比較します。
結果は…『LRLL』経由だと、ZX2直結ほどの強さではありませんが、ZX2で感じた気持ち悪さに近いものが再現されましたorz
以上の結果から、まず自作用4極プラグそのものに音質に影響を与える原因があることがまずひとつ。
それから、ZX2にいわゆる一般的な3極3芯のイヤホンを接続した場合の違和感は、4極でGNDが2接点あるところに3極プラグを接続して、本来1点の接触で接続されるGNDが2接点で接続されることにより違和感が生じるのではなかろうか?ということと、GND/R側の端子の接触圧の問題により違和感が生じるのではなかろうか?ということが考えられます。
※今回の実験では変換ケーブルを連結している都合もあるので、『4極ジャックに3極3芯のイヤホンを接続』したときの違和感は、その連結による原因もないとは言い切れない部分もありますが…。
これはあくまで一例にすぎませんが、少なくとも試してみた結果は、こうでした。
ZX2に限らず、GNDを分離した4極ジャックを採用している製品が他にもありますが、こうして実験してみた結果では、おそらくそれも聴感上でなにかしらの不具合は生じさせているはずだと思われます。必ずしもそうとは言い切れませんが、この4極ジャックによるGND分離という手法は、リスクがないわけではない恐れがあります。3極プラグのイヤホン・ヘッドホンを接続するなら、素直に3極ジャックの方が安全だと思われます。
で、ZX2については…やっぱり4極採用しない方がよかったんじゃない?と言わざるを得ない結果に。
4極プラグイヤホン接続時はジャックそのもののGND/Rの接触圧の弱さや自作プラグの構造の問題で音おかしくなるし、3極プラグイヤホン接続時はプラグのGNDにジャックが2接点することから気持ち悪さを生じる(これにGND/Rの接触圧の弱さによる影響も出るので、より気持ち悪くなる)…ということのようです。
ZX100なんて型番も聞こえてきていますが、それにはこの4極ジャック、採用されないと良いですねぇ…。
それとオヤイデさんには、自作用4極プラグは、一番根元のコンダクターをスリーブと一体にしないつくりのものを出していただけるとありがたいかもです。
ちなみにダメだと嘆いてばかりではどうにもならないので、現状のZX2でそれなりにちゃんとした音で楽しもうと思う場合は、4極化して結線をプラグの先端から『L/R/GND/非接続』というかたちで工作すると、よろしいかと思われます。
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