これはスマホですか?(F-07Cいろいろ…しばらく使ってみて)
動いた上で何をやるかではなく動くことに価値がある<挨拶
いや、まあ、本当は動いたことにより何をやるか・やれるかが問題なんですが。
F-07C、今のところだらだらと使用感を並べてみたりしてますが、そのうち誰かが綺麗なまとめサイトを作ってくれるんじゃないかと期待してみたり。
スマートホンというほどスマートではなく、しかし実際にスマートホンを使ってきた身からすれば、スマートホンなんて実際そんなにスマートじゃないしな、というのはさておいて。
仕組みについてわかってきたことがいくつか。多分に推測を含みます。
まずこの機械、携帯電話がベースで、そのうえでWindows 7が走っているととらえてよさそうです。厳密にはデュアルOSのはずなんですが、縛りが携帯なんですね。わかりやすいのが電池残量。一般的なWindowsのノートPCを使っている方にはおわかりでしょうが、Windows側では通常はバッテリーの残量管理を百分率で1%単位で表示してますよね。充電中のバッテリーのパーセンテージの上がり方なんかも見ていればわかると思います。が。F-07Cは、100%・30%ときて、あとは10%か、そんな大雑把な表示しかしてくれません。で、30%で充電しろとか言い出して、しばらく使っていると強制的にケータイモードへ移行させられます。強制移行のときは何も表示せずWindows 7がいきなり休止状態に入りケータイモードへ移行するんですが、この、何も表示しないというのがそもそもの誤りというよりシステム的・ヒューマンインターフェイス的に欠陥だと思います。使用者の意志を問わずいきなり移行するのはどうなんだろう?と。そうでなくても電源管理の粗さは設計者が責められてしかるべき。携帯電話としても細かい表示ができた方が良いわけですし、PC側としては百分率で表示するのが当然なわけで、Windows 7のきめ細かい電源管理もそういった情報があってこそ活きてくるので、OS側がハードウェアなりベースのシステムなりからまともな電源情報を得られなければその管理も無駄で無意味になってしまうよ…。
強制でケータイモードに移行するときPC側は休止状態に入るんですが、これのSSDが遅延書き込みのキャッシュをフォローしてないので、システム的にめちゃくちゃ遅いんですよ。おそらくこのPC(と呼んでいいんだよな…)の抱えている遅さの根本的原因はここにあると思われます。ストレージのアクセスがアホみたいに遅い。SSDだったらなんでもいいってわけではないので。話を電源に戻して、ケータイモードからWindowsモードに戻したとしても、電源に接続していなければまたしばらくしてケータイモードに強制的に戻されるんですが、この、強制でやられるというのが非常に厄介かつ鬱陶しい。で、前述した休止の入りと復帰がストレージの問題でかクソ遅いというのもあって、めちゃストレス溜まります。これはケータイ側のファームウェアのアップデートかなにかで要改善だと思いますね。少なくともケータイモードへ移行するかどうかをユーザーに確認させるようなダイアログを表示させて、選択させてから移行するとか。ま、電源管理でバッテリー残量の情報をハード的に拾っていて、それが100%・30%・10%しか拾えないというのなら、ファームウェアでどうこうできる問題ではなくなってしまうんですが、いまどきなんだけどやっぱりそんな馬鹿げた作りなんでしょうか。で、ケータイとしてはそちらのモードに戻る分には問題ないんでしょうが、PCとして使うには致命的。
この仕様、フル充電で使っていてもストレス溜まりまくるわけですが、ユーザーレベルで気がついてしまうこんな欠陥すら放置したままで発売してしまうというのは正直な話メーカーとしてどうなんでしょうかね?ぶっちゃけ欠陥なんですが、作り手がある程度動くところまで作って、あとは実際にフィールドでの動作試験とか試用をしないで自己満足で商品化してしまっただけの代物としか思えません。これでは本当にただの技術デモですよ。しかも粗悪でできの悪い…さらに、ユーザーにとっては有償で高額の。
うちのリーダーも稼働時間の短さについてはギャグかなんかか?なんて笑ってたし。うちは業種的にはPC修理屋なもんでも、うちのリーダーはどちらかというとPCやモバヲタというよりはあまりそういうのに興味のない普通の人なんで、たぶんあまりPCそのものには興味はないけど小さいPCとして使えるんだーなんていう普通の人がこの端末を手にしたら、似たような感想を持つと思われ。ワンフェスに一緒に行った友人もPCやモバイルについての興味は似たようなもので、やっぱり似たようなリアクションだったしねぇ…。一応、FUJ02E3Serviceを停止した上でケータイモードに移行して、携帯電話の電源を切るとPC側に戻ってくるので、それならバッテリー警告が出ても強制的にケータイモードに移行せずに使えたりするようなんですが(要再確認…時間がなかなかなくて確認中に寝たりしてしまったんで)、その場合もバッテリーの残量管理は前述の大雑把な数値しか出ないので、10%になったらぎりぎりまで使おうとせずに意識的に休止なりなんなりに入るようにしないとダメかもです。どういうことかというと、5%や3%になったら休止状態にする…とかいった、細かい電源管理がまったくできないんですね、この機械。ま、30%で警告が出て、そのあとケータイモードと行き来するよりはマシかもしれませんが、しかしこのサービス停止をやってしまうと3Gの通信を使えないという諸刃の剣素人にお勧めできないうんたらかんたらなので(携帯電話側の電源を切ってるんだから当然といえば当然なんですが)。なにかうまい方法はないものかと…。電磁残量の感知についてはハードウェア的に仕方ないらしいという話もあるようなので(コストダウン絡みでバッテリー管理のICがそういうことになってるらしいとか、よくわからないよ?)、それもどうなのよ?って感じです。もしケータイ側のOSがベースで管理してる情報をWindowsが受け取ってるだけで、ケータイ側のOSが百分率でバッテリーの状態をWindowsに送れるように変えられるなら(要はハードの変更無しにファームウェア変更で変えられるなら)、富士通は直ちにでもそのようにファームウェアをアップデートすべきだと思うんですけどね。ケータイでもありPCでもあるなら、その双方にとってよい方向に作らないと意味ないでしょうに、両方にとってデタラメかついい加減な電源管理を採用してる時点で頭悪いですよ設計者。しかしまあバッテリー残量についてはW-ZERO3
シリーズなんかでも散々言われてきたことではあるんですけどね、Windows Mobileは細かいバッテリー残量を把握できるのにベースが携帯・PHSだから残量表示が100%・75%・50%・25%しかない、と。
ユーザー主導で明示的に切り替えさせてくれて、携帯電話の機能優先みたいな感じで強制切り替えさえなければ文句はないんですが、どうもケータイモードの自己主張が激しくて稼働時間が短すぎるのでPCとしては使い物にならない…というのが、現時点での印象ですよ。今のところの対処としてはmicroUSB端子への外部大容量バッテリーを接続しての運用、これで3G通信をしながらどのくらいの時間稼働できるか、ですね。
実際にeneloop stick boosterを接続しての動作では、CPUのクロックを1.2GHzに上げた状態で3G接続してGoogle Chromeでテキトウにネットを見ていての動作で1時間20分程度連続動作したのち、ケータイモードへ強制移行されました。標準のバッテリーだけだと同様の使用条件で30分弱程度でケータイモードへ強制移行してしまうので、連続で1時間超えて使えるなら、一応は許容範囲といえなくもないです。接続はローソンストア100で買ってきたスマートフォン用充電ケーブルでeneloop stick boosterとF-07Cをつないで、タスクトレイのアイコンを見ると充電不足時はまず充電されますし、満充電時は外部電源からの優先使用になるので、eneloop stick boosterの電源が切れてバッテリー動作になったときでも、eneloop stick boosterの中のeneloopを充電済みのものに入れ替えて再度接続することで活動時間の延長は可能なので、スタイルとしてはスマートじゃないですが稼働時間の問題は一応はこれで解決…といえるかも。めんどうくさいですけど。標準でこの稼働時間なら、3倍程度の大容量バッテリーをオプションとして用意しておけ…といいたいですね。
一応、接続したときはこんな感じになります。
写真の解像度とかの関係でタスクトレイの電源アイコンがよく見えないのが残念ですが、実際にはちゃんと電源に接続されているコンセントとバッテリーのアイコンになっていて、満充電時は充電よりも外部電源からの使用になりますし、バッテリーが減っているときは充電しつつ外部優先で動くので、そこらの挙動は普通のノートPCと同様だったりします。
TVCMで拡張性を売りにしていてPC使用時にUSBをクレードル経由でしか使えないのだからクレードルも標準添付すべきものだと思うんですよ。売り方もおかしいっちゅうねん、という感じで。
…と、散々ぼろくそに書いてきましたが、正直なところはこのサイズでフルのデスクトップOSであるWindows 7 Home Premiumが32bit版とはいえ動くのだから、面白い製品に間違いはないです。極めて不便ではあるし、よっぽど訓練されたモバヲタの心を平気でへし折りにくるような仕様満載なんですが、ゆえに燃えるというか萌えるというか(ダメ人間だ…)。極端に短い稼働時間も、PCモードがケータイのおまけ扱いのひどさでケータイ主導という不便さも、それをはねのけるほどの強力な利点が、こいつにはあります。それは、たとえケータイのおまけのような扱いであろうと、フル機能のWindows 7 OSが手のひらサイズでしっかり動作する、これに尽きます。そこには稼働時間の短さなど瑣末な問題でしかありません。ぶっちゃけiPhoneもAndroidも店頭に並んでいる実機に触れてみたり使っている人に見せてもらったりしても、そのタッチパネルの動作や面白さには惹かれましたが自由度という面では落胆しかなかったですよ。元々l'agendaやCASSIOPEIA E-3000というPocket PCからW-ZERO3といったWindows Mobileを使っていてそのPCに近い自由度に魅力を感じていた身としては、iPhoneやAndroidは今風のネットを見られる洗練された携帯端末として魅力は感じていても、面白いなぁとは思わなかったんですよね。ある意味でのガラケーに近いどうしようもない窮屈さを感じてたわけです(というか結局日本のキャリアが手掛けるとスマートホンと言ったって意味合い的にはガラケーに近くなるんだなぁという限界が見えたというか、結局は大半のユーザーが求めているのがそういうものなんだろうなぁ、と)。モバイルにはもっとオープンでユーザーがいじれるような部分がないとつまらないとか、端末の仕様そのものにある種の狂気は必要だろうと思ってるので(大事を語るつもりはないですが、もともと技術の革新なんて一種の狂気から発展していくものだろうし、それが広まるのはある程度洗練されて濃さが薄まってからだと思っているので)。そういう意味では、F-07Cはケータイに縛られているのがとても残念で惜しくはあるんですが、いい感じに狂っているので面白い端末だと感じたから買ったんですよね。で、フルのWindowsが動作する利点は結局のところネット利用というのが主目的になるわけですが(この非力な端末にゲームとかの重い処理をさせる気にはあまりならないです)、よくありがちな『ケータイやスマートホンでは表示できない・対応できないサイト』も、Windowsなので(あたりまえですが)PCとして任意のブラウザで普通に表示できるというわけです。このサイズでこれができる、そこが最大の利点です。それ以外は…まあ、いいか、と。普通に当たり前のPCとして使おうとすると制約が多すぎて話にならないんですが、動画再生を除くweb閲覧ならバッテリーが持続さえするならF-07Cは問題ない性能を発揮してくれます。結局ここに尽きるんですよね。そして、そのバッテリー問題については、メーカーが3倍程度の容量のLバッテリーを出してくれるかMUGEN POWERあたりでそんなバッテリーが出ればうれしいんですが、現状はeneloop stick boosterだとかその他の外部電源をつなぐことで解決ってことで運用するしかないですが、それで解決できるのがまだ救いです。ハードウェア的にはカメラやBluetoothがあってもPC側から利用できないとかいうトホホ仕様も、フルのWindows環境で手軽にネットを閲覧できる『だけ』の端末として考えれば不足はありません。そうだ、PCなんだけど、PCだと思うから制限が気になるわけで。しかし実質的にはやっぱりPCだからいろいろやらせたくもなるわけで…実に悩ましいです。ケータイベースではなくPCベースか、もしくは同等でユーザーに選択権がある端末なら、こんなクソい装置にはならなかったのでは…と思うんですが、とりあえずはこんなとんがったイカレ端末が発売されたことだけでも奇跡で良しとすべきなのでしょう?
キーボードもフルキーもどきのLOOX U譲りな変態キーボードで記号すらまともに打てませんが、PCとしてフルに使いたいとか、そういう端末じゃないので。まぁ、キーボードがそんな仕様のせいでスクリーンショットひとつ拾うのすら苦労するわけですが(PrtScキーがないので)。あと、LOOX U初代機でも散々文句を言われていましたが、促音がFnキーと同時押しじゃないと入らないとか、やっぱりそういうキー配置か…と。で、『Fn1』と『Fn2』でFnが二つあってフイタw…そこまでやるならいっそもう一つFnつけて記号とかもほとんどをしっかり直接入力できるようにしておけとか思ったり。記号は『きごう』と打って変換してくださいなんてアホなFAQがあるかい、と(苦笑)。
はっきりいってしまうよ?
一般的にはクソい端末であることに間違いはないですが、ユーザーの工夫で無限大にとまではいかなくともかなり面白い使い方ができる端末に化ける可能性を秘めているともいえます。んで、自力で何とか工夫したり、そういうことをやっている人からの情報を収集して自力でなんとかできる・やる気のある人向け。起こった問題にはひとまず自分で考えて対処できる・しようとする人向け。わからないからと販売店やメーカーにクレームつけたりするような人にはおすすめしないです、そういう人はiPhoneかAndroidでも使っているといいよ?と思ったり。
「何に使ってるの?」と聞かれて、嬉々として「設定・カスタマイズ・ベンチマーク」と答えてドン引きされても平然としていられる価値観の人向けのマシンですよ、これ。TVCMでやってるような、もしくは単カタなどに掲載されているような『いかにもなビジネスマンが仕事の効率を上げるために活用するマシン』ではないです、ガジェットヲタク向けのキレ気味な楽しい?おもちゃ、それがF-07C。この解釈間違ってると思わないですよ。少なくともスマートホンじゃないです、全然スマートじゃないし。つーか一般的日本人なら普通にガラケー使っとけって思いますけどね、なんだかんだでケータイ向けwebのシステムもガラケー向けに特化されてるわけだし。そういうとカイガイガーとかいう人がいますが、おまえそんなにいうほど海外行くのかよ?交流すんの?って思いますしね。技術的にも海外に後れを取るとか主流がどうのという人がたまにいますが、そんなの開発者や企業が考えればいいことで、うちらユーザーには関係ないわって話ですよ。よそはよそ、うちはうち。で、開発側が海外の流れにも注視しつつそれを国内にうまいことアレンジして取り込んでいけばいいわけで(元来日本人ってそういうことをやってきたわけだし)、うちらユーザーはそこらへんにはうまく順応していけばいいだけで。周囲でもガラケーからスマホに乗り換えた人を何人も見てますが、まあ今流行りだし結構がんばって使ってる様子だけど本音はやっぱり使いづらいとか不満たらたらなようで。流行りで手にするもんじゃないです、目的があるかこの手のおもちゃが好きじゃなきゃダメですよ、スマートホンだのモバイル端末だのというのは。
あと、ドライバー更新とか出てないかな?ということでいろいろ探しましたが、今のところサウンドドライバーが変えられるらしいとか(もちろんデバイスベンダーから直接拾います・インストールや動作は当然動作保証外で自己責任ですね)、あと、ビデオドライバーの更新を拾ってきました。
Intel Atom GMA 600 integrated graphics driver 8.14.6.3067 edition
これなんですが、ドライバーそのものはこのリンクで、落として解凍するとなぜか富士通のドキュメントが(苦笑)。どういうこと?と思って富士通本家をいろいろ探したんだけど、探し方が甘いのか見つかりませんでした。要確認。しかし富士通のドキュメントで一応GMA600用となってるし、インストールもなんとなくうまくいったので、とりあえずそれで使ってみています。
これが更新前のドライバーのバージョン。8.14.6.3056で…インテルのサイトにあるものより少し新しいものが入っていました。で、そのときのWindowsエクスペリメンスインデックスがこれ。
ちなみにCPUクロックは1.2GHzに上げてるので、別情報で標準で結果を掲載されているものよりは高いです。それ以外はさほど差はないですが。
で、下が更新後。
バージョンは8.14.6.3067です。更新履歴とか見ましたが…動画の再生支援とかの強化に期待したんだけど、そういうのは特になさそうですね。で、なんで富士通のテキストがあるのかは意味不明なんですが、それはさておくとして。
Windowsエクスペリメンスインデックスは、これ。
…あんまりというか、全然変わりませんね。ま、今のところはこのドライバーで劇的に何かが変わるということではなさそうなので、ドライバーに関しては初期状態で使っても問題なさそうです。わたしはしばらくこれで様子を見ますが。
実はまだmicroSDHCとかをこれ用に調達してないのでゲームだのその他アプリケーションだのといった動作についてはなにもやってないんですが(正直忙しいっていうのもあって、ここ1週間はガタガタだったので)、そのあたりはまたの機会で見てみたいと思います。もっとも、この手のものが好きな人からはわりと注目されてるような気がする端末なので、わたしなんかがやらなくても他でどんどんそういう情報はあがってくるだろうから、こちらもそれを楽しみにしていたりして。
現時点では一応この程度ということで。
ビデオ回りだとか電源管理のあたりが、ファームウェアやドライバーなどの更新で改善するとよいですねー。富士通なんであまり期待はしてないんですが、電源周りの挙動はユーザーに致命的に悪印象を与える動作なのは間違いないと思っているので、そこだけでも改善してくれると良いですね。
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