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2013年12月29日 (日)

ウォークマン「NW-ZX1」開発者トークショーに行ってきました(半月前)

 去る12月15日(日)、銀座・ソニービルにて開催されたウォークマン「NW-ZX1」開発者トークショーに行ってきました。
 開発者の方からの生の声での話が聞けるとあって、楽しみにしていたわりには前日に友人宅でほとんど徹夜だったために寝坊しました(涙)。
 そのため、わたしが参加したのは2回目の開催の15:00-16:30の分になります。
 ここからは当日のメモと、その他某所に書いたものをある程度整理してお届けします。
 内容的には公式に上がっているインタビューと多分に重複するところもありますが、重複すると思われる内容もまとめて載せています。

 まずは当日忘れないように…と、帰宅してからメモ帳を起して書きのこしたものを。

 商品企画:小野木氏
 最高の音楽体験をできるものを現ウォークマンサイズでコスト度外視で企画。
 ただ大枠は決めないといけないので5~10万円のレンジで。そのために音質や操作面などに支障のあるものは極力省いて、ウォークマンのサイズで最高の音楽体験を得られるものを目指した。
 デジタル化での現在の音楽シーンは音楽の量は過去に比べて圧倒的に増えたが質が圧縮音源などで低下しているので、ハイレゾ対応することで音楽の質の面も豊かにしたいという意図。
 最高の音質ではなく最高の音楽体験としたのは、音質だけではなくUIも含めてのもの。
 音質について良いものだけをシンプルに選別していき、良くない影響のあるNCやFMラジオは削除していった。その上でUI等必要な部分について快適性を求めて作りこんでいった。

 音質設計:佐藤氏
 通常のモデルでは載せられないパーツを載せた。
 OS-CONやバッテリーのケーブル、保護回路やイヤホンジャック。
 筐体は高剛性のアルミ切削(かなり力を入れても曲がらない)。
 開発基板上で音決めしても筐体に組み込むと更に変わるので、何度も組みバラシして調整した。
 他社製ヘッドホンでも良く聞こえるように仕上げているが、推奨ヘッドホンは1R、H3、10R、EX800。

 ソフト:坂本氏
 プレーヤーソフトのw.ミュージックは細かく調整していて操作性や検索性も向上させた。
 DSEE HXも締め切りギリギリ、本来のソフトの締めではアウトなところまで粘って作り込んだ。
 チーム内スタッフでも操作していて「ここが遅いんじゃないの?」などの意見が出るところはちょこちょこ改善していった。
 ショートカット作成機能やテキスト検索なども盛り込み、目的の楽曲に快適にたどり着けるUIを目指した。
 今回はAndroidのシステム面にも手を入れ、自社プレーヤーだけではなく他社プレーヤーやシステム音にも効果が出るように音質設定を実装した。
 また、基板と筐体に合わせて音もチューニングしている。

 デザイン:飯嶋氏
 コスト度外視でデザインしていいとの指令が信じられず企画小野木氏に聞いたら本当に度外視で良いと言われたので、腹を括って本気でコンセプトを伝えるためのデザインをした。
 下部が膨らんでいるデザインは本機の特徴であるコンデンサーなどを収めるためで、アルミ切削筺体については物理キー周りの工作精度(筺体とキーに隙間ができずかつ快適に操作できること)に非常にこだわった。
 背面のエラストマーのテクスチャも下部のふくらみとあわせて持ちやすいデザインを目指した。

 ここから改めて商品企画・小野木氏
 なぜAndroidなのかというと開発のリーズナブルさと実現したいことをすぐに作れるプラットフォームであったこと。 Androidは基本44.1kHz16bitしか出力できないので、今回はそこにも手を入れてハイレゾまでのさまざまなフォーマットを出力できるようにした。
 それからハイレゾは基本的にはメディアで提供されておらずダウンロードする形になるので、WiFiは搭載必須で進めたかったので、そのためのAndroidでもある。
 別にAndroidウォークマンを作りたかったわけではなく、やりたいことを実現するために適切なプラットフォームがAndroidであっただけだった。
 付属ケースについては本体保護の視点もあるが、本体がソリッドなデザインなので、かばんの中などで他の物を傷つけないために、あのようなデザインのケースを付属とした。操作性も考慮したようなケースは現在サードパーティも含めて今後に展開があるかも?
 ハイレゾソースの拡充については、ハード担当なのでソニーのみでは難しい部分や今後の展開についてのロードマップ等は答えられないが、各ソフトメーカーともハイレゾ市場の拡充について連携をとっていこうということではやっている。
 ウォークマンクラシックスが今回搭載されていないのは、音質への影響等の問題ではなく、単純に締め切りの問題。今後のアップデートによる復活については…ご要望をたくさんお寄せいただければ可能性があるかも…とのこと。
 今後の課題についてはDSDのネイティブ再生で、これは今回のサイズには搭載しきれなかったもの。

 …ざっくりと残したメモでは、こんな感じです。

 さらに重複しますが、某所に書いたものを改めて改訂しつつ転載。

 商品企画の小野木氏からは、企画意図としては音楽には量と質があって量は今いっぱいあるけど質が圧縮音源で低下してるからそれをハイレゾ対応などで引き上げたいため、各社ソフトメーカーにもいろいろ根回ししているとのことでした。

 音質担当の佐藤氏のおすすめヘッドホンでは、やはりハイレゾ対応機として1RやXBA-H3や10Rを挙げられていたが、「ハイレゾ対応じゃないんですが」と前置きしてEX800STを挙げていたのが興味深かったです。
 佐藤氏からは、ZX1は現時点であのサイズに込められるベストを詰め込んだので、この機種でやり残したことはないとのことでした。それでもサイズ度外視で持ち歩けないくらい大きくなってもいいなら、やりたいことはもっと…というようなコメントもありました。
 会場では分解されたZX1の各パーツを実際に会場のみんなに回して見せてくれました。コンデンサーの載っている基板は本当に大きいので、これを収めるために苦心したということがわかるし、イヤホンジャックもバッテリーもポータブル機に載せるように思えない太いケーブルが接続されていました。
 バッテリーもおそらくはF880のものとZX1のものをサンプルとして回してくださったのだろうけど、ZX1のは線だけではなく保護回路も大きくてトータルのサイズが若干大きいです。
 アルミ切削のシャーシは本当に頑丈でかなり力いっぱいひねったり曲げてもびくともしませんでした。
 イヤホンヘッドホンについてはおすすめヘッドホンは?という質問の流れでの佐藤氏のコメントで、ハイレゾ対応機は本音半分セールストーク半分だとわたしは思うのですが、EX800STについては一番最後に「ハイレゾ対応じゃないんですがEX800も良いヘッドホンで…」とボソッと控えめに言ってたけど、こっちが本音なのではないかなぁ…と思います。

 参加者からの質問で、付属ケースについて、なんで操作もできないあんなよくわからないケース付けたの?っていうものがありました。
 企画担当の小野木氏からの回答としては、本体保護の観点もあるけど本体のデザインがソリッドだから鞄の中で他のものを傷つけないためのケースとして付属したそうです。
 従来機みたいなケースはサードパーティも含めて今後展開するかも…という回答がありました。

 それから、ウォークマンクラシックスについて質問してる人がいまして、せっかく物理ボタンがあるのにあれが搭載されていないのはもったいない、と…これについてはわたしも同意見の感想をF880やZX1には持っていたのですが、この質問が出たときは、スタッフ一同さんに笑いが出てました(苦笑的なw)。
 商品企画・小野木氏が音質に悪影響があるものは極力排除してシンプルにしたと仰られていたので、ウォークマンクラシックスも動作させると音質面で悪影響があるから載らなかったのですか?と質問者の方が質問されていたのですが、小野木氏からの回答は、音質面の影響はまったくなくて、実は締め切りに間に合わないので作らなかっただけとのことでした。
 画面解像度がZ1000やF800とは変わってるから、細かい調整が必要で搭載してないそうで、今後アップデートでの搭載は要望をいただければ動くかも…だそうなので、現ZX1ユーザーのみなさんはソニーへウォークマンクラシックス復活の要望をどんどん出してくれるとよいかもです。わたしも購入者アンケートで復活希望と書きました。

 今回のトークショーでの話や質問への回答を聞いてると締め切りが本当に厳しかったようです。
 ことあるごとにスケジュールが…とか締め切りが…とかいっぱいいっぱいな状態だったことをどのセクションの方も述べられておりました。

 また、音質担当の佐藤氏からは、ハイレゾだけじゃなく従来のみなさんがお持ちの音源もよく楽しんでいただけるように作ったとのことだったのですが、ハイレゾ対応も今の音楽シーンの質を上げるには必須という意気込みが伝わってきました。それゆえに、このサイズに込められる全力は尽くしたというコメントをされていたのだと思います。
 さらに佐藤氏から、開発基板で音決めしてシャーシに乗せるとシャーシ剛性が良いから良い方向に音が変わっちゃうので何度も組みばらしを繰り返してハード的に調整したのが大変だったと仰られておりました。

 ソフト担当の坂本氏からは、従来と同じソフトの流用ではなく、システム的に出る音をチューニングしてるとのコメントがありました。
 既出かも知れませんが、やっぱりAndroidの音声システムは使ってなくて独自でハイレゾ含む多様なフォーマットを出力できるようにしているそうです。
 面白いのはw.ミュージックだけじゃなくて他社アプリもそのシステムを通して音を出せるようにしてるそうで 、一番わかりやすいのはシステムのクリック音も大元の音質設定の影響を受けるため、試聴時にはイコライザーやエフェクトを変えて操作のクリック音を聞いてもらうと面白いかもというお話がありました。
 それから、DSEE HXは全ての音源に効くというのが商品企画担当の小野木氏からのコメントでした。
 おそらくハイレゾ音源以外の全てにということではないかと思われますが、効果のわかりやすさは曲によって大きく左右されるということでした。録音時の環境が良いであろう曲ほど効果が大きくなるそうで効果が出ない曲はおそらくレコーディングが…ということでした。
 詳細としては、商品企画の小野木氏がしきりに仰られていたのが「録音に金をかけているであろうソースほど効果がある」でした。どういうことかというと、DSEE HX自体は予測補間の技術ではあるものの、その予測自体は録音時の状態を想定してシミュレートして戻すという観点の技術のため、要は戻しの技術なので、元がダメなら戻しても効果が薄いということでした。
 逆にしっかりした機材やフォーマットで録音されたソースなら、CDレベルやMP3からの復元でもかなり効果がある、そういう動作をすることを確認されているそうです。
 録音に金をかけているであろうソースとはそういう意味のようです。
 おそらくはマスター自体はハイレゾ相当以上でそれをCDなどに落とされているものだと効果が大きいのでは…?ということだそうで、これに関しては実際のハイレゾソースのWAVやFLACなどをダウンコンバートしてMP3とかにして実験すると面白いと思われます。
 わたしもなるほどと思っていろいろ聞いているのですが、最近手にしたCDでびっくりするほど効果があったのが『回レ(ry』というのが何とも…CDで聞いたときからネタ曲っぽいのに意外と録音良いなと思っていましたが、実は結構録音がよかったりするのでしょうか(これで違うなら、わたしのセンスがないなーってことで仕方ないですが)。

 1回目に参加した人からの質問でZX1単体とPHA-2と組むのとでどちらが良い音かというのがあったらしく、商品企画の小野木氏からそれについてのコメントとして、好みの問題と駆動力の問題との回答がありました。しょうゆラーメンととんこつラーメンとどちらが良いかと聞かれるようなものだということでして、ただし大口径のヘッドホンはZX1ではドライブしきれない恐れがあるので、その場合はPHA-2を組み合わせて使ってくれると良いとのお話でした。

 ウォークマンの35周年記念機は作らないのですか?という参加者からの質問には、忘れてました(苦笑)というような回答があったかと。ZX1に全力をつぎ込んだため、35周年モデルは考えておらず出す予定もなく、ZX1がその位置に該当するというような話だったかと思います。

 それから、参加者からの質問で、何故Androidなんですか?という質問があり、それに対する商品企画・小野木氏からの回答は、別にOSはLinuxから独自で作るとかそういうアプローチもあればiOSを…って可能性もあったらしいのですが、一番現実的かつやりたいことがすぐできてリーズナブルなOSがAndroidだったからAndroidになったそうです。
 また、ハイレゾはほとんど配信でしか手に入らないからWiFi搭載はマストな要求でそのためでもあったため、PC経由じゃなくてウォークマン単体でハイレゾ音源を取り込めるようにしたかったので、そのためのAndroidという選択でもあったとのことです。
 音質面では、Androidがシステム的に44.1kHz16bitしか出せないのもわかっていたため、今回はそこにも手を入れたということでした。
 それをやる上でせっかくこのOSだからプレーヤーアプリも自由にということなのですが、自社のw.ミュージックもUIはかなり改良していてこだわってるよっていうのは商品企画とソフト担当の方両方でプッシュされていました。
 聞きたい曲にアクセスしやすいUIを模索した結果が現在のw.ミュージックだそうで、実際に使っていてわたしもこれにはある程度納得です。F800の当時はもうw.ミュージックは話にならないと思っていましたが、あれも実はアップデートでまだまだですがそれなりに使い勝手は上がっていて、F880・ZX1でかなり完成度が上がったと感じます。実際、F880とZX1では、音楽用にはわたしはw.ミュージックしか使ってなかったりします。

 ソフト担当の坂本氏のコメントでは、選曲の高速化とか検索とかはチーム内でああしようこうしようってネタを持ち寄ってはこまめにアップデートしていったらしく、ソフトウェア的には締め切りはギリギリ…というより正直アウトだったそうです(苦笑)。
 それからデザイン担当の飯嶋氏からは、コスト度外視という話が信じられなくて商品企画の小野木氏に聞き返したら、商品企画から「どやっ」て感じで度外視でってオーダーがあったので(苦笑)、それならと腹を括って、商品コンセプトがダイレクトに伝わるようなデザインに本気で取り組んだそうです。
 そういう意味ではソリッドにやりたいことを詰め込めたそうで、物理キーと筺体の隙間なんかも操作性と工作精度の両立で相当コストかけて開発したことや、背面のテクスチャーの素材はエラストマーでデザイン上のふくらみと持ちやすさにアクセントをつけるもので、それらのこだわりも狙い通り成功して製品に反映されているとわたしは思いました。

 開発者の方の苦労はものすごく伝わってきましたが、それ以上に製品にかける熱気や楽しさも伝わってきて、大変貴重な機会で面白いイベントでした。
 特に音質担当の佐藤氏が説明してるとき、すごく楽しそうにされていたのが印象的です。
 24席くらいでほぼ埋まってて立ち見もいまして、銀座ソニービルの2F2Aフロアだからそこまで広くないんですがそこが結構いっぱいな感じになっていました。
 こういう機会はめったにないのでとても楽しかったです。


 編集的にはものすごく雑で、読みづらくて申し訳ないんですが、こんなところです。
 大事なことだから二度書いた…的な重複もマジすんません。
 いろいろ推敲する時間がなくて…でも、あのイベント以後、だれかしらがあのイベントについてネットで書くかな?と思っていたら、検索しても意外と上がってこないので…いずれにしてもせっかく行ったから感想も交えて書きたいなーと思っていたので、ひとまずこんな感じです。
 短い開催期間で会場もそんなに大きくはなかったので興味があっても行けなかった方もいるのだろうと思いますが、これで少しでも雰囲気を感じてもらえたなら幸いです。


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