MDR-CD900STにMDR-1A用ケーブル・MUC-S30UM1を取り付けてみた(4芯化)
『ヘッドホンは通常はケーブル込みで設計者により音決めされてる』はずだからって、リケーブル嫌ってたくせにねぇ…というのはさておいて、きっかけはNW-ZX2です。
ZX2向けにMDR-CD900STのケーブルを4芯4極化できたら面白そうだなーと、その前に、ケーブルを変えることによる変化そのものも楽しんでおきたいなぁ、と。
ケーブルはいろいろ選択の余地もあったのですが、「プラグのハンダ付けが面倒くさい」というズボラな理由と、「銀コート線良いねー」という理由により、今回はMDR-1A用のオプションとして販売されているMUC-S30UM1を利用しました。
で。
ZX2専用にということでCD900STをもう1個買うかーってところから始まってるので、まずはこんなん。
かつては無地の白箱で売られていることで知られていたCD900STですが、今買うとこんな感じの茶箱なんですね。それに紙ラベルが貼られてる。
あけるとこんなん。
簡易な案内が入っています。
特に緩衝剤とかなくて、ただただピニール袋に入ってる本体。これは以前と変わらないですね。
毎度おなじみ。新品は良いものですね。
それから、MUC-S30UM1。
パッケージ表。
パッケージ裏。
中身もなかなか凝った包装になっていますが、写真撮り忘れました…。
そしてこれ、3mなので、ひとまず今回は約2m(実際には180㎝ほど)と残りとに切断します。
こちらは今回は使わない、4極3.5㎜プラグの方。これはいずれZX2が届いたときに、改めて取り付けるので、今回は使わずに保管します。こちらが約1mにしてある方です。
惜しげもなく切りましたこの約2mの標準プラグ分を今回は使います。
まずはCD900STのL側を分解します。
これもご存知の方は見慣れたものですね。とりあえずここから標準のケーブルを取り外します。
取り外したら、MUC-S30UM1だったものを取り付けます。
ケーブルの色は、それぞれL=緑、R=赤、GND=白・黄色ですが、まずはGNDを一本だけつないで、ケーブルを変えただけの状態にして、ノーマルのCD900STと聞き比べてみました。ちなみに手元のノーマルのCD900STは、白箱のときに買ったものなのでかなり前のものなんですが、ノーマルのままでとっておこうと買ったものなので、バーンインとかろくにやってなくてチューニングとかもしてないものになります。実際、ほとんど使ってないんじゃ?って感じで。なので今回の新品との比較は結構やりやすいかと。一応ですが、今回の新品を箱出ししたときの音と、この手元のノーマルとですが、聞き比べしてみたところ、ほぼ変わらない感じでした。
で…ケーブル交換後ですが、ケーブルやプラグの質自体が全然別物なので、これだけでも結構変わります。ノーマルのCD900STが持っている凝縮されたような音場に若干広がりが出て、シャープネスも上がります。微細な変化が小音量でもかなり聞き取りやすくなり、これがあのCD900STか?!と、驚きを隠せない感じ。まあ、ケーブルだけでノーマルの価格のおよそ3倍強では、変わって当たり前…という気もします。ノーマルよりも、より解析的になっているのに聞きやすいという不思議な感覚でした。
ケーブル交換だけでこれだけの変化があるとなると、4芯化したらどんなものだろうと、ちょっと興奮気味に、浮かしていたGNDの線をドライバーにつなぎます。
黄色と白の線をつないでいるハンダの山は、もともとははんだでつながっていますが、カッターナイフなどで間を削って接触しないようにします。これもよく見てもらうと、黄色と白の線がついてるドライブのハンダの間が削れてますでしょ。削った後にそれぞれの山がきっちり導通外れてるかをテスターで確認のこと、です。ケーブルをはんだ付けしたあとは電気的には普通につながっちゃう判定になるんですけどね(プラグ側で接触してるので)。
これで完成。
ハウジングからのケーブルの付け根とかも純正のままの部品をそのまま流用してます。
パッと見ではノーマルと大差ないかも…いや、ケーブルが布巻きなのですでに別物ですが。
そしてプラグまで4芯化したその音は…さきほどの3芯状態よりも、より個々の音の位置がはっきり聞こえて、ノーマルのCD900STや3芯化でケーブル交換しただけのときよりも全然違うレベルでディテールがはっきりわかりやすくなりました。聞いていてすごく気持ちいい。ケーブルによるチャンネルセパレーション改善の効果ってこういうことか、と。よりスピーカーで聞いているような音に近づいた感じです。
…こうなるのはわかってたんですが、もはやこれは『ついさっきまでCD900STだった何か』なので、ゆえにこれまでリケーブルってあんまり好きじゃなかったり…だったんですよ。これで何かを聞いても、『CD900STで聞いている』ということにはならないんじゃないかと、つまり、いろいろ説明とか面倒くさい。個人でなにも関係なしに楽しむだけなら何の問題もないのでいいんですが、と、割り切るしかない感じ(苦笑)。
NW-ZX1とノーマルのCD900STの組み合わせでは音が団子になったり混濁してディテールを聞き取れなかったような録音の残念な音源でも、非常に明瞭にかつ聞きやすく楽しめる…これはこれでありだなー、と。ZX2に向けて4極化するのが楽しみになってきました。
奥からノーマルのCD900ST、比較的ノーマルに近づけるようにケーブルを詰めてプラグを変えて折りたたみ化したもの、そして一番手前が今回の『かつてCD900STだった何か』…です。いや、CD900STはCD900STですが、すでにかなりの別物に。
実際にやってみて、やはり冒頭で書いた『ヘッドホンは通常はケーブル込みで設計者により音決めされてる』という考えに変化はないというか、よりその思いを強く再認識させられることにはなったのですが、個人的に楽しむ分には、まあ、ありなんじゃないかなあ…という風に認識を改めさせられもしました。ただし、ただしですが、リケーブルしたヘッドホンやイヤホンで何かを聞いたことを人に伝えるときは、その旨は明記すべきだと…要は機種名が指し示す音とは程度の差はあれ全然違うわけだから、です。
実はぶっちゃけてしまうと、ZX2にあわせてMDR-1Aも買おうかなとか考えていたんですが、これで満足してしまいました(苦笑)。
不自然感なく、それでいて明瞭に聞けるという。
4極化するときはスライダーも付け替えて折りたたみ化して完全に持ち歩き用にする予定ですが、この4芯3極標準プラグ化も良好だなーと思ってしまいました。んんん、ZX2用だけじゃなくて普通に4芯3極ステレオミニプラグのものも作りたくなった?(これ以上CD900ST増えてどーすんだ)。
一通り換装が終わったあとで、恒例のアンブレラカンパニーさんの「くるっと」と「ぷすっと」のチューニングを施してあります。これでよりいろいろ捗る。
なんだかんだで、やってよかったです。
これでまた、いろいろ手持ちの曲を聞き直してみたくなりました。
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