ファイティングスティックVXをセイミツ工業のレバーとボタンに換装してSE(Special Edition)化する・ついでにRAPVXとのPCでの使用時の遅延具合も計ってみた
※改造・換装作業は自己責任で。本記事を参考にした場合で何かあっても当方は一切関知しません。
本当は換装作業の動画を撮れる環境やタイミングができてから…と考えていたんだけど、我慢できずにやっちゃいました。
ホリのファイティングスティックVXのレバーとボタン換装です。ちなみにどうやらこれやるとオンラインではイレギュラー扱いにされるようなので、この手の改造スティックを使う場合はオフラインでということでお願いします。個人的にはマイクロソフトのこういう厳密な考え方は嫌いじゃないですね、だからたとえオフラインでも大会なんかでは個人所有のジョイスティックの持ち込みは禁じるべきで、主催者側がそれなりのクオリティのコントローラーを用意すればいいわけですから。ゲームの場合はラジコンやヨーヨーとは違うわけでコントローラー側でインチキのやりようもあるし、はっきり言ってマイスティック持ち込みありの大会なんてアンフェアもいいところだ…と、わたしは思いますよ?
脱線したなー(苦笑)。話を戻します。
交換前の状態については先日の記事を参照願います。
今回もセイミツ工業さんの以下のパーツに換装しています。
・LS-55-01 コンパクトタイプ・軸受無しのレバーです。ベースはMSベースを指定して注文します。基板タイプでの購入なのでレバーに配線するハーネスは付属します。
・PS-14-KN 30φのねじ式のスケルトンボタン。今回は標準カラーを踏襲プラス黒をクリアにしてすっきりさせたいと思ったので、グリーン・レッド・ブルー・イエローを各1、クリア×2を用意しました。
・LB-39 35φのクリアレバーボールで、色もクリア。
・ファストン端子(小) 6個分必要なので2本購入してください。
・ワンタッチスリーブ(小) なくてもいいんだけど、今回は見やすさの問題もあるのでつけました…が、少々後悔してます(後述します)。
それからテキトウな配線材を少々用意してください。ボタン配線で使います。色は7色くらいあると便利です。
また、レバーを天板に固定するために、4Mのトラスねじのセットをダイソーで買ってきました(これのセットのワッシャーも使います)。長さは出来るだけ短いものを買いますが、それでもあとで電工ペンチで長さを詰めます。そのまま使うと底付きして天板を突き破りかねないので、必ず切断して短くしてからネジ止めしてください。
そして必要な工具は、
・#2のプラスドライバー
・5~7mm程度のテキトウなマイナスドライバー
・電工ペンチ(ファストン端子を圧着したりします)
・ニッパー
・はんだごて(ボタン基板を外すのに使います)
・半田吸い取り線(これもボタン基板を外すのに使います)
こんなところでしょうか。
それと、レバー固定ネジは今回は切断して短くしてしまいます、それも電工ペンチでやります。
電工ペンチはマーベルのNO.300Aという製品を型番指定で買ってます。
今回も家庭用アーケードスティックスレまとめWikiにはとてもとてもお世話になりました(最近、TE信者による記事の改竄や、TEのみに対するやたらに過剰で詳細な宣伝的説明記述が目立って、Wikiとしては、だんだんアテにならなくなりつつありますが…)。
ありがとうございます。
裏ぶたを開けたらまずボタン基板を外してしまいましょう。
基板のボタンがつけられている半田部分にはんだごてをあてて、半田が溶けたら吸い取り線で吸い取ります。
このくらいまで吸い取れたら、基板をひきはがすことができます。
基板を剥がしたところのボタンです。
…ホリボタン、旧RAP系に使われていたのはスイッチ部がセイミツのPS-15あたりと同じでまだマシだったんですが、これはひどい…なるほど、FSのホリボタンのひどい理由がわかったような気がします。
で、工具や部品のところで書いた、ネジを短くする件。
電工ペンチの4Mのネジ穴にネジを突っ込んで切断するんですが、ちょうどこの写真のように、ネジ山が4本くらい見える程度まで先を出して切断すれば、テキトウに使い勝手のいい長さになってくれます。
ここで切断したネジはのちほどレバーを固定するのに使います。
で、ボタンの配線はテキトウな線材で延長して、その先にファストン端子をつけます。なお、ボタンの配線は各ボタン1本ずつにGNDが1本だけあって合計7本です。剥がしたボタン基板を見てもらえればわかると思いますが、GNDは共通なので配線も1本で十分です。それをチェーンのようにファストン端子でつなげばおk。
レバー配線はのちほど説明しますが、レバーそのものはとりあえずホリレバーを取り外して、そこにMSベースのLS-55-01を取り付ければいいです。ネジはセルフタップではありませんが天板のネジ穴が樹脂なので、テキトウにネジをねじ込んでいけば固定できます。あまり力任せに回すとネジ穴が使い物にならなくなって泣けるので、ネジを固定するときは手ごたえがぐっときたらそれ以上は回さないように気をつけていれば大丈夫だと思われます。
で、下の写真がひとまずの完成図。
どんなもんでしょうかね。
レバー部のアップがこんな感じ。
もともと天板についていた穴にネジで固定しただけです。
LS-32-01は、セイミツベース(REベース)で固定できなくもないですが、シャフトが短くなりすぎてゲームにならないのでやめておいた方が無難です。天板側のプラスチックをがりがり削ってSSベースで取り付けする方法もあうようなんですが、うちはそこまでやらないです。加工は最小限にして、これをみて『ちょっとだけ大変そうだけど自分もやってみようかな?』なんて思ってくれる人のあと押しやきっかけになれれば面白いので。操作性や感触としてはLS-55-01もいいものですよ。
配線はあとで説明します。
そして、ボタン部のアップがこんなんです。
元からあるコネクターから出てる配線をボタン基板の根元から切断して、それぞれに延長しているのがおわかりいただけるでしょうか?それから、GNDも各ボタンへチェーンしてるのもわかっていただければ幸いです。そしてなんでハの字状に端子が開いているかというと、ワンタッチスリーブをつけると底板がハマらなくなるんですね。スリーブ無しならそこそこ普通に底板を取り付けられるんですが。ま、そうそう交換するものでもないから、いいか…。
それからレバー配線なんですが、下の写真のように処理しました。
黄色いところから順に上・下・左・右・GNDです。要はレバーハーネスの配線順そのままですね。で、これなんですが、わたしは今回、用意がなかったので基板に直接半田付けしてしまいましたが、もし購入できるならコネクターを購入して基板にコネクターで取り外しできるようにレバーハーネスを作っても面白いと思います。
底板を閉じる前に、ケースのネジ受けか底板のネジ穴のところにワッシャーをテキトウな接着剤で取り付けておきます。これ、1~2mmくらいの高さのスペーサーになるものであれば別にワッシャーじゃなくてもいいんですが、底板とケースとの高さを少し稼がないと、レバーのシャフトが底突きしてしまうよ。初め、何も考えずに底板をつけていたらレバーシャフトが底をこすってて、底板が削れてました(苦笑)。操作性にも悪影響が出るので、対処しておきましょう。レバーのベースを取り付ける部分を高さ1~2mmほど削ってやるのでもいいとは思いますが、どちらか面倒じゃない方を選んで作業してみてください。底板を綺麗に収めたければ削る方法の方が組み立て後がきれいにおさまりますし、削るのが面倒なら底板とケースの隙間が2mmほど空きますがスペーサーをかましてから底板をつけるといいです。作業が面倒で見てくれがいいか、楽だけどちょっと見た目が悪くなるかのどちらをとるか、ですね。わたしは面倒くさがり&使えりゃいいやってクチなので、ワッシャーを挿む方法で仕上げてます。
そんなこんなで完成です。
どんなもんでしょうかね?
レバーをハーネス化・ボタンをファストン端子での配線にしているので、メンテナンス性もかなり向上していると思われます。正直ここまでやればRAPとあんまり変わりません。
というか、実はクリアイエローのボタンがなくて、前に換装作業した幼女棒からひとつ取ってきてるんですが、久しぶりに旧タイプのRAPを開いたわけですが、分解や換装などのメンテナンス性はRAPV系・FSV系はよくできていると思いました。もう旧RAP系は、できれば分解したくないですね。
RAPVXとFSVX、並べてみました。
どちらもセイミツ化済み。いい感じです。
で。
ボタンもレバーも半田付けじゃなくなったということで、ものすごくテキトウですが、RAPVXとFSVXで遅延があるか実験してみました。
こんな配線をつくってみたですよ。
全方向、同時入力可能な中継ハーネスです。
半田付けはヘタクソなのでお恥ずかしいのですが、裏面はこんなん。
この配線と前に作ったボタンの同時押し配線を使って実験してみました。
結果はどっこいどっこい。そりゃコントローラー基板が同じなんだから、そう差が出ようもないです。
詳細な説明は動画をどうぞ。
以上、FSVXのセイミツ化でした。
RAPVXまでは必要ないとかそこまでは高くて…という方は、こんな感じでFSVXもいいものなので使ってみてはいかがでしょうか?
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コメント
初めまして。
こちらの記事を参考に、ファイティングスティックV3のセイミツ化改造を施しました。V3の中身はVXとほとんど同じなので、同様の手順で改造が可能でした。
大変わかりやすくまとめられていたので、これといった苦労もなく改造が出来ました。
改めてお礼申し上げます。
記事と同様に、当初レバーをLS-55に換装したのですが、ストロークの長さになかなか慣れず、後日、SSベース板と筐体のプラスチックを削り取り、LS-32を取り付けました。LS-32を取り付ける場合も、金ヤスリとサンドペーパー、ニッパーにラジオペンチを揃えさえすれば、そう難しくもなく換装可能でした。
投稿: ニモノ | 2015年1月16日 (金) 17時13分
ニモノさん
公開とレスが遅くなりすみません。
参考にしてくださって、ありがとうございます。
ベースや筐体側の加工をすればLS-32もいけるかな?とは思っていましたが、実行力が足りず…
orz
教えてくださりありがとうございます。
メーカーもこのくらいのサイズで換装可能なジョイスティックをもっと出してくれるといいんですけどね。
投稿: 釘町阿梨 | 2015年1月18日 (日) 23時25分
ごぶさたです。
あの後、ファイティングスティックVXまで買ってしまいました。XBOX360持ってもいないのに(笑)
PC用として使うか本体も買うかは考え中です。とりあえず先にセイミツパーツに換装しようと思っています。
ホリがRAPとは別の、PS4/PS3両対応のブレイブルー対応廉価版スティックを発売するそうです。見た感じファイティングスティックVX/V3と同じ筐体のようで、パーツ換装ももしかしたらやりやすいかもしれません。PS4/PS3両対応ということでお値段が高めですが、それでもRAPよりは安い(定価9800円)ので、換装用にちょうどいいかもしれませんね。
P4U対応スティックや、ファイティングスティックN3-SAのように、控えめな値段の三和パーツ仕様のスティックが今後発売されるようになるかも?私としてはセイミツ仕様を出してくれれば言うことなしなんですけれども。
投稿: ニモノ | 2015年2月13日 (金) 18時31分
ニモノさん
コメントありがとうございます。
VXは箱用だけじゃなくPC用としても優秀なのでよいですよー。
ホリは新型が軒並み高くなってきているので、ブレイブルーのも廉価機なのに昔のRAPと同じくらいの価格になってしまっているのが痛いですね…いくらPS4/3両対応とはいえ。ファイティングスティックV3なんて5000円程度だったのにと思うと残念。
それからホリは隼とか玄を開発して以後、セイミツパーツやサンワパーツを採用してくれなくなってるのも気がかりですね。
そのセイミツもLS-32が採用している部材の終息でモデル自体が終わってしまうみたいで、一時代の終わりという感じで残念ですね。一応、LS-32の後継開発というやる気はあるようですが、どうなることやら。
投稿: 釘町阿梨 | 2015年2月15日 (日) 22時19分