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2010年10月22日 (金)

SONY MDR-EX800ST 聞いてみた:長く付き合いたい機種です

ソニーの新型ステレオイヤーレシーバー・MDR-EX800ST、さきほどようやく届いたので、パッケージを開けてみました。

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パッケージはMDR-CD900STを手にされている方ならおなじみの、シンプルな白箱。

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裏側はこんな感じ。
シンプルイズベストを体現してますよね。
CD900STもこれも、こういうパッケージは好きです。

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箱の中身はこんなんです。
簡単なマニュアルと必要なもの(サイズS/LのイヤーピースとM装着済みの本体、キャリングケース)がシンプルに収められています。
他所でEX1000EX600の開梱写真がうpされていて、あぁ、豪華だなーと思ってましたが、こちらは当然そんなのはありません。ていうか、これでいい。必要十分ですよ。

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キャリングケースはこんな感じ。
EX1000やEX600は高級感あふれていてイヤーハンガーの形を整えないと入らない仕組みになっていたりするようですが、こちらは簡素そのもの。いや、これでいいわけですが。入って持ち運べればいいわけですから。

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包装時のイヤーレシーバー部のアップ。
一応包装時はそれなりの形に収められています。

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取り出してみた。
文字が印刷されている部分はフラットな艶消し塗装ですが、それ以外はつやつやですよ。結構ピアノブラックな感じです。個人的な好みなら、ここはマットブラックで揃えてくれてたら良かったかも、と思ってしまうよ。

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これまでの現役のMDR-EX90SLとShure E500(SE530)とで並べてみました。
こうやって見ると、そこそこでかいのがおわかりいただけるでしょうか?

装着についてはShureがけといわれてたりするユニットのケーブルを耳の後ろへ流してコードを背面へ送るのが基本ですが、園児がけもできますというか、普段使いなら園児がけでいいのでわ?という感じ。
ブッシングが下に出ているEX500のように装着にコツが必要だったりはしないんですが、ちょっとばかり付け間違えるとたとえばShureのイヤホンが糞イヤホンに思えてしまうといったようなミスが起こりうるおそれはあります。ただ、そんなに神経質にならなくても、さらっと耳に突っ込んで、そのあとで耳の付け根にケーブルのガイドを添わせるように変形させると、かなり自然に装着できます。着け心地は悪くないです、というか、Shureがけとか、この手のイヤホンに慣れている人ならごくごく当たり前にこんなもんだよね?というレベル。良くできてます。軟質のガイドが結構しなやかにフィットするので、わたしは着け心地はいい方じゃないかなー?と思いますよ。ただし、さっとお手軽につけ外しできるEX90のような気軽さはないです。開発の目的が違うんだから、そりゃそうか…。
それから、装着したときの耳からの出っ張りがかなり大きくなるので、寝ながら使うとかには向かないと思われ。下手にそういう使い方をして壊してしまったりしたら洒落にならないので、寝ホン目的ならもうちょっと別でコンパクトなものを選ぶしか、ですね。わたしは別にそういう目的じゃないからいいんですが。

ついに待ってましたというか、わたし個人としては高耐久性というところが目的なんですが、その音質も当然期待値は高いですよ。
で。
なにせ開封したばかりなので、当然バーンインなんて終わってませんし、新品ぱきぱきの状態なので音についての感想なんてこの時点では参考にならないかもなぁ、と思いつつ、ひととおり色々聞き比べてみての感想をやっぱり書いてみたいと思いますよ?

ベースとして使うプレーヤーはNW-A846、これで聞き比べてみましたよ。
前にEX90とE500を比べてEX90の方がいいかな?という感想を持ってしまったので、ダイナミック馬鹿と言わば言えといった感じではありますが(苦笑)、まずは改めてE500で聞いてみてから、EX90で聞いてみました。やっぱりE500は解像感と芳醇な響きはあるんですが、上下のレンジ感が詰まっていて、空間的にもこもり気味に聞こえてしまいます。値段だけの話ならEX800STの倍以上したんですけどね(E500PTHで買ってるからもっと高かった…)。で、EX90…やっぱりこの元気系でくっきりはっきりした音は好きですね。ちょっときらきらしてもいるけど派手派手に演出してるわけじゃなくて、あくまでニュートラルを狙ってCD900STをお手本に家庭向けにつくりましたという…狙いどころがかっちり決まった、良いイヤーレシーバーだと思います。
で、EX800ST。
すごい、別格ですよ、これ。EX90のようなきらきらがかった元気さは抑えられているというか、そういうキャラ付けではないですよ。すごく落ち着いていて、あくまで『ニュートラルそのもの』をイメージさせる音。空間表現はソースに依存するようですが、どちらかというとそんなに広がり良く聞かせる機種ではないですよ。演出がけて無理無理広げたりはしない、ということのようです。つまり…そう、若干キャラクターは違うんですが、CD900STの正統なインナーイヤーレシーバー版ということであれば納得。EX90で感じなかった厚みが音にぐっと乗ってきます。で、前にヘッドホンでShureのSRH840とCD900STを比べてみて、SRH840のあとだとCD900STのボーカルがちょっと詰まったように聞こえるけど、実はそれが演出がかってない自然な音なのだと気づかされたという話、それをまんまEX90とEX800STにスライドしてきた感じです。すごく自然な感じがするんですよ。これは良いですよ。
そして解像感も当然しっかりしてます。楽器それぞれが細やかにしっかり分離して聞こえます。分離してわかるレベルで聞こえるわけですが、しっかりまとまり良く聞こえもする…つまり、判別する意味でしっかりモニターしてるなと思うんですが、全体を見渡す意味でも当たり前のようにしっかり聞けます。音一つ一つが前へ前へとはっきりわかる聞こえ方ですよ。録音によってはパートのバランス的に「ん?」と思うようなところがあるものも、CD900STで体験したものとほぼ同じ体験ができましたよ。
かといってどこかの音域が刺さるように聞こえるとか、そういうのも今のところないですね。そしてポータブル機であるNW-A846で鳴らしていても必要十分なくらい良い音してます。あたりまえか。
イヤーレシーバーとしては、EX90慣れしてると、このEX800STでも「ちょっと低音盛り気味?」というイメージなんですが、実はそうでもないという。バランスはすごく良いです。そして録音が良ければ深みのある音場も楽しめるという…おいしい機種だなぁ。とはいえ、先述したようにそんなに広がるわけじゃないから、一聴して「お!」と思わせるようなすごい空間が広がるわけではないです。それに音自体も『出るもの素直に出した』という、用途や目的から考えて当たり前なんだけどそんな音なので、ちょい聞きで劇的に感激するようなイヤーレシーバーを求めているという人にはおすすめしませんよ。ぱっと聴きだとかなりおとなしめの音なので、どこかが刺さったりとかそういう音に感じるわけではないです。しかし、ソースそのものを隅々までがっつり楽しみたいということなら、こんなにおいしいイヤーレシーバーは初めて体験しましたよ。
EX90が万人向けとしてCD900STの音を目指しつつ広い層に聞いていて楽しい音を目指して作られたものなら、EX800STは本当にCD900STのイヤーレシーバー版といった趣きで、派手さや演出がかった音色や音場ではないですよ。なので、そういうような『少し聞いてはっとする』、いわゆる『いい音』『いいイヤホン』を求めて買うのなら、おすすめしません。そういう人が買ってしまったら、おそらく絶対文句が出ると思いますよ。ただ、CD900STの音が好きで、音源や録音・再生音そのものをがっつり楽しみたくて、長く使いたい・長くつきあいたいというのであれば、おそらくこれは買えば絶対に損しないイヤーレシーバーだと思いますよ。
単純にCD900STそのままの音というわけではないんですが(EX800STよりはCD900STの音はもう少しあっさりしています、EX800STの音は結構濃ゆいですよ)、ニュアンス的にかなり近い鳴り方なので、CD900STのイヤーレシーバー版ということで納得できてしまうよ。いい音です。
実際には長時間聞いてみても聞き疲れするということでもないし、CD900STでよく言われるモニター機だからリスニングに向いてないというその評価自体が間違ってるとわたしは思うんですが、EX800STもそういう系統かもしれません。実際、リスニングでも使えますし、いい音してます。ただ、安易にいいイヤホンだといって飛びつくタイプの人には向かない音かもしれません。ぱっと聞いて衝撃的にいい音という鮮烈なイメージがあるわけではないですから。でも長く使える普遍的にいい音なんじゃないかと思います。変に奇をてらった音でもないし。用途を考えればそういうキャラクター付けが排されてるのは当然なんですが。

で。
手持ちのポータブルプレーヤーというと、もはやオーパーツ化しつつあるKENWOODのHD60GD9ECと、今回のNW-A846とでEX800STで聞き比べてみましたですよ。
よりリッチに聞こえるのはやっぱりHD60GD9ECなんですが、すっきりとした出音でバランスがよく取れてるなと思えるのはNW-A846でしたよ。この組み合わせは良いかも。

それから、これは持ち歩きで使うなら結構切実な問題ですが、コード長い(涙)。本来の用途的に当たり前だからマイナスポイントなんかではないんですが、Walkmanなんかのポタ機で使おうとするなら、これの1.6mというコード長はちょっと長すぎます。MDR-EX50LPなどの安めの別機種についてくるコード長アジャスターを使うといいですよ。EX1000の短い方と長い方、両方のコードが取り寄せで手に入るなら取り替えて使えるのか試してみたいですね。
このリンク先の下の方にケーブル換装時の感想を書いてます、基本的にはケーブル換装はおすすめしません。


これだけできがいいと、コンシューマ機最高峰のEX1000も気になりますね。さすがにすぐに買えるような価格ではないですし、わたしの目的と用途からしてEX800STの方がぴったりくるので、これで満足できれば十分なんですが、EX1000はソニー最高のイヤーレシーバーということで、いずれ手に入れたい機種ですね。それからソニーに期待したいのは、このEX800STをCD900ST同様にモデルチェンジせずにずっと作り続けてくれたらいいなーと思いますよ。

なにせ購入直後の初日の感想なので、いまいちまとまりなくてあまり参考にもならないものだと思うのですが、ひとまずようやく手に入ったので感想を残しておこうと思いました。
実際にはもっと聞きこんで、再生時間もある程度重ねて、ある程度落ち着いたかな?と思えるところで、またあらためてEX90との聞き比べなどができたら面白いかもしれませんよ?


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