FURUTECHの変換コネクター・F63-S(G)とF35(G)を連結させて中継した結果…
今回は手軽に音質向上できるネタをひとつ。
FURUTECHの変換プラグ、F63-S(G)と、F35(G)、これらをそれぞれ一つずつ使って、イヤホンのステレオミニプラグから音楽プレーヤーのイヤホンジャックのあいだを中継させます。
とりあえず、こんな感じ。
各パッケージと中継用に接続した各プラグ。
アップでこんな感じ。
Shure E500とNW-ZX1。楽曲は…武富士言うな(懐かしいな…)。実にカッコイイCDなので手に入るようならおすすめ。
MDR-EX800STとZX1。CDとしては新規発売のこのアルバム…レコードは持ってたんですが、CD版もボーナストラック含め実に良いです。
ていうか、CDの紹介をしたいんじゃなくて、中継プラグを付けるとこんな感じになります、っていうイメージ。
中継にする前の、ばらばらの状態だとこんな感じです。
アップで見るとこう。ステレオミニから標準プラグへの変換コネクターがF63-S(G)、標準プラグからステレオミニプラグへの変換コネクターがF35(G)です。
それをこんなふうに連結。
連結したものをイヤホン側のプラグに取り付けると、こう。
大きさとしては単三電池よりちょっと太くて長い感じですかね。
で。
見た目も実際の取り回しも若干というかそこそこ重量があるのでそれなりに負荷にはなるんですが、それでも敢えてこんな使い方をしているのは…音質の向上がそれなりにあるんですよ。
普通はまず変換プラグを使うという時点で接点が増えることや異質のものを挿むことによる音質の劣化というものを想像すると思うし、実際にほとんどの変換プラグでは音質劣化は避けられなかったりします。
わたしがいくつかの変換プラグの比較をして、個人的にはおそらく素のプラグとの変化や劣化があまりないであろうと感じているJVCのHiFi用途のプラグでも、やっぱりこういう使い方をすると極端に劣化したりはしないですが良くなるということはなかったです。ただでさえ変換プラグ、しかも二重変換しているわけだから当然といえば当然です。
ですが、FURUTECHが出しているこれらの変換コネクターを使ってみたときに「あれ?この変換プラグを付けると、もしかして素でつなぐより良い音してるんじゃない?」と思ったので、まさかとは思いつつもそれぞれをつなげて中継として使ってみたら…ぅゎ、びっくり。
音なので具体的な表現が非常に難しいのですが、視覚に例えるなら、ベタ塗りの部分のはずがそこに濃淡を見てとれるようになったとか、平面的に見えていたレリーフの浮き彫りがくっきりして立体感が増し増しになった、とか、そういうイメージです。
端的にいうなら『情報量が大幅に増える』そういう効果がありました。
ボーカルの息遣いの細やかさや楽器の響きの奥深さ、そして何より空気感が、直結してる時とはかなり変わります。生々しさが増して、これまで平面的な印象だった音たちも立体感を持って捉えられるようになりました。この変化は驚きでした。
ここで不思議なのは「変換プラグをしかも二重変換で使ってるのに、なんで劣化せずにしかも元より良くなってるのか?」というところ。ここでひとつ仮説を立てるとすれば、音の流れはプレーヤー側からイヤホン側へ向かうわけで、その間にプレーヤーのジャックとイヤホンのプラグがあるわけです。通常はイヤホンのプラグが受け取ることができる情報量しかイヤホンのドライバーには伝わらないものです。しかし中継するプラグがイヤホン側のプラグよりもはるかに多い情報量をその先へと伝えられるポテンシャルを持っているならば、プレーヤーから変換プラグが情報を受け取りそれをイヤホンのプラグが多少スポイルしたとしても、素の状態を超える情報量を送り込んでくれる、ということか!と解釈してみました。
でもって、こんな使い方も。
New 3DS LLで使ってみた…3DSってこんなにも音良かったんだな!と感激。いや、そりゃ携帯音楽プレーヤーとかと比べてってわけじゃなくてですね。ゲーム機として結構ディテール出してる音多いんだなぁと…これで3DSに直結では聞けなくなった(苦笑)。New 3DS LLとFURUTECHの変換中継プラグとEX800STの組み合わせがすごい良くて。
ああ、このタイトルこんな音出てたんだ!とか、新規な発見がいろいろあってものすごい楽しい。新作もレトロゲーム復刻も、どれもこれもグッと良くなるので、手放せなくなりました。それなりに重量があるので本体側のジャックがちょっと心配ではあるんですけどね(苦笑)。
こんな感じで、変換コネクターを用いての二重変換だというのに、驚くような効果を実感することができました。
EX800STでもE500でも同様で、じゃあ以前にプラグ変更を行っている直接のプラグをFURUTECHのFT-735(R)にしたMDR-CD900STではどうなの?というところですが、これも意外や変換連結プラグを中継した方がより良い効果を実感できました。うーん…と思って、どんなイヤホン・ヘッドホンでも効果があるのかな?ということでAH-D5000でも試してみましたが、イントロからグッと音の厚みや力強さが増して再生が進むにつれ立体感や音像の生々しさも音色などのディテールも素での直結とは全然違うので感動してしまったり。それから素の状態での接続ではZX1ではD5000はドライヴしきれないと思ってたんですが、変換プラグを通しての接続ではそんなことを感じさせない力強い鳴りになり驚きました。これで聞くモンロー・ウォークの南佳孝のボーカルが色っぽくてたまらなくてしばらくリピートして聞き入ってしまったり。
MDR-EX1000ではどうかな?と試してみましたところ、その他の機種ほどの激変する様相は見せないんですが、それでもやっぱりノーマルよりは立体感やディテールの向上を感じ取れる結果となりました。
以上のような結果です。
変換プラグの連結を中継にして音質向上?というと本当にネタっぽいし、常識的に考えて普通はやらない悪手ではあるわけですが、誰もやってないならモノは試しに…と使って見たところ効果がたまらなく良かったので、普段使いでもちょっと不便するくらいなので現在ではこの接続が常用になってしまいました(苦笑)。
モノが変換プラグということもあってどちらも買っても合計で4000円もしないで簡単に音質向上を実感できるものなので、興味がわいたという方は騙されたと思ってやってみてもらえると面白いんじゃないかと。
ちなみにEX1000での結果で感じたことではあるんですが、プラグ・ケーブルにそれなりに力の入ったモデルや、高額なケーブルを使いリケーブルしている場合などは効果の上昇幅はそれほどではない可能性も考えられます。とはいえEX1000もD5000もどちらも見てみると7N-OFCのケーブルを用いて…とあるのですが、プラグについてはどちらの機種もメーカー公式には言及されてるものがないようです。
で、わたし個人的にはリケーブルには否定的ではあるんですが(ヘッドホン・イヤホンはケーブルも含めてトータルで音質のバランスがとられた製品であるという考え方からです)、今回の変換プラグで中継する手法は、実際に試してみて標準の音質的なバランスを崩すことなくドライバーに届けられる情報量を引き上げて音質を向上させられる手段として、実に面白いなと感じた次第です。
現状ではこのように音質面に注力した変換コネクターをリリースしているメーカーがFURUTECHしかないため(JVCの製品は劣化させないという意味ではあり、それを除くオーディオテクニカやソニーなどの変換コネクターは劣化する方向で音が変わってしまったりバランスが崩れたりしたので論外)、こういった用途に使えるのはFURUTECHが出しているF63-S(G)とF35(G)の組み合わせしかないんですが、さすがに変換プラグを連結しているという体なので写真でもわかると思いますが、大きい(苦笑)。なので、FURUTECHさんがこういった音質向上として使えるequipmentとして、この変換プラグを連結したものと同様の効果を有するコンパクトな3.5→3.5中継コネクターを出してくれたら非常にありがたいです。絶対買う。用途や市場がニッチなのでわからない話ですが、そういうものが本当にあったらうれしいなーという話で。
それから今回プレーヤー側をステレオミニジャックに限定した話で進めてますが、これを逆に連結して標準プラグのヘッドホンをこの変換プラグ連結の中継で使用して聞いた場合も同様の結果を確認しているので、屋内用ヘッドホンをヘッドホンアンプにつないで聞く場合でも、この中継コネクターで聞くと良くなるので、6.3→6.3中継コネクターなんかも出るとうれしいですね。もっとも屋内用ヘッドホンの場合はアンプ側のジャックもそれなりに強固なので、とりま現状の変換コネクター連結で使っていてもあまり困らなかったりとか、ヘッドホン側のプラグが元々ステレオミニで標準プラグにするために変換コネクターが付属していたりする場合もあるので、その場合は素直にステレオミニから標準への3.5→6.3変換コネクターを使えばいいんですけどね。
一応参考までにAmazonのリンクを貼ってみたりしてますが、両方買っても4000円もしないし別段面倒くさい半田付けとか使いこなしとかが必要なわけでもなく、ただつないでくっつけるだけなので、大事なことなので繰り返しますが、興味がわいた方は騙されたと思って試してみてもらえると面白いんじゃないかなーと思います。
Pure Transmissionの一端を味わうことができると思います。
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