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2013年11月18日 (月)

いまさらながら自分なりにMDR-CD900STとMDR-V6とMDR-7506を買って聞き比べてみた

 あれから3年…って、大魔界村じゃないです。
 以前、気になってMDR-CD900STとその系列機であるMDR-V6MDR-7506のカタログ値的な仕様の違いを調べてから3年。
 あのときに実機をそれぞれ手に入れていればよかったんですが、なんとなく余裕もなかったり他に気が行っちゃってたりで結局ずっとCD900STでしか聞いてこなかったのですが、先日CD900STの修理をしたのを機にまたいろいろ眺めてたらMDR-V6がディスコンになってしまって流通在庫しかないらしいとの話を知り、これは今しか機会がない!と思って残り2つを買ってしまいました。
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 まず両方のパッケージ
 CD900STは簡素な白箱なのは皆さんご存知でしょうが、この2機種はなんだか箱も手が込んでますね…それで実売はCD900STよりも安いというのがなんとも不思議。後で音を聞いて納得しましたが。
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 MDR-V6の箱の裏側。スペックなどなど。
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 こちらはMDR-7506の箱の裏側。これもスペックなどなど。
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 3機種並べてみた。見た目はまあ区別付きづらいですね。一応V6と7506はユニットへのケーブルがハンガーの外側でCD900STはハンガーの中を通されてるという違いがありますが、あとはシールとか機種名の刻印が違うくらい。シールはがしたら多分遠目では本当に見分けがつかないかと。
Cimg0907
 それぞれもうちょっと見やすく並べてみたのがこれ。じっくり比べないと見分けはなかなかつかないですね。
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 正面から。
 左からCD900ST、V6、7506です。
 V6と7506は結構真円に近くて側圧もそこそこありますが、CD900STは楕円でわりと緩めです。

 ここからはそれぞれ聞き比べてみた感想を。
 環境はとりあえずポータブルなので据え置きじゃないから各機が本領を発揮できてるかは参考までに…というところですが、NW-F887で…と思ったんですが、これで聞いてるとなんだかV6や7506はしんどそうな感じなので、ここにAT-PHA10を追加してみた(この時点でわかるようにF880シリーズ単体ではヘッドホンのドライブはちょっと厳しそうですね…)。状態としては邪道もいいとこな環境なので本当に参考になるかどうかも怪しい感想になりますが、これで各機を聞いてみてCD900STと比較した感じは以下のとおり。

 まずは7506から。
 音場はCD900STよりも若干広い印象ですが、なんか中途半端に頭内にみちっと音が集まってきてる感じ。ドライバーから耳への音の距離感はそこそこ遠いんですが、定位は頭内を中心に外に狭く半端に広がってるという印象。繊細さや解像感は結構あり、これが実売9000~1万円程度で手に入るなら上々じゃないかと思えるのですが、音場的にはなんだか中途半端な印象。聞きやすい?とも違う感じ。低音はわりと軽いけどそこそこ腰はありしっかりしていて高音は音色によっては若干シャンシャンしますがそこそこきれいに響いて音のディテールは掴みやすいです。中域もそれらに埋もれずバランスよく聞かせてくれてなかなか。
 ただ、やっぱりどうしても気になるのが中途半端な音場や定位感。狭いわけではなく耳からも遠いんだけど、どうにもみちっと中央に寄って鳴ってる感じが…。

 次いでV6を。
 7506よりさらに柔らかい感じで、音場も広く耳からドライバーの距離感もそれなりにあり、センターのボーカルの定位も頭内ではあるものの7506のようなみちみちした不自然さは感じませんでした。
 精細さや解像感は7506同様にしっかりあり定位もディテールも掴みやすく、かつ低音も7506より腰が据わっている印象。深みもそれなりにあり、ごっつりした低音ではないもののしっかり沈み、重みも適度に感じさせてくれます。
 7506でシャンシャン感じた雑味のあった高域もV6ではそんなにシャリつかずにサラッと聞こえます。
 全体的には値段なりと思える若干の雑味や粗さもあるんですが、高度な解像感と低音から高音までバランスよく鳴り音場も適度に広くドライバーから耳への音の距離感も間近ではないので聞きやすく、シャープな音像なのに硬さはなくふんわり聞こえる、聞いてて楽しくなる不思議な感覚のヘッドホンでした。
 これがディスコンとは本当に残念…世の中良いものから先に消えていくなぁ…(涙)。流通在庫があるうちにもう一つくらい欲しい機種だと本気で思いました。これは良いものです。

 V6と7506とで共通して感じることは、どちらもかなり高い解像感でバランスもよくリスニングにも適していると思われる、わりと万能な鳴り方をする良いヘッドホンだなということです。ただ、値段なりの限界感を感じる部分もあり、ところどころボーカルだったり楽器だったりが「がんばって鳴らしてるなぁ…」という精一杯な印象を受けることや、響きに若干の雑味みたいな、ざらざらというかガシャガシャしたものを感じるところもあります(はじめはF887のドライブ力が原因かと思い外付けアンプを通しましたが変わらないのでヘッドホンの性質でしょうね)。もっとも、実売レベルで1万円するかしないか、上がっても12000円程度で買えるヘッドホンとしては上出来というよりこのクオリティがその程度の価格で手に入るならよろしいのではないかと。

 …これらを踏まえて改めてCD900STを同環境で。
 ドライバーから耳への音の距離感はこれら3機種の中で一番近いです。音場や空間の広がりも凝縮されていますが、響きが格上で前述の2機種とはまるで違い限界を感じさせません。しんどさがなくのびやかに鳴ります。
 解像感やディテールの描き出し方はより一層緻密になり、低音の沈み込みや重さも非常にパンチがあり重い低音がガッツリと鳴り、ボーカルがそれに埋まることなく鮮明でのびやかに聞こえ、高音の伸びや響きも非常にきれい。
 ただ、それらの重さや尖鋭さや音質的な硬さを痛さと感じる人もいそうだな…と思える部分もまったくないわけではなく、そこらがCD900STはリスニングには向かないと主張する人の根拠なのかな?とは思いました。確かにV6の解像感を持ちつつも柔らかく聞こえる不思議な感触なんかはCD900STよりも聞きやすいとは思いましたが、わたしが聞き比べた感じではそれでもCD900STがリスニングに向かないとは思いませんでした…結局のところ音そのものの質をとるなら前述の2機種よりもCD900STの方が格上なのは間違いないので。
 それとF887直結のときに無理なく一番きれいに聞けてつらさや限界を感じさせなかったのもこの3機種の中では実はCD900STだけでした。なので、はじめはF887直結で比較を…とか考えてたですが、待てよ?と思いアンプを通してみて、それぞれやっぱり変わったので…それでも大まかな全体の印象は同じなんですが。
 そんなわけで、F887でヘッドホンで常用するならCD900STで確定というのがうちでの組み合わせだったりします。

 トータルとして個人的にはCD900STがベストだなとは思うんですが、すっきり鮮明なのにふんわり聞こえて楽しいV6の個性も実に魅力的で、ゆるゆる聞くにはこういうのもありだし、1万前後でV6が手に入るなら十分ありなんじゃないかなぁと思ってしまっています。CD900STがガッツリ正面から生真面目に聞かせるという、用途上で当然の性能を満たした音であるのは当たり前なんだけど、そうではなく鮮明に楽しく聞きたいという用途ならV6の柔らかさ・楽しさというのはめっちゃおいしいんじゃないかなぁ、と。なんでこれがディスコンですか…もったいないです。何らかのきっかけで生産が再開なり続けられたらいいんですけどね。
 で、7506は…個人的にはどうにも中途半端な印象を払拭できず、今のところわたしのところでは一番不遇な子になりそうです。CD900STほどの気持ちよさや精密性もなく、V6ほど聞いていて楽しくもない…V6と7506はパーツ構成上も音響的に差が出そうな部分でイヤーパッド、プラグつきケーブル、ハウジングあたりを除いてはほぼ同じなんですけどね。わたし個人的に7506がダメなのは、やたらボーカルが頭内真ん中でみちみちと詰まって鳴るところなのかなと思いました。その不自然感がとにかくダメで…パーツ的にほぼV6と変わらないはずなのに、なんでこんなに鳴りが違うんだろうと結構真剣に悩んだり。そこらについてはV6とCD900STはわりと印象が近くて、不自然には感じないんですけどね。
 某所に書いた簡易的な比較をちょい更新して載せてみる。
空間表現 (狭い)CD900ST<7506<<<V6(広い)
耳への近さ (遠い)V6<7506<<<CD900ST(近い)
精緻さ (粗い)7506=V6<<<CD900ST(細かい)
力感(力強さ) (軽い)V6≦7506<<<CD900ST(重い)
限界感 (低い)7506≦V6<<<CD900ST(高い)
低音 (軽い)7506≦V6<<<CD900ST(重い)
音色の再現性(リアリティ) (低い)7506=V6<<<CD900ST(高い)
 …ざっくりとなので異論はあるかと思いますが、わたし個人的にはこんな風に感じました。
 こういう不等号で並べる比較は乱暴なのであんまり好きじゃないんですけど、視覚的にわかりやすいのはやっぱりこういう表現なのかねぇ…ということで一応載せてみる。
 あと、以前から気になっていた、ネット上での定説的な”CD900STは低音出ない””CD900STの低音は薄い”だとか”7506やV6の方が低音が出る”…これらに関しては、わたしの感想は真っ向から異なる感じです。
 実際、同環境で比較してみて、低音が一番重く厚くゴリゴリとしていてガッツリ出てるのはCD900STでした。V6や7506の低音はCD900STの低音と比べて薄く軽いです。決してV6や7506の低音が不十分なわけではないんですが、比較したらそういう結論に至ったというだけではあるんですが…逆にV6や7506のが低音が出てると感じた環境や楽曲は何なのかを知りたいとは思ったりしてます。
 ここら辺は、いわゆるネットで定説化してるような部分でも自分で実感しないとわからない部分なのだなぁ…と思ったところです。
 正直言ってわたしの感じた音とネット上の定説がかけ離れているのでわたしの耳や感性がおかしいのかなー?と、何度も比較試聴してみたんですが、やっぱりその感想には変化なかったので正直に書いてみました。
 異論はもちろんあるでしょうから、逆にそういう部分での違いの感覚や意見交換とかは面白そうだなぁと思ったりはします。

 そんなこんなで、わたしのCD900ST同系機3機種比較はこんな結果でした。
 実際に買って聞き比べてみてなかなか面白いなぁと思ったとともに、V6のディスコンが本当に残念でなりません…CD900STほどの質はないんですが、比較的近い音色の雰囲気を持ちつつ、その鮮明さでふわっとやわらかく聞かせてくれる、リスニング向けモデルとしても傑作機じゃないか!というのにいまさら気がつくとか、遅すぎだろうと。買えば?と勧めてくれた人もいたわけだから、もっと早く買っておけばよかったです。とはいえ手に入らなくなる前に実際に実物を手にして聞くことができたのは幸運というかよかったです。流通在庫があるうちに後もう一つくらい欲しいですね、これは。正直な話、この価格帯でこの音はなかなかないと思うですよ、過去わたしがわりと絶賛してたmh256SRH840とも異なり、またCD900STに近い音色を持ちつつもふんわりリスニング向けに聞かせてくれるこんな楽しいモデルがしっかり現存してきてたんだなというのが驚きです。CD900STの前身であるMDR-CD900とほぼ同期らしいので1986年からとすると27年のロングランな機種だったのにそれをやめてしまうというのは実にもったいないと思ったりも。後継でMDR-7510を据えてそれでV6や7506を順次ディスコンに…ということであれば残念でなりません。
 個人的にはV6をディスコンにして7506を継続するなら逆じゃないの?って気はしてしまいます。音の掴みやすさなんかもV6の方がいいんじゃないかなーと。
 とはいえ本当に終了してしまっているものはしょうがないので、とりあえず手元にあるモデルを大事にしようかなぁと思ったりもしています。
 それと先日友人宅でこれら3機種を持って行っていろいろ話をしていたときに、アンブレラカンパニーというところでCD900STのいろいろなモディファイを行っているというのが面白そうだって話になりまして、その中でも興味がわいたのがセパレート改造…これのわたしの疑問点としては、リケーブルしたことによるケーブルの素材の違いでデフォのCD900STとは音が違っちゃってるからチャンネルセパレーション以外の部分での効果もあるんじゃないの?ということで、自分で手にして確かめないと気がすまない性分でもあるので、CD900STを複数用意して現在使用してるデフォからプラグ交換しただけのものとただリケーブルしただけのものとセパレート改造したものとの比較をやらないとセパレート化の効果なのかとかわからないんじゃないかしら?ということで、そういうのはいずれ余裕ができたらやってみたいと思ったりしています。
 基本的にはメーカーが意図している状態が出荷時の状態であろうということだから、わたしが常用しているCD900STもケーブルを詰めてプラグを変えてる点でそこそこ違うというか邪道じゃない?って気もしてるんですが、これは一応試聴を繰り返してできるだけデフォのものと変わらないようにはしてみてるんですよね。なので、一応はデフォCD900STとして扱ってはいたりしますが、それ以上にモディファイしたCD900STが面白かったり素姓を失わずに良好な結果を得られるようならそれもありなのかなぁ、と、わたしの昔の考え方で『ヘッドホンはメーカーが意図した状態で調整されてるのだからそれを崩す使い方はどうかと』的に凝り固まってたところからは軟化したかなぁと自分でも思ったりしています。もっとも、基本はやっぱりメーカー出荷時の音がメーカーが届けたい音だろうから…というのは変わってないので、たとえばMDR-EX800STMDR-EX1000のケーブルを使うといったようなバランスも持ち味も崩すような使い方はやっぱり嫌いではあるんですけど、CD900STのようにユーザー側での保守も比較的容易であるゆえに改造する余地もあるホビー的面白さというものにはやっぱり手を出してみたい欲求もあったりして、悩ましいところです。

 そんなこんなで正直こんなものが誰の参考にもならないだろうという系列機比較でしたが、ネタ的に楽しんでもらえたとしたなら幸いです。
 わたしとしてもこの3機種でそれぞれ個性があるのは面白いなぁと思ったりもしました。3機種ともドライバーユニット40mm、最大入力1,000mW、インピーダンス63Ω、音圧感度106dB/mW、再生周波数帯域5~30,000Hzといったカタログスペック面では差がない…と思ってパッケージを見比べてみると、7506だけ再生周波数帯域が10~20,000Hzと違うんですね。サービスマニュアルだとドライバーは同じで再生周波数帯域も5~30,000Hzと同等なのでパッケージの誤植なんじゃないか?とは思いますが。
 カタログスペック上ではほぼ同一でもこれほどの個性が音にあらわれるのは面白いものですね。
 なんやかやでみっつとも手に入れられてよかったと思います。


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