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2015年4月28日 (火)

NW-ZX2を2ヵ月以上使ってみていろいろわかってきたこと

 しばらくぶりで~<挨拶

 PC壊れて修理に出して…とかやってたりしたんでしばらくご無沙汰しておりましたが、そのあいだでもとりあえずXperiaだけはあったので、アカウントだけ作って放置してたtwitter使ってみてました。
 ああ、こういうもんなのかーと。
 とりあえず向き不向きでいうなら、わたしはブログの方が落ち着くかなぁ…と。TLの流れが早すぎて。
 それはさておき。
 NW-ZX2ですが、そろそろ買ってから2ヵ月以上になります。
 バーンインは初期のうちにがっつりやってから聞いているので、慣らし的にはもう問題ない感じ。
 転送速度とかSDまわりの扱いとかあんまり不満ない感じです。
 本体の重量が結構くるなあ…というのはあって、ネックストラップで使ってるんですが(これはずっと前のDAPから)、肩こるなあ…というのは気のせいではないはず。

 操作性とかはNW-ZX1と同様だし、わりと直感的に操作できることもあって、あんまりこれも不満ないです。
 むしろ曲数多いので、慣れてしまうとボタン操作よりもこっちのが楽。
 NW-A10シリーズが出たときにハードキー復活したバンザーイなんて思ってましたが嘘ですごめんなさいって感じの状態に。曲数多いとハードキーオンリーは厳しいですとよ…
 orz

 音質面では



 ここからが本題です。
Cimg3037
 なんじゃこりゃ?と思われるかもしれません。
 スマートフォン用マイクケーブルです。
Cimg3039
 4極ですね。
 はい、4極です。
 どういうことかというと、ZX2のGNDの2極のうち片方がスイッチに振られているため、これを経由させると強制的にZX2の分離されたGNDを片方カットして聞くことができるという目的のために買いました。
 なんでこんな面倒なことをしてるかって?
 前のエントリーで書いたように、わたしはZX2の4極が音質向上に寄与している…という点には疑問符を抱いています。というか、むしろこれがZX2の音に違和感をもってしまう根源なんじゃないかと。
 このマイクケーブルを通して聞くと、意外や意外、ZX2にイヤホンを直結したときよりも違和感の少ない音を楽しむことができます。騙されたと思って試してみていただくと面白いと思いますよ。ケーブル自体は600円もしないくらいで手にいれました。
 再生される音源によっては、それでもやっぱり急に気持ち悪い音になったりするので、おそらく分離されたGNDのどちらもが一般的なプレーヤーのGNDと比較しておかしなことになってるんじゃないか?と思われます。要はどちらもちゃんとしたGNDではない可能性が高いかと。
 それでも、ZX2に普通の3極イヤホンを直結するよりは全然マシです。
 あと、これまた別のエントリーで書いてた4極化したCD900STですが、結局のところ、ZX2の音がそういうものだから、音質向上に寄与してるか?というと、そうでもない…ただ、3極プラグのイヤホンやヘッドホンを直接接続するよりは、大幅に『気持ち悪さ』が緩和されます。そういう意味ではZX2を素で使おうと考えるなら、ある意味では4極プラグ化は必須といえるかもしれません。消極的理由ですが。
 で。
 違和感の原因は上記の前に書いたエントリーから、4極の違和感についてまとめられた方の記事なども参考にしていただければよいかと思いますが、ここでわたしがつい先日気が付いたことを書いておきます。
 ZX2の音の違和感、それは、こんな感じ。
 ずっと昔、ファミコンにイヤホンジャックを取り付けようという改造が流行った(?)ことがあり、そのときに、当然walkman以後の話なのでイヤホンもステレオのものが主流なんですが、ファミコンの本体基板から引き出せる音声はモノラルで…じゃあ、擬似ステレオ化すればいい音になるかもしれない!というのが流行った(?)ことがありました。
 わたしも四角ボタンのファミコンを分解してはビデオ出力や音声出力のピンプラグを付けたりという改造をしていたのですが、この擬似ステレオ化ももれなくやりました。右・左の音声出力の片方にマイラコンデンサを突っ込んだりとか、方法はいろいろあるようですが、とにかく、それをやりました。
 当然擬似ステレオなので本当のステレオなんかではないんですが、それでもそれなりに子供心にちょっと感動するような音になり、あと、広がりが出たなぁ…なんて、バカな子供(ひどい)は、このときはそう思ってました。
 今のわたしだったら絶対にやらない改造ですね、モノラルだったら素のままモノラルを左右に分けるだけで結線せえよって怒るレベル。
 で。
 ZX2の音って、そのファミコンの擬似ステレオっぽい音なんですよ。
 要はそういう違和感がある。
 4極のヘッドホンをバランスアンプに接続してもそういう音にはなりません、というか、なるわけないし、なったらおかしいんです。
 その、なったらおかしい状態の音を素でも4極でもいつでも楽しめるというのがZX2(嬉しくない)。
 正直これはどうかと思います。
 4極についてはトークショーなどでも明かされていますが、本来盛り込まれるべきフィーチャーではなかった。リモコン搭載しようぜなんて話(これもおかしなことなんですが)があり、そのために4極ジャック設計にしてリモコンを付けたら、あからさまに音が悪くなったのでリモコンはキャンセルした、でも4極設計にはしていたので、音声用のGNDを左右に分けて転用してみた…これを聞いたときに音質メインでの設計じゃなかったのかってガッカリしましたが、まさかそれがここまで足を引っ張る原因になっているとは、そのときは思いもしませんでした。

 正直なところ、ZX2の音を良いなんて言ってるようでは、ファミコンの擬似ステレオを良い音だー!なんて言ってるレベルと大差ないなと言わざるを得ないことがはっきりわかったってことです。
 まともなオーディオだったら、こういう音はしないですから。
 非常に残念。
 ZX2のベースそのものは良いと思うんですよ、音質的にも、本来3極として作られていたならば、普通にまともな音を聞くことができたと思います。ZX1からアナログ的に強化された要素もそれぞれ無駄にならずにしっかり効果を上げていることも、音を聞けばわかりますし。
 でも、です。
 この、4極ジャックとそこへのGND分離配線のせいで、それらすべてを台無しにしてしまってるなーというのが、非常にもったいないです。残念です。
 ZX2を保持したままそれを回避した運用を行うとするならば、上記に挙げたスマホ用マイクケーブルなどを使って、分離されたGNDの片方を完全にカットして3極として運用するための中継ケーブルを本体とイヤホン・ヘッドホンの間に入れるか、多少の違和感は我慢するつもりで4極接続するか、デジタルで出力してPHA-3なりPHA-1Aなりの外部DAC兼ポータブルアンプといった複合機へ出力して聞く、といったくらいの方法しかありません。
 ま、保証無視して分解できるなら、4極に結線されてる分離されたGNDを基板上のバラバラの場所ではなく1か所からとってやるとか、その取る場所も試聴を繰り返して大丈夫そうなところを選んで結線する、とか、そのくらいしか手を打てなさそうです。
 とにかくZX2の音が良いと思ってしまう原因はファミコン擬似ステレオ化のような現象がそれぞれのチャンネルに発生していて、それが場合によっては頭痛がしたり吐き気を催したりという気持ち悪さにつながることもある、ということで、これを素直に良い音だなんて持ち上げてしまうのは甚だ危険というわけ。
 厳しくいうなら、糞耳でしょ…。それなりにマトモなオーディオを聞いてきていれば、ZX2の音が「なにかおかしい」くらいは勘づくと思うんですけどね。

 さて、名古屋のトークショー。
 ZX1のトークショーのときには、開発者で音質設計の佐藤氏がいらっしゃいましたが、あんなにも自分が開発した製品に対して嬉しそうに話して紹介される方というのをこの手のイベントで初めて見て、話にとても引き込まれて、感動したのを覚えています。
 ZX2なんですが、どうもそのときとは空気が違うんですよね。ZX1のときのような楽しげな雰囲気があんまり感じられなくて、始終緊張したような印象で。そして、佐藤氏がいなくて。
 とても残念でした。
 しかし、今になって、ZX2の音を聞いていて、もしかしたら…という気がしなくもないのですが、佐藤氏がいなかった理由を邪推してしまうよ…この音に納得いってないんじゃ?と思わざるを得ません。
 わたし個人としては、ZX1のときに「もっと大きければ…」といいつつも、あんなに嬉しそうにZX1を紹介されていたような方が、ZX2でもしそこまで入れ込んだ開発をされているなら、やっぱり紹介したくなるんじゃないか?と思うんですよ。理由がわからないので想像以外のなにものでもないことはお断りしますが、やっぱりZX2の音に納得されてないんじゃないかな?と思います。
 もしこの音で佐藤氏が納得されて満足されているなら、個人的にはガッカリだし、もしZX2より後の機種が同様にまた根本的対策のないまま4極ジャックの採用などを行ってくるようなら、わたしはもうこの手のwalkmanは買わないですね。
 正直なところ、イヤホンによりますが聞こえる・聞こえないのある残留ノイズや、動作時のメモリ読み込みのノイズなども気になる場合もあるかと思いますが、ここらはプレーヤーによっては他のメーカーや機種でもありますし、再生音さえよければそこらはもちろん無い方が良いとはいえ、無視できる部分でもあります。
 しかし、再生音そのものに支配的に影響してくる違和感を発生させるようなつくりは、通常は製品が発売されるまでに修正か排除されなければならないのでは?と思います。
 それがスルーされて出てしまっているということは、今のソニーってそんなものなの?という落胆とともに、残念としか言いようがないです。
 それでこの問題、「あんたんとこの個体差の問題じゃないの?個別の不良とか」と思われかねませんので当然いろいろ店頭展示しているところへ行って確認してきましたが、個体差なわけないでしょって結論に落ち着いてます。
 むしろこんな個体差あったらまずいでしょっていう…今どきの生産管理としてそこに突っ込む方がおかしい、という結果に。店頭機のどれで聞いてもマイクケーブル通した方がそれなりにマトモな音になる。
 わたしも現在になるまで、ZX2を良い音だと書いてきてその部分は反省してるんですが(いや…4極の問題さえなければ良い音であるはずなのは間違いないんですが)、個人でアマチュアでブログやってるようなわたしみたいなのならさておいて、デジタルガジェットとかポータブルオーディオ関連の記事を書いてるような人で、ZX2の音を本気で良いとか書いてる人は危ないと思います。
 誰とは言いませんが『ZX1は良い音にしようと無理やり音を作ってる感じがあるけどZX2はそうじゃなしに本当に音が良い』的なことを書いてた人もいたかなあと思うのですが、今改めて両方の音を聞くと、ソースにできるだけ忠実に良し悪し含めて再生しようというのはZX1の方がそういう性格してますよ。録音の良し悪しも聞き分けできるほどはっきり描きだすのはZX1の方です。ZX2はどちらかというと美音系で、ソースの録音が悪いなってものでも結構聞ける感じで綺麗に鳴らしてしまいます。
 なので、そんなこんなで、この擬似ステレオ的に響いてしまうZX2の音を良いなんて言ってるような商業ライターさんについては、今後疑ってかかるべきかと、とも思いました。


 …と、なんとも残念な結果です。
 個人的にはF807のときにあれやこれやダメだとかZX1のときにもそんなような話を銀座ソニービルなどでもしていたものが、たまたま他にも同じようなことを言ってた方がいたからかもしれませんが、後続機でそれなりに解消されてきているので次も買おうという気になってきたのですが、今後はちょっと考えないとダメかな?と思わされるような結果ではあります。
 とはいえ一応毎日常用しているのですが、さすがに違和感あるままずっと聞いていると、そちらに耳が馴染んでしまってもまずいな…というのも感じていて、とりあえずZX2の操作性とかが惜しいのでこのまま運用するのであれば、現実的にはPHA-1Aあたりを買い足して…というのが無難な線かな、とも考えています。ZX2直接で「うぷ」とか気持ち悪くなるものが、PHA-1Aから出力する音と比べると全然すっきり聞けて良かったり…というのもありますので。PHA-3だと高いし重いし…というのもあるんですが(涙)。
 あと、マイクケーブルでの運用も、本体とイヤホンの間に端子やマイクがぶら下がることで、ポータブルとしての運用は厳しいなあ…と言わざるを得ず、それにしたってソースによっては違和感のある音が時々出てしまうというのを避けられないのであれば、ZX2は素直に『高音質ポータブルトランスポーター』と割り切って、DACへ出力してしまうのが無難かなーという線に落ち着きそうです。

 ※一応捕捉ですが、4極ジャックの製品ならすべてがすべてダメってわけではないです。ちゃんと設計されていれば問題ないかと。あと、PHA-3などでバランスの音を聞いていれば、ZX2の音がいかに危ういものかというのが感覚として理解されるかと思われます。
 そこらを抜きにして盲目的にZX2を称賛するのは、はっきり言ってメーカーにもユーザーにもよくないと、わたしは思います。


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