細江慎治WORKS VOL.1 ~ドラゴンスピリット~ 届きました
細江慎治WORKS VOL.1~ドラゴンスピリット~
待ち遠しかったですよー、これぞ【どらすぴ】サウンドトラックの決定版ですね。
届いてびっくり、まさかディスク2枚組だとは思ってませんでした。
ほぼ各2ループ、ばっちり収録されてます。
音質面はひとまず急いで聞きたいってことでポータブル環境ですまないのですがD-NE920とMDR-EX800STで聞いての感想ですが、これはすごいわ…待った甲斐がありました。
今まではわたしが手持ちの基板から自主録音して作ったサントラをずっと聞いてたんですが(もちろんビクターのVGG Vol.2も持ってるし好きではあるんですが、それはそれ)、何せ素人の録音だし、録音したのがもうかれこれ十数年以上前なので、その頃はケーブルとかあまり音質にもこだわってなかったんですよね(そのかわりマスターはCDで作ってたというのが何とも…当時はマランツの業務用CD-R録音機を持ってたので)。それでも当時で個人的に満足し納得のいくレベルでは録音できてました。
しかし。
やっぱりスィープはすごいですわ、これまでにスィープから出たサントラにももちろん不満のあるものはほとんどなかったわけですが、この【どらすぴ】においてもとても満足です。
クリアかつストレートなサウンドは、基板から自主録音したときに、ごく僅かに混入してた『ジリジリ…』といったようなノイズもなく(基板のスピーカー配線の接続から直接聞いても聞こえていたので当時はやむなくそのまま録音してました)、音の力もしっかり録れていて、一音一音がメリハリも鮮度もグッと迫ってくるままにパックされてる感じです。
たかがゲーム音楽の録音と侮るなかれ、真面目に仕事されたものでないとろくでもないことになるのはコナミのグラディウス箱とかシューティング箱で痛い目を見てるので(あれらの商品は本当にひどかった、ダメ録音としては反面教師的な見本ですね)…しかしそこはやっぱりスィープはさすがプロです。というか、グラ箱・シュー箱のスタッフと比べること自体が失礼ですね…。下手なケーブルや機材で録音されたときにわかってしまうような窒息感とか閉塞感はまるでなくて、がっつり大元からのダイレクトに極めて近いと思われるサウンドを堪能させてくれます。
ていうか…逆に自主録音のもまだまだ甘かったんだなーというのは当然なんですが(そりゃ素人の録音ですから)、VGGを聞いたときでも気がつかなかったような音にさらに気付かせてくれたりとか(ポータブルCDとイヤホンという環境なのに!)、【どらすぴ】ってまだまだこんなに奥が深いんだ!こんな音で鳴るんだ!と、感動してしまいました。
過去形じゃないのは、細々とながら、まだプレイしてるからなんですけどね(苦笑)。
収録内容は、ほぼ各2ループは入っていて…というのは、エリア1とかエリア6のBGMって当時VGGでも書かれてましたが未完成なので、エリア1はともかくエリア6は展開のおかしな部分をカウントに含めて真面目に2ループさせるとえらい長くなるので、ということで。しかしその未完成なところもそのままきちんと収録してくれたのはうれしいですね。ゲームをプレイしていて聞こえてたBGMはこれだ!ってことで。エリア6にしても、その、展開がおかしくなる部分までしっかり収録されていて、実にありがたいです。エリア6をミスらず通しでプレイしてるとちょうど氷壁の中盤あたり、アイスピックを数本やり過ごして、崩す氷壁を1~2か所ほど抜けるあたりで曲の展開がおかしくなることがわかるんですが、そのあたりもちゃんと入れてくれているのがうれしいです。
ボーナストラックも実においしいです。
エリア1のロングバージョン、基板のデータだと未完成といわれていた部分がきっちり作り込まれたものでしょうか、いろいろ豪華になってていい感じです。X68000版の深夜ロードBGMの収録もありがたいです。そういえばX68K版には、深夜起動時にこんなの入ってたっけなぁ…と(内蔵タイマーを見てロード画面が変わる仕掛けがありました、電波新聞社のX68000用の移植では他にスターラスターでもそういう仕掛けがありました)。
アレンジトラック、米光亮氏のエリア6BGMは、往年のナムコVGG系に入ってたアレンジのノリをよりアグレッシブにした感じで、めっちゃよいです。ナムコに限らずファルコムなどでもおなじみの米光氏のアレンジの特徴?だと思うんですが、ソリッドでスピード感と広がりを感じさせるサウンドは、いつ聞いても気持ちいいですね。JEET SINGH氏のエリア3BGMも熱くてよいです。これまでエリア3のアレンジってメインのメロディーがシンセメインなのが多いように思ってたんですが(リッジレーサーズの影響も少なからずあるかも知れず)、こういうギターメインでガチでロックなアレンジも熱くてよいですねー。
2枚目のアサルトについては…これも同様にいい録音です。
わたし個人的にはアサルトについては、細江氏の…というよりは、野口氏の曲のイメージが強いんですよね。というのも、やっぱりBGM1の印象は大きいなぁ、と。これ、何度聞いても飽きないんですよね、アサルトのBGM1って。独特の緊張感があって。
クエスターは正直なところ現物にお目にかかったことがほとんどないので、あまり思い入れはないんですが、VGGで曲だけは聞いたことがあったかなーという程度だったんですが、スペイシーでいい曲です。これも同様にやたらいい音で収録されているので、聞いていて気持ちいいです。
メタルホークやオーダイン、ファイナルラップなどなど、細江氏の楽曲でということで新譜が出るとうれしいので、今後の展開が楽しみになるCDでよかったです。
それから、細江氏の楽曲だけでなく、ナムコのシステムI・II時代の曲は傑作が多いので、メルヘンメイズやデンジャラスシード、フェリオスにバーニングフォース、スプラッターハウスやベラボーマンなどなど、そのあたりのものも、こういった再収録でのCD化に期待したいですね。システム86とかそれ以前でもいい曲は多いので、たとえば中潟氏のモトスやサンダーセプターやバラデュークや源平討魔伝、川田氏の妖怪道中記やワルキューレの伝説あたりも改めて今できる録音の技術でCD化されるとうれしいですねー。
ひさびさにCDですごい満足できました。
心の底から買ってよかったと思えるCDをリリースされたスーパースィープに感謝します。
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