新ウォークマン・NW-F800シリーズ(NW-F807)の『よかった探し』をしてみる
ギャグのようなネタのようなタイトルですが、わりと本気です。
NW-F807ですが、せっかく買ったので、やっぱりなんとか使おう…ってことで、ぼちぼちといいところを探していこう、という内容です。
できるだけいいところを見てべた褒めする方向で書いてみたいというのが今回の趣旨。
そんなわけで、NW-F807については、NW-A867でMDR-EX800STを使うのとは違って付属のNCイヤホンでがっつりNC効かして使ってみています。
ここでまずいいところなんですが、ノイズキャンセルを効かせてもあまり音が劣化しない、ここは良好な点だなー、と。
過去にわたしがノイズキャンセルタイプのヘッドホンを試聴したときに、大抵はノイズキャンセル機能をONにした途端に、これは聞けたものではないなぁ…という感想をもったものが大半でした。しかしF800のノイズキャンセル機能と組み合わせで使う付属のイヤホンは、ノイズキャンセラーをONにしても、あまり音は変わらないんですよね。元々の音の素性もいいし、イヤホン自体はAシリーズやSシリーズと同様のものだったりしますが、これはこれでなかなかいい点かと。
付属品ということでわりと相手にされない感じもしますが、実際しっかり使ってみると良好な音だったりするので、ここはF800の良いところかと。ここから買い換えるならMDR-EX600以上にしないと買うだけ無駄な感じですね。他社DAPだったら付属品のイヤホンというと、ソニー的な製品で表現するとだいたいEX60(実売だいたい1600円前後)よりも下くらいの動作確認用だとかおまけ程度のイヤホンをつけてくるんですが、ソニーの場合は付属品でEX300同等以上でノイズキャンセルつきなので、これだけでも本体の音質に自信があってトータルでいい音を聞かせたいという意思が伝わってくるので、音質としては十分良好というのが想像できるかと思います。
でもって、このイヤホンの傾向なんですが、若干低音に寄り気味なんですが、結構バランスのいいイヤホンだと思います。MDR-EX510などがわりと高音寄りのバランスだったりしてますが、付属のNCイヤホンはEXシリーズをいろいろ聞き比べている中では、高い方のイヤホンだとEX800STに近いバランスで個人的には好みな部類ですね。そりゃもちろんEX800STと比較するとレンジの広さや分解能では敵いませんが、付属のイヤホンでNC機能がついてこれだけの音が出れば上出来だと思います。型番はMDR-NC033ですが、別売で購入するときはMDR-NWNC33という型番で販売されている製品です。実売でだいたい4000~5000円で手に入るモデルです。そりゃ某林檎製品よりも音がいいわけです。本体の素性の良さとイヤホン自体の良さで、普通の人なら買い換えなくてもそれなりに満足できる音質は出てると思います。だからここから買い換えるならEX600クラスか、それ以上じゃないとあまり意味はないんじゃないかな?というわけです。他社製の中途半端な値段のイヤホンに変えるくらいなら付属のまま聞いていた方が音はいい、と。
本体のS-Master MXのクリアさも、この本体とイヤホンでNCを効かせた組み合わせでかなり活きてきます。NCがあるおかげで過剰に音量を上げなくてもクリアでいい音で音楽を楽しめるというのは、ソニーのウォークマンだけなんじゃないかなー、と思います。
F800のいい点といえばAndroidをOSに採用している点ですが、ある意味ではこれが最大の利点といえます。購入時に標準で入っている音楽プレーヤーは、ソニーがウォークマンとして推しているw.ミュージックがあり、その他にGoogle Playミュージックが標準として入っています。それぞれ音質が違うので聞き比べてみるのも面白いです。また、その他のAndroid用に作られた多数のプレーヤーソフトを好みに応じてインストールして使えるというのも良いところですね。音質的にはわたしの個人的好みではGoogle Playミュージックが素直でいいかな?と思いましたが、再生機能やライブラリ管理といった面も含めてだと、PlayerProやPowerampといったアプリを使ってみるのも面白いし、それらの後から購入してインストールするようなプレーヤーだとMP3やWMAなどのギャップレス再生やクロスフェードなんかもできるので、標準のプレーヤーソフトには搭載されていない多彩な再生スタイルのバリエーションで楽しめるのは、F800のようなAndroid機ならではのよいところといえるかなーとは思います。
F/AやExtreme Digital Warfareといったタイトルで、CDなら普通にメドレーでセパレートじゃなくつながって流れるところをCDを取り込んだMP3やWMAだとトラックの変わり目のギャップで一旦切れるんですが、それらの後から導入するプレーヤーアプリだとギャップレス再生の設定もできるので、CDと同様に違和感なくつながった状態で聞けるようにできるのもいい点ですね。圧縮音源のギャップレス再生については、これまでのウォークマンではATRACしか対応してこなかったようなので、プレーヤーソフトの選択次第でそこから脱却できるようになったのも良い点ですねー。これはOSにAndroidを採用したから可能になった点としては、Z1000同様に進化といっていいと思われます。その意味での汎用性をとるなら、確かに操作はタッチパネルに集約させてしまった方がいいとはいえるので。
また、Android採用でそれなりに解像度の高いディスプレイを搭載しているため、高解像度のきれいなカバーアートを表示させられるのもまたいい点ですね。
これまでのDAPだと、とりあえず認識できればいい程度の粗めの解像度のカバーアートが表示できればまあいいかという程度でしたが、 F800だとWVGAなので480×480くらいで作っておくとそれなりにきれいなカバーアートを表示できて楽しいです。
NW-F800のキャッチコピーが”音楽も動画もゲームも、さらにいい音でもっと楽しく”なので、動画のいいところ。ソニー製のBDレコーダーやなんかを持っているとおでかけ転送に対応していて録画した番組を手軽に持ち出せるというのもいい点なんですが、個人的にここを推したいという部分が一点あります。
NW-Z1000を買ってないのでそっちはわからないんですが(ハードの性能的にF800とほぼ同じなので同様だと思われます)、A860までの感覚だと、ウォークマンに転送して見られる動画は30fpsが仕様上の限界で、もちろんそれ以上の動画は登録しても再生できず『対応してない形式』だとされてしまいます。しかしF800だと、DVDくらいの解像度の動画なら60fpsまでの動画の再生が可能なので(念のため、仕様上では30fpsまでとなっています)、TV録画を手動でエンコードしてきれいな状態で持ち出してなめらかな動画で見ることができます。動画のエンコードをちょこっとかじったことのある人や動画の仕様に詳しい方ならご存知な話だと思いますが、TVの放送はインターレースという方式で行われています。1枚のフレームを走査線の奇数偶数に分けて、とびとびの走査線で描かれたトップフィールドとボトムフィールドという二枚の絵で構成しているわけですが、これをそのままの解釈でウォークマンに持ってくると、再生したときに横方向の縞が目立ったり、動きが滑らかではなかったりします。縞を消すためにインターレースのソース(元動画)をプログレッシブという方式、つまり交互の走査線ごとにフィールドを描いて2フィールドを1フレームとするのではなく1フレームで全部の走査線分の絵を一度に出す絵に変換するわけですが、それをインターレース時のそのままのフレーム数の解釈でやると、動画としてフレーム内の半分の動きを捨てていることになるわけです。当然動きも多少ぎこちなくはなっているのですが、従来のウォークマンやPSPではそれでしか再生できなかったので妥協していた部分です。それをしないためにエンコード時に2倍fps化という処理でプログレッシブ化するわけですが、過去のTV放送というのは29.97fpsなので、これを倍にした59.94fpsの動画は、従来のウォークマンでは仕様の範囲外ということで弾かれて再生できませんでした(大事なことなので以下略)。ですが、F800だと、それを弾かずに普通に再生してくれるので、しかもディスプレイの解像度もそれなりに高いので、ほぼDVDそのままの解像度でなめらかに再生できる60fpsまでの動画をいい音で再生できる、これはいいところだなーと思います。
※上記のインタレとプログレの件はかなり雑で乱暴に書いてるので、突っ込みたい方もいると思いますがご容赦を(苦笑)。
ゲームもAndroid上で動作するものはある程度は動作するので、それがいい音で楽しめるというのはよいかなー?と思います。まあ、ゲームで…というなら、個人的にはPSPとかにS-Master MXを搭載したモデルを出してくれたら嬉しいんだけどなぁ、と。ディスプレイをプログレッシブにしてS-Master MXを搭載してくれるだけで文句ないんで、それをPSP最終版として…話がそれましたすみません。F800ではアクションとかシューティングとかきついと思うんですが、ビジュアルノベルとかだったらそこそこ動くんじゃないかなーと。で、そのビジュアルノベルということなら、セリフや音楽がいい音で聞こえてくれた方が当然うれしいわけで、そういう意味ではF800はいいハードなんじゃないかな?と思います。欲を言えばQHDくらいの解像度があればもっとよかったかなー、とは思いますが、このサイズでWVGAもあれば十分といえば十分なので。
むりにほめてませんか、って?
んなこたーないです。
せっかく買ったんだから有効性は見い出したいし、ハードウェアの実装部分で音質的にとかで疑問点はあったとしてそこはユーザー側ではどうしようもない部分だけど、ソフトウェア面でメーカー自身がやる気がなかったとしても、それは汎用的なAndroidというOS採用機なので、なければユーザー側で工夫する…という使い方があるのだから。
というわけで、プレーヤーソフトをいろいろ試していて、先日のエントリーでちょっとだけGoogle Playミュージックがよいかな?ということは書いたんですが、これ、考え方としてはプレーヤーがおそらくあまり音をいじらずにドライバーに投げて、素直に出してるように考えられるので…というのと、音自体がそんなに作ってないんじゃないかな?という音だったからなんですが、他にも独自デコーダーで再生してるプレーヤーソフトで、PlayerProとかPowerampがよさそうというのは上記にあるとおり。
その他のアプローチでNeutron Music PlayerやGoneMad Music Playerというのもあって、とても面白いです。
でもって。
DAPなんだからいい音質で聞きたい…というので探していたら、こちらのプレーヤーが実によかった、と。
Neutron Music Player
基本全部英語で日本語表示はほぼないんですが、設定面がかなり詳細で、音質もUIもとても細かく設定できるのが魅力的です。
基本的には設定項目も単語が並んでるだけなので、そんなに英語力がなくてもわかるレベルだと思います。わからなきゃ辞書引きながらでも使ってみるといいんじゃないかと。音質はそこそこの数を試したプレーヤーの中でも一番いいかも。わたしが使ってみてる設定はイコライザーやエフェクト関係はほぼ全部OFFで、ResamplingをFASTにして(CPU負荷が低く余計な処理も入らない)…くらいでしょうか。その他詳細はいろいろありますが。
これでNW-A860にかなり近い音で聞けてるんじゃないかなーと思います(微妙な差はありますが、w.ミュージックよりかなりいい音であることは間違いないです)。
音はいいんですが難点が結構あり、一応ロックスクリーン対応とかもしてるようなんですが、F800だと重いみたいで、ロックからの復帰とか他のアプリを動作させていてからの復帰で、UIが頻繁にフリーズするんですよねー(涙)。表示させてだいたい数秒~十数秒待つとコントロール可能な状態に復帰するんですが、動作自体はかなり重いプレーヤーなんだと思います。
それとバッテリー消費がめちゃめちゃ激しいです…無線系全部OFFでNCはONでマスターボリュームを真ん中あたりで画面OFFの状態でMP3で320Kbpsの曲を再生し続けてほぼ30分ほど使ってみましたが、バッテリーがパーセンテージで3~4%ほどの低下を示しました。1時間だと6~7%というところになるでしょうか。Google Playミュージックでほぼ同様の条件で計測したときは1時間でおよそ4%程度の消費だったため、それなりに大きいようです。
音質だけで考えたらNeutron Music Player一択なんですが、バッテリー消費や操作性を考えると、そう簡単におすすめできるものでは現段階ではないのだなーと思ってしまいました。トータルバランスではGoogle PlayミュージックかGoneMad Music Playerか、PowerampかPlayerProのいずれかかなぁ…国産でKENWOOD Music Controlもおすすめかなー、こうしてあれやこれや悩めるのもいいところですね。選択肢が複数存在するというのは、ある意味では贅沢かと。
F800で同じ曲・同じファイルを各プレーヤーでイコライザーなどは基本的に標準設定かOFFかで再生したときのわたしの個人的な順番づけなら、音質だけならNeutron Music Playerがトップ、以下Google PlayミュージックかKENWOOD Music ControlかPlayerProかPowerampのどれかを選ぶかなぁ、と(どれも悩ましいんです、有料にしたって値段もそんなに高いわけではないし入れておいて損はない感じ…まだいずれも試用版で悩んでいる段階ですが)。
各プレーヤーのウィジェットを並べてみました、上からNeutron Music Player、GoneMad Music Player、KENWOOD Music Control、Google Playミュージックです。
こうして並べると聞き比べしやすいかな?と思ってやってみました。
以下、NW-F800で聞く各プレーヤーの寸評です。
Neutron Music Playerで前述した設定で聞いた音が一番好みというか、鮮明で生々しく聞こえました。ボーカルも生き生きしているし、各楽器の演奏もメリハリがしっかりしていて、わたしがA860の購入時の感想で書いていた『静寂からの音の立ち上がりの気持ちよさ』に近いものをこのプレーヤーの再生音からは感じました。空気感や音場の広がりなんかも随一です。ディテールの描写力も半端じゃない高さで、付属イヤホンのNC033で聞いていてもこんなに細かい音を出せるのか!って驚くくらいでした。F800の持てるポテンシャルって本来は結構高いんじゃないか?A860を超えるまではいかなくても、肉迫するくらいまでは実はいけるんじゃないか?と思わせてくれたのは、このプレーヤーの音だけです。それと、カバーアートの表示が一番きれいかなー?と思ったのも、このプレーヤーです。他のプレーヤーは拡大処理とか甘いようでジャギーが出たりぼやけたりとか結構ある中で、Neutron Music Playerはソースの画像の解像度さえ高ければ、かなりきれいに表示してくれてます。惜しむらくは挙動の重さと不安定さ。ライブラリ構築のためと思われるフォルダスキャンもとにかく重く遅いですが、それを待つだけの価値のあるプレーヤーです。
GoneMad Music Playerは、これもNeutron Music Playerと同様のアプローチで音声再生を可能にしてるプレーヤーです。OpenSLというシステムを使っていて、非使用のプレーヤーよりもクリアな音を出せてるなーというのが、この二つのプレーヤーを使っていての印象です。当然、Neutron Music PlayerでもGoneMad Music Playerでも、コンフィグでOpenSLを使用しない設定にすると音がもやもやするのですぐに効果はわかると思います。で、GoneMad Music Playerの場合は、Neutron Music Playerよりもデフォで低音押しな感じです。クリアさ、鮮明さではほぼ同様な印象ですが、ディテールの描写力に関してはわたし個人的にはNeutron Music Playerの方が各段に上に思いました。が、あっちは動作がすこぶる重い…というわけで、もっと軽快に手軽にいい音質を…ということなら、このGoneMad Music Playerは、現時点での最適解なんじゃないかな、と。ただしこれも日本語については微妙な部分があるのと、基本的にほぼ英語なので、そのあたりは使用するにあたって覚悟が必要です。たいしたことはないと思いますけどね。わからない部分は辞書引きながらでわかるレベルで書かれてると思いましたし。
KEKWOOD Music Controlは操作性と音質が比較的実用性の高いレベルでまとまった良質なプレーヤーだと思います。Neutron Music Playerよりはゆるい感じがしますが、これもエッジのくっきりしたメリハリの効いた音です。アタックがスッと入ってくる感じで、余韻は無駄に引かないところがすっきりしていてよいです。ただこれも音質重視に寄っていると思われる分、操作面で重いところがあるようです。UIのデコレーションはきれいですが、そこらが重いのかもしれず?と思われます。
PlayerProは、なんていうか、自然に高音質。Neutron Music Playerみたいに研ぎ澄まされた抜き身の刀身みたいな切れ味を感じさせる音ではないんですが、カジュアルに自然にいい音だなって感じられる音です。操作性の軽快さも相まって、使いやすいプレーヤーだと思います。日本語の対応がわりと中途半端なのがちょっと惜しい点ですが、使えないレベルではないのでなかなかいいと思います。
Powerampは、これもPlayerProと同様に、カジュアルな感じでよい音質のプレーヤーかなー、と。好評なのは方々で書かれているとおりで、多彩な再生機能や調整機能がわかりやすくまとめられているのがよいかなー、と。タグ認識も比較的良好な部類で日本語対応もわりと出来ている方なので、これで吉野家牛丼一杯分程度なら買って損はしない…という気はします。なんていうか音に関しては普通にいいので、とりたててどうこう書くところが見当たらない…という自然さがよいのかも。
Google Playミュージック、個人的には普段使いならこれも推したいです。現時点で極めて音がいいと思ったのはNeutron Music Playerで間違いはないんですが、聞いていて一番安心できる音だったのは、このGoogle Playミュージックだったのです。聞いていて一番ほっとする自然な音質というのがこのプレーヤーからは出てるなー、と。前述のプレーヤーたちがそうだというわけではないんですが、Google Playミュージックからは、高音質にするために信号をいじくりまわしている感じがあんまりしなかったんですよね(Neutron Music PlayerとKENWOOD Music Controlを除いて)。Googleの制作なのでおそらくデコーダーやミキサーは普通にOS標準搭載のものを使ってるんでしょうけど、そこから音をよくするために出音をいじってるって感じがしない、聞いていてホッとする音だったのが一番好印象な感じで。音質的な好みの直感では、PlayerProやPowerampは微妙にもんやりした感じがしたので、それらよりも、このGoogle Playミュージックの方がいい感じがするんですよね(異論は認めるw)。むりくり良く聴かせるためにいじってなくて素直に出してるんじゃないかな?というふうに聞こえたので、推しだったりします。F800の場合は、わざわざオンラインから拾ってこなくても元からインストールされているというのも強みかも。もっとも、タグ認識とその解釈での分類とか日本語解釈の面で若干不安はありますが。タグでアルバムアーティストを設定している場合は、それがバラバラだと同一アルバムの曲を一つのフォルダにまとめていたりしてもバラバラのアルバムに分類されたりするし、WMAのファイルでファイル名をトラックナンバーを先頭につけたものにしていてタグにトラックナンバーも振っているのに、曲名タグの頭文字順でアルバム内でソートしてしまったりとか…ここらはメディアストレージのデータをテキトウに解釈して使ってるっぽいので、メディアストレージとプレーヤーのどちらが問題なのかいまいちわかりませんが、要改良な点だと思われます。
…番外として、Xperiaに搭載のWALKMANです。Xperiaから吸い出されたものを他機種にインストールできるように頒布されてたり。こちらでは敢えてリンクとかインストーラーファイル名とか書きませんが。興味ある方はテキトウにぐぐって探してみるとすぐ見つかると思いますよ。なにやらウォークマンの開発陣が音質監修とかで開発に関わっているとかで…って、えー?じゃあ本業のウォークマンであるF800のアプリ開発もちゃんとやってくださいよー、といいたくなるほど出来のいいアプリケーションだったりします。挙動は速いし検索性もいいしプレイリストの自己作成と編集機能もあってイコライザーとかも充実してるようだし…F800に拾いものを入れた場合はこれらの一部機能はほとんど動作しませんが、とりあえず基本的な再生だけは可能。というわけで音質ですが、Google Playミュージックに遠からず近からず、という印象です。Google Playミュージックよりは、音場的に横に広がりが持たせられてるかな?という音なんです。ちょっと作ってるかなーと思える音質ですが、F800の標準であるw.ミュージックよりは全然いい音してます(どうしてこうなった?)。Neutron Music PlayerやKENWOOD Music Controlほどガチで音質寄りに傾倒したつくりではなく、あくまで聞きやすい親しみやすい高音質と操作性って感じですね。そういうゆるさはありますが、w.ミュージックよりは全然いい…で、操作性もわりと直感的に動かせるので、ヘルプ等を参照しなくてもある程度は動かせてしまいます。ソニーはw.ミュージックのアップデートとかにはもうあまり期待はしてないんで、このXperia搭載のプレーヤーをF800やZ1000にインストールできるようにユーザー向けにリリースしてくださいよ。それで音質がNeutron Music Playerレベルだったら最高なんですけどねぇ…ウォークマンなんだから音質にはこだわってほしいし。
…というわけで、NW-F807を買ったので、初めの感想だとA867からの劣化具合に落胆しまくってたわけですが、プレーヤーアプリを複数試す中で見えてきたのが、Androidだから高音質にできないわけではない…ということ。初めはわたしはF800の音質がアレなのはAndroidのシステムに縛られて、たとえるならWindowsでミキサーを通した音がアレなのにASIOだったりWASAPIからの出力ならいい音質で聞けてたというような制約があるのでは?と思ってたわけですが、どうやらそれに近いイメージっぽい?(原理は違うようですが)…で、プレーヤーソフトによっては独自の実装でもっていい音を出してるのがあることもわかったわけで、F800、いいじゃん!という結果に。
まあ、素ではダメダメですけどね(涙)。
少なくとも今後なんとかなりそうな可能性が見えたことは大きいです。ハード的なベースの部分は今回はどうしようもないとしても(おそらくNeutron Music Playerでも微妙にA867に敵わない音質だなと思ったのはこの部分でしょう)、ソフトウェア的にはw.ミュージックを使わなければ全然いい音で聞くことのできる道はあるわけで(知恵と努力と少しのお金は必要ですが)、その可能性が見えたのはとにかく大きいですよ。
でもって、Neutron Music Playerの動作を見ていてハード的な処理能力が足らない可能性大というのもわかったので、次にAndroidウォークマンを開発するなら、ハードスペックはかなり高めにしてもらいたいなぁ…というのが正直なところです。メモリ不足とかじゃなくて単純にプロセッサパワーが足りないっぽい印象ですね。
付属イヤホンに関しては、このレベルでも十分に音質はいいので、付属としてはとても満足できるレベルじゃないかなー、と。買い換えたい人向けのアップグレードパスとして提示できるのはMDR-EX600以上でしょう。EX600かMDR-EX800STかMDR-EX1000、そのくらいまで上げるのでなくては、1万円程度くらいまでのイヤホンに中途半端に買い換えるのはもったいないレベル…ということが、聞き込んでいてわかったことです。
要はハードウェアのパッケージとしては非常によく出来てる、と。なんだろう、仏作って魂入れず…っていうのがしっくりくる表現かなぁ…。惜しむらくはw.ミュージックの音質と操作性と機能がどれをとってもサードパーティのPlayストアで提供されてるどれにも劣るというのが…いや、いいとこ探しましたよ。w.ミュージックでいいと思ったところ、アルバム表示の整理や日本語認識がしっかりしてるところです。ここはさすがだと思いました。アルファベット表記でアルバムタイトルをつけてるアルバムで、1バイト文字つまり半角英数のものと2バイト文字つまり全角で作ってしまってるものがライブラリーに混在する場合、ほとんどのプレーヤーやシステムだとこれらは1バイト文字のものが先行して整理されて2バイト文字のアルバムは後ろの方に回されがちになるんですが、w.ミュージックだと、それらをアルファベットはアルファベットで全部まとめて文字順で表示してくれるところですね。それからアルバムタグの日本語についても、一般的なPCやAndroidのプレーヤーだとまずはひらがな・カタカナ・漢字と、それぞれも文字種でバラバラにされてしまうところをw.ミュージックではそれぞれの五十音の読みで整理して並べてくれるところ、これは優れているなって思いました。いや、まあ、従来のウォークマンつまりA840・A850・A860やS750とかでも当然のように出来ていたことなんですが、それをAndroid上のプレーヤーに実装してくれてたのはすごいな、ありがたいな、と思いました。これで音質と操作性とプレイリストなどの機能と快適な動作速度があれば問題なかったんですがねぇ…要はこのライブラリ管理のロジック、それに関しては現時点ではおそらくw.ミュージックの右に出るものはないと思われます(叩くばかりじゃなくてちゃんといいとこ見つけてます、どうでしょうか?)。わたし思うには、XperiaのWALKMANアプリがこのライブラリ管理のロジックを実装してくれたら、アルバムや曲やフォルダの検索性がグッと向上すると思うんですけどね。タッチパネルオペレーションだと、A860で採用されていた『画面最上部にアルファベットかひらがなの切り替えスイッチを実装してそこにX軸方向のスライドで頭文字検索できるバーを設ける』このUIは実によく考えられていたなーと思うんですよね。なんでそれと同様なことがAndroidでは出来ないんだ?って思いますけど。ソフトウェアで実現するわけだから、できないことはないですよね?というわけで、可能性は見えてきたので、ソニーにはそういったアップデートをぜひ行っていただきたいなぁ…と。
ちなみにこれがA867でアルバム選択操作をしてみているところ…こんな感じで、上部の頭文字列の部分をなでると選択されている文字がポップアップされて、その頭文字のアルバムのトップへ飛べます。
ひらがなの場合はこんな感じの頭文字列です…この場合は左端の『ABC』の部分をタップしてアルファベットに切り替えます。切り替えも素早くできるし、これならスクロールバー一本でずるずるとアルファベットからひらがなへ…とか、その逆とかを操作するよりも全然検索性が高くて素早く操作できます。
これらの操作系、Androidで実装出来もしない仕様だとは思わないので、妄想を炸裂させるなら…
・w.ミュージックのOpenSL ES実装とNeutron Music Player並みの音質の実現
・XperiaのWALKMANアプリ並みの動作速度と機能の実装
・A860同様のライブラリ検索機能実装
・MP3やWMAといった圧縮音源ファイルでのギャップレス再生と調整機能の実装
ソフトウェア的にはこれらが実現されるだけでF800は見違えるように実用的なDAPになれると思うんですよ。ていうか、今風に言うなら『神端末』(苦笑)になれる気がします。
でもって、Neutron Music PlayerやGoneMad Music Player、Google Playミュージックで聞いていると、ソニーがこれまで培ってきたDSPによる各クリアテクノロジーを用いなくても、むしろ用いない方が、きれいな音を出せるんじゃないかなー?というのが見えてきた気がします。前々からわたしが据え置きでも書いてる『化粧しない音のがきれい、かつその情報量をロスなく取り出せて再生できる方がきれい』…47研究所の考え方には納得し賛同できるのであれらの機器は憧れではあるんですが(据え置きで聞く時間が少ないことや、ぶっちゃけ手が出ませんというところで眺めてるだけではありますが)、要はそういうシグナルパスが短ければ…とか、DACとかにしても下手に間にロジックを挟んで信号をいじりまくるよりはシンプルに出力した方がいいに決まってる…というのをYASUMASU2_99さんのNOS-DACでCDを聞いて理解・納得し感動した人なので、DSPと組んで信号を調整するような機能で『きれいに聞こえるように加工した音』よりも、『できるだけ原信号をシンプルにありのまま再生しようとした音』をS-Master MXで増幅して聞かせてくれるようなつくりなら…。これを読んでいて気付かれた方もいると思いますが、S-Master MXの考え方もそれに近い部分はあると思うんですよ、ジッター除去を増幅段の前に持ってくるとか、プロセスを極力シンプルにしているところとか。考え方としてはゼネラルオーディオ向きではないんでしょうけど、Androidで作ってるということはそこらもプロセッサとソフトの処理でいろいろできるんじゃないかな?ということで、シンプルに出力するもクリアテクノロジーで化粧しまくるのもイコライザーで好みに調整するのも何でもありって作りにできるんじゃないでしょうか。そういう多様性も含めて開発してもらえたら…ハード・ソフト両方での今後の可能性も見えてきたのが、F800を手にしてみて、面白いな、よかったな、と思ったところでしょうか。
F800自体はZ1000から二代目のAndroidウォークマンなので、まだまだこれからだとは思うんですが、ある程度の課題は見えてきたのではないでしょうか。
DAPとしては操作性も大事ということでタッチパネルに全面的に頼ってしまうのはどうかというところから、せめて再生・停止と送り・戻しのハードキーの実装復活、それから今回は完全にダメダメだと思われるソフト面…再生ソフトの音質・機能・動作速度の面での改善と充実、ハード上の実装でアナログ的な部分で音質にもこだわった設計…そういったあたりでの改善点というのはあるんじゃないでしょうか。今回Neutron Music Playerで聞くことでA860に迫る音質を体感しましたが、まだA860のが上かな?と思ったのは、たぶんハード的な要素も大きいんじゃないかな?と考えてます。A860が基板設計にまでこだわったというような記事は残念ながら見つかりませんでしたが(KENWOODがHD60GD9ECで実現したようなこだわりがあったかどうかまではわかりませんが)、F800よりはDAP専用設計ということで有利だったのではないでしょうか。とはいえAndroid端末だからそれができないとも思えませんので、今後音声出力のアナログ設計にもこだわった製品を企画開発してくれてもいいんじゃないでしょうか。というか、F800シリーズの売価の下がりっぷりを見ていても、初動で購入して音質にがっかりした人のリアクションとかがかなり響いている結果だと思うので、ソニーもこれを反面教師として次の機種に活かしてもらえたらなぁ…ウォークマンなんだから、音質の良さで売ってきたわけだから、そこを大事にした製品開発を続けてもらえたら…というのが、F800を手にして考えたことでもあります。
なんやかやでえらい長くなりましたが、F800、ある程度の操作性の悪さには妥協して、少しの追加投資と使い方を工夫することで、十分音質の良いDAPとして使えそう…というのがわかったのがよかったです。
投げ出さずにいろいろ試して良かった(苦笑)。
せっかくなので改めて貼ってみます。
癖のあるDAP…というよりAndroid端末だとは思うんですが、音質的な不満がある程度解決できそうなことで、手にされる方が多少でも増えるといいなということで。
ここまで投げずに読んでくださった方、ありがとうございました。
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