著作権絡みでいつも思うこと
先日、著作権法が改変(改正だの改訂だのは言いたくないですね、断じて正しいわけではないので)されたことにより、違法ダウンロードコンテンツの厳罰化やCD/DVDのリッピングというか要するに著作権保護手段の技術的回避手段を用いたコピーが私的複製でも違法厳罰化という流れのようで、ちょっと待てーいという感じ。もうアホかと…ダウンロード違法化自体もそもそも問題のある話だったんですが、厳罰化により通信傍受とか要は違憲立法じゃないのこれ?って疑いが非常に強まった…公権力(警察)がより法の名を借りて無法に動けるようになった、要は人権無視・違憲でも法を建前に捜査権が強まったという異様な状態が成立しつつあるという。
それはさておいて(置くのかよ)。
いつもいつも、こういう著作権絡みの話で思うことなんですが、コンテンツつまり著作物・創作物って、有形無形はあるにせよ著作物の内容というのは無形だと思うんですよ。でもって、著作権者はそれをメディアという入れ物に入れて売るわけですよね。紙媒体なり磁気媒体なり光学メディアなり電子情報なり、まあ、いろいろですけど。造形物なんかだと有形ですよね、トイとかフィギュアとかグッズとか。
常々思っているのは、いつも著作権者というと聞こえはいいですが要は発売者・販売者、つまりは売り手の権利ばかり主張されてるのはどういうことなのよ?と思うんですよ。買い手というか視聴者、受け手の見る権利・知る権利・聞く権利というのはまったく考慮されないのはおかしいだろって話です。
売り手がメディアで売ってる以上は確かに在庫や生産の問題というのがあるのはわかるんですが、それを盾に品切れしたら手に入れられない状況というのを売り手が改善しようとしたことをこれまであんまり見たことがないんですよね。切れたら切れたで中古で買えだのあきらめろだの…ねーよ、ふざけんな!って話です。今でもあまり見かけなくなったとはいえやっぱり廃盤とかで高騰してるものってあると思うんですよね。たとえばLDだったり本だったりCDだったりDVDだったりでも。ものによってはVHS時代は出ていたけどLDやDVDにはなれなかったものだってあります。その中にはコンテンツの内容自体が現在の基準に照らし合わせると確かに違法性のあるものもあるかもしれません。違法性の有無にかかわらず、媒体の変化の流れで残されることが困難になっていったコンテンツというのもあると思うんですよ。単純に需要の問題とかもあるんでしょうが、概ねは売り手の『儲からないから作らない』という判断によって切り捨てられたコンテンツ、だったりね。でもそれらだって当時作られたコンテンツであって、それを見たい・知りたいという受け手側の権利というのも守られてしかるべきじゃないかと。売り手側が著作権ばかりを主張して受け手の行動を制限しすぎるのはどうかと思うんですよ。だったら、売り手側は受け手側にコンテンツを常に供給し続ける責任と義務を有することを法でしっかり決めてくれないと話にならんだろ、バランス悪いしおかしいだろって話です。それをしてはじめて違法コピーだの違法ダウンロードだのを罰するという体制でいいと思うんですよ。やれロットアップだの廃盤だの絶版だので手に入れられない・見られないという状況を受け手側に強いるのではなく、要望があれば極端な話、1部でも再生産すべきだろってことです。この辺、データ配信だと在庫や保管場所の問題はある程度クリアされるので、そういうのでも構わないと思うんですが、とにかく売り手側は一方的に著作権ばかりを主張するのやめないか?ってことです。
それと、メディア破損時についての対応も問題ですよ。メディアという入れ物に入っている以上は傷だったり劣化といった破損などでコンテンツを読みとれなくなるということはあり得るわけですが(DVD初期のものだと貼り合わせが剥がれてくるメディアもあったりとか…斑鳩のDVDなんかそうなんだけど)、そういった場合にメーカーが新品の値段ではなく(だってコンテンツ自体には初回で支払ってるわけですから)、メディアの値段でフォローしてくれるのか?ちゃんと交換対応とかしてくれるのか?っていうことです。そういうの、ほとんど聞いたことないですよ。でもって今回の法改変ではDVDなんかのリッピングも違法厳罰化なわけですが、ユーザーの自衛のバックアップすら許さないというのなら、著作権者側つまりメーカー、売主にもそれに対するフォローの恒久的な義務化を課するべきなんですよ。それなくしてリッピングの違法化・厳罰化などあり得ない、と、わたしは考えます。
何が不満かっていうと、そういう『送り手としての義務・責任』を果しもせずに都合のいいことばっかり言うな!ってことです。そりゃちゃんと買えば手に入るものが違法に流れてる状況は罰せざるを得ないというのはわかりますが、だったら買うという手段で手に入れられなくなったものについてはそれを要求されたときにちゃんと応えてくれますか?ってことなんですよ。それができもしないのに、そのものが流れててそれを手にした人がいたとして、その手に入れた人を罰するようなのは腑に落ちない、なんか言ってること間違ってますかね?要は適切な価格でちゃんと流通させ続けてくれていればそれは買いますがな、当然です。だって受け手としては作り手にはそういう意味で感謝を伝えるしか術がないわけだし、対価を求められて作られたものにはそれを払うのは当然なわけで。だから売り手側はもうからないを理由に廃盤だとか絶版にするのではなく、それらを作り続ける責任と義務を有するわけで、それらを果たさないのであれば著作権を盾に受け手側の行動を規制するなよというわけです。ただ、マジコンで某議員のガキとか話題になりましたけど、ああいうようなきっちり流通してて手に入るものをガチで遊ぶくせにパクろうというのは親ともども強く罰せられるべきだろうとは思うんですが、もはや古本屋とかで中古で異様な高額でしか手に入らない本だったり映像や音楽といったもの、ものによっては中古ですら見つけることもできないような消えていきつつあるコンテンツ、そういうのまで規制対象にしたりっていうのはおかしくね?というわけです。そこらにまるで考えをめぐらせずに十把一絡げに違法でござーいと規制して厳罰化とか、頭おかしいとしか思えないですよ。
著作権についての考え方も時代に応じて変えていく必要はあるんじゃないでしょうか。また、それを取り巻く状況だったり、取り扱い方についても柔軟に考えていく必要はあると思います。
旧態依然とした考え方で権利主張ばかりするJASRACだのレコード協会だの、杉とかいう刑務所ビジネス目指してるおっさんだのが今回の改変の裏にいるようなんですが、じゃああんたらはその著作権を行使するに値する責任と義務をこれまで果たしてきたのか?ってことですよね。してねーじゃん、と。自分らの利権ばかり主張して受け手に対する責任はきちっと果たしてきましたか?っていったらやってないしやれてないですよね。時代の流れに応じられずに古いやり方で儲からなくなったからといってそれを受け手側とか社会のせいにして法規制しようだなんて、それこそ規制されたり罰せられるべきなのはそちらの権利者側じゃないのかな?なんて思うんですが。そんな一部の人たちの歪んだ主張なのに、ろくな議論もないまま一方的に厳罰化してしまった今回の法改変は、いずれ速やかに撤回されるべきことだと思うんですよね。
まあ、何が言いたいかっていうと、沙羅曼蛇のOVAや仔猫ちゃんのいる店シリーズをそれなりな廉価でDVDなりBDなりDL販売でリリースしろとか、そういうことなんですが(苦笑)。
オチませ…いや、しょーもないオチですみまそん。
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