ThinkPad Edge 11"をWindows 7(64bit)とWindows XP(32bit)のデュアルブートにしてみた
ThinkPad Edge 11"は標準状態で64bit版のWindows 7が導入されているのですが、諸事情あってWindows XP Pro SP3を入れてデュアルブートで使ってみたいということになり、やってみました。
諸事情については割愛…いや、正直にはPARTY'S BREAKERがWindows 7で動作しないので、しかしなんとかしてThinkPad Edge 11"一台で持ち歩いていて遊べるようにしておきたいという、どうでもいい人からは実にくっだらない、しかしわたしにとっては2003年頃までの熱い同人ゲームとかを今のスペックのB5ファイルノートで動かせたらどんだけ楽しいだろうかという、結構重要?なところがキッカケだったりします。
今回のネタは応用的なことも考えながら進められる人向けということで基本的に質問はご遠慮願いたい方向で。参照先などを見て考えながらできる方向け前提です、あらかじめよろしこ。
※わたし自身がわからなくなると困るので時間があれば全部の手順を残したいところなんですが、いずれにしても他所のコピペにしかならなさそうなので、今回は素直にリンクさせていただくことにしました。
必要なものは本体の他にWindows XPのメディア、外付けの光学ドライブ、CDかDVDの空メディア、32bitのWindows 7のインストールDVDかWinPE3.0のディスク…くらいかな。それとパーティションを分割作成するので、パーティションをいじれるユーティリティを適宜用意する必要があります。
まずはインストールするWindows XPのメディアの用意なんですが、Windows XPは古いOSなので、インストール用のCDのままではSATAに対応していません。そのまま起動するとHDDが見えなくてインストールできません。で、BIOSでSATAのモードをCompatibleにしてインストールすればというのも考えたんですが、デフォで入っているWindows 7側に何かあったら面倒だとか、インストール後にAHCIに切り替えるのも面倒なので、インストール用メディアにドライバーを組み込んでしまおうというところから始めます。
まずはXPのメディアとnLite、それからインテルのサイトへ行ってF6 インストール用 32 ビット・インテル® RST ドライバー・ファイル (バージョン 10.1 用)を用意します。
nLiteの詳細な使い方についてはヘルプを読むなりしていただきたいんですが、外付けの光学ドライブにXPのメディアを入れて参照ボタンを押してから組み込み用イメージの一時作業フォルダを指定して次へを押して、そのあとでタスクの選択画面のところでドライバのボタンとブータブルISOイメージのボタンを押して次へを押し、追加ボタンを押してドライバ単体を選択して、上記のインテルからダウンロードして解凍したフォルダの中からiaAHCI.infを選択するとドライバ一覧が表示されます。モードをTextmodeドライバにしたままでTextmode統合オプションの中からドライバを選ぶわけですが、明示するのが面倒くさいのでキーボードのCtrl+Aで全部選択して(全部選んでも特に問題ありませんので)OKをクリックし、次へを選択して処理を進めて、完了したらISOイメージを作成してCDなりDVDなりに焼きこんで完了です。
また、お持ちのXPのメディアが古くてサービスパックが当たっていないなどの場合は、nLiteでSP3を統合しておくとかするとインストール後の処理が楽です。
次にパーティションの操作です。
ThinkPad Edge 11"は標準でドライブレターの振られていないシステムドライブとOS(Windows 7)の入っているCドライブ、リカバリーパーティションや工場出荷時用のリカバリーイメージが収められているQドライブが用意されていますが、このうちWindows 7が入っているドライブのサイズを縮小してXPをインストールするパーティションを作成します。初期で切られているパーティションは全部プライマリーパーティションのため、プライマリーパーティションはあと1つしか作成できません。また、XPのパーティションとは別にデータ用にパーティションを切りたい場合は拡張パーティションで論理ドライブを組むしかないんですが、XPをインストールするのは拡張パーティションの論理ドライブ内でも問題ありません。
うちでの環境は上記の図のようになっています。
わたしはAcronis Disk Director 11 Homeを使用してパーティションを操作しましたが、ユーティリティは何を使ってもいいんじゃないかなと思いますので、適宜お好みのツールを使って領域設定してみるとよいでしょう。
パーティションはあらかじめ切っておいて、フォーマットも済ませておくと楽だと思いました。
ちなみにXPから見たときのパーティションの構成はこんなんです。
XPをインストールするパーティションの準備ができたら、電源を切ってUSBで光学ドライブをつないで、先ほど作成したWindows XPのメディアを使用してインストールを開始します。
出荷時状態のインストール用ディスクだと起動時にF6を押してフロッピードライブからAHCIのドライバーを読みこませないとインストール作業時にHDDを認識してくれませんが、さきほど作成したDVDからならドライバーを組み込んだ状態なので、インストールパーティション選択時に正常に領域が表示されます。で、ターゲットのパーティションを選択して、インストール開始です。XPのインストールが完了してデュアルブートの準備が整うまでは、これでWindows 7も起動できなくなりますので注意。また、データパーティションとかを用意しておいて、あらかじめ必要なドライバーなどをそこに入れておいたりすると、あとで楽だったりします。そこらへんはいろいろ工夫してみると面白いんじゃないかと思います。
XPのインストール作業自体は従来通りなので、特に説明不要だと思われ。
なお、ThinkPad Edge 11"に合わせてのドライバーのインストールの詳細については割愛しますが、簡単にだけ説明します。
まずは上記のAHCIのドライバーが入った状態のXPを入れておいて、XPが起動したら次にまずネットワークのドライバーだけをLenovoから落としておいてインストールします。そのあとネットにつながることを確認したらセキュリティ関係を最優先で入れたあとで、LenovoからXP用のThinkVantage System Updateをダウンロードしインストールします。で、ここからアップデートをかけると必要なドライバーはほぼすべて入ります。ドライバー類が入ったら今度はWindows Updateで完了です。ほとんど自動ですね、手動で入れるドライバーは少ないです。実に便利。
Windows XPがインストールされてからマイコンピュータなり管理からディスク構成をみると『へー』と思うかも知れません、Windows 7のときにはドライブレターの振られていなかったSYSTEM DRVがCドライブに、XPがインストールされたドライブレターはそれより後ろになっているはずです。XP上では迂闊にドライブレターを振り直さず、そのまま使用した方がよいでしょう。
ここからデュアルブートのための設定を行います。
参考にしたというより手順まるまる使わせていただいたのはこちらです。
『~インストールから設定・活用まで~ すべてが分かるWindows 7大百科』
ここの26ページ目から28ページ目までが参考になるんですが、ここで32bit版のBootsect.exeが必要になります。そのための32bit版のWindows 7のメディアなんですが、普通ThinkPad Edge 11"とXPのメディアだけを用意した場合は無いのが当たり前なので、ここでハマると思われ…。で、ハマらないための事前準備としてx86のWinPE3.0のディスクが必要になります。
32bit版Windows 7のインストールディスクがある場合はリンク先の手順で進めて問題ないんですが、無い場合はあらかじめWinPE3.0のディスクを作成しておき、そのディスクから起動します。合法的にBootesect.exeを手に入れる方法は今のところこれくらい。WinPE3.0のディスクの作成方法はWinPE 3.0 ( Windows AIK for Windows 7 ): な○の 屋様の記事を参照させていただきました。とてもわかりやすく記載されていていい記事です、筆者様ありがとうございます。わたしがまとめ直したりするよりずっといいはずなので、リンク先の記事のままにディスクを作成してみてください。で、作成したWinPE3.0のディスクで起動したら、コマンドプロンプトからnotepadと入力すればメモ帳が開きます。メモ帳のメニューバーのファイルから『開く』でGUIが開くので、ファイルの種類をすべてのファイルにしてからXドライブのWindowsフォルダの中にあるSystem32フォルダの中からBootsect(拡張子は見えませんが、これがBootsect.exeで間違いないです)をコピーして、HDDのテキトウなフォルダに貼りつけます。面倒がないのはXPをインストールしたルートディレクトリとかですかね。わたしの場合ならEドライブ直下です。
それで32bit版のBootsect.exeが用意できたら、再度Windows XPを起動して、マイコミジャーナルさんの記事のとおりに作業を進めます。
エラーが出ずに正常に作業が完了すれば、問題なくデュアルブートが設定できたことになります。シャットダウンしてブートマネージャーが起動してくるかとか、各OSを選択して問題なく起動してくるかを確認してみてください。
あと、システム修復などの操作を行った場合にブートマネージャーの表示が英語になってしまうことがあるんですが、その場合はXPから起動してコマンドラインで『bcdedit /deletevalue {bootmgr} path』と実行してpathの記述を消してやれば問題ないです。もともと日本語表示されていたのであれば、それ以上いじる必要はないと思われます。
難しそうですが各リンク先の説明さえしっかり読めば意外と簡単、簡単とはいえトラブったときのフォローとかがやっぱりかなり大変なので、じっくり腰を据えてやらないとあわてて手順をミスったときのダメージは結構大きかったりします。ですが、これでThinkPad Edge 11"でもWindows 7の64bit版とWindows XPの32bit版を両方入れて使えているので、XPモードと違ってそれぞれシャットダウンしなければいけなかったりはしますが、XPもまだまだ使う場面もあるので何かと便利な気がします。
起動時の7とXPの比較みたいなものを録画してみたので、うpしました。
あんましアテにならないですが、ネタ程度に見ていただければ幸いです。
いろいろ試してみてトラブル時の回復方法なんかもちょっとずつわかってきたので、ひとまずわたしのEdge 11"は、これで運用する環境が固まりました。
普段はほとんど7でしか使わないと思うんですが、XPが入っていると便利なことってまだまだ多いんですよね。
大変だったけど、やってみてよかったです。
興味のある方は試してみてはいかがでしょうか?
もちろん構築前のバックアップは必須です、何かあったときに本環境を壊したとなると取り返しつかないですから。やってみようという方はがんばってみてください。
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コメント
ここで言われている現象ではないですよね?
http://www.thinkpad-club.net/modules/d3forum/index.php?topic_id=4376
私のThinkPadはこちらに触発されたのですが、機種が違っているのでお役には立てず申し訳ないです。
投稿: ねこっちD3 | 2011年1月15日 (土) 18時20分
おお、ほぼ同じ理由で同じことを計画してました。
(渡辺製作所のゲームの為にXPとデュアル……あとDOOM 95とか。これは32ビット版の7でも動かないので)
機種はレッツノートJ9なんですけどね。
釘町さんのを参考にやってみようと思います。
投稿: NATS | 2011年1月16日 (日) 14時42分
ねこっちD3さん、コメントありがとうございます。
XP起動時の画面の暗さはあまり気にしていなかったり。
BIOSが原因の可能性もあるんですが、公開されているBIOSでは一番新しいものが入っていた・上書きでも一番新しいものを入れているので、わからないんですよね。
せっかくリンクまで貼っていただいたのに、こちらこそ申し訳ありません。
投稿: 釘町阿梨 | 2011年1月16日 (日) 18時45分
NATSさん、コメントありがとうございます。
ぶっちゃけ本当に『ぱぶれ』をやりたかっただけなんですよね(苦笑)。他のXPじゃないと動かないアプリを動かしたいというのは副次的な問題で。しかし、今更にしてOSなどの環境を用意してまでやりたいと思わせるゲームを作った当時の渡辺製作所ってすごかったんだなと思います。同人ゲームも今ではそこそこ当たり前になってしまって、熱気という意味ではあの頃には敵わないというのがプレーヤー的な実感なんだけど、それはもしかすると単純に歳をとったから(苦笑)、ということかも知れず…ですね。
参照リンクだらけでわかりづらい記事で申し訳ないんですが、ひとつずつ丁寧に手順を踏めば構築できると思われますので、がんばってみてください。
Let's Note J9はスペック的にもデザイン・モバイルとしても魅力的なPCですよね。いいノートだなーと思います。わたしは今回は値段で妥協してEdge 11"なので(しかしThinkPadのB5ファイルでHDMI搭載はこれしかないんですよね)。あれなら3Dを激しく使うようなゲームでも問題ないように思います。最近のCPU内蔵グラフィックにも驚いていたりします。モバイルで統合グラフィックである程度の3Dもおkだなんて、昔B5ファイルクラスのノートで3D性能が…なんていろいろ苦労したことから考えると夢のようですね。
投稿: 釘町阿梨 | 2011年1月16日 (日) 18時57分