ヤマモト・ヨーコ再始動!
先日友人から教えてもらったのですが、『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』が新装版で再始動するということでした。
ほぼ9年前を最後に新刊が出なくなって、それからしばらくは作者・庄司卓さんのホームページ『庄司卓完全攻略本』をチェックしてたんですが、さすがにまるで出る気配がなくなってたので最近は見なくなってたんだけど、『庄司卓完全攻略ブログ』の方で、これまでの全巻がある程度は整理されるようですがほぼ当時の状態で新装版として発刊されるようで、そこに完結編を加えて完了となる予定が発表されました。
かなり長いこと待っていたので結構忘れてしまってる内容も多いから、この新装版の話はとてもうれしいです。
10月から隔月でリリースとのことなので楽しみですね。
イラストももともとの原作に引き続いて赤石沢貴士さん担当ということで、赤○WORKSを見て安心しました、絵が変わっちゃうと印象も変わっちゃうので、やっぱりヨーコのイラストは赤石沢さんじゃないと!と思っていたのでよかったです。
ヨーコと言えば今でいうラノベになるんでしょうけど、当時はそういう呼び方ってなかったんですよね。んで、ラノベというにはもったいないほどSF設定がしっかりしていて話も面白かったし、小説というメディアならではでのパロディ表現なんかも面白くて、全巻追って読んでました。しまいこんでしまって出てこないので、そういう意味でも新装版はありがたいです。
漫画版はみよね椎さんのRemix版(全2巻)が原作の雰囲気をとにかく良く再現していて、かつオリジナルも織り込んであってよかった記憶があります、これもおすすめです。改めて今見返しても面白かった(これは2巻なのと結構気に入ってたのでぱらぱらと読み返せるように出しやすいところに置いてあったりしたので)。
パロディやSF設定でも、元がわかる人にはニヤリとできるネタが満載で、かといってその辺がわからない人に入りづらい話でもなく…というところで魅かれて読んでた記憶があるんですが、OVAとTVでアニメ化もされているけど、アニメ版は当時では今の『らき☆すた』のようにパロディなどの元ネタを上手く引用したりすることができなかった時代なのでかなり消化不良というか、そういったエッセンスがほとんどオミットされた状態で、SFや話そのものも原作のエッセンスをもごっそり抜いたものだったので、原作ファンとしてはかなり微妙で残念なアニメでした。両方とも新房監督なんですが、原作をきっちりトレースしてアニメ化というのはこのころからやらない人だったんですねー(苦笑)。ちなみに新房監督のアニメはオリジナル色が強くてもそれがうまくマッチしてれば好きですよ、絶望先生とか。オリジナルなら魂狩なんかも面白いしすごく好きです。でも、ヨーコはダメでしたね、今考えても作風があってるとは思えなくて、OVAはDVDも持ってるけどあまり見返しません…TV版は見てるのが正直言って苦痛だったし(後で原作とは別物だと割り切って見る分には面白いなと思いましたけど、それはもはやヨーコというには違う気が…)。たぶんアニメのスタッフで原作を一番理解して作品に昇華していたのは、奥井雅美さんだろうなぁ…なんて思ってました。作詞をされてるんですが、詞の内容がアニメというより原作にぴったりという(苦笑)、まさに原作のイメージソングって感じでしたね。だから歌だけは好きだったけど本編はめったに見ようと思わないという…これが今なら、もっと原作を尊重したアニメ化がすすめられて…って感じになるんでしょうけど。絵も赤石沢さんの絵が動くのかー!って期待してたら全然違ってがっかりだった記憶が…。渡辺明夫さんの絵が嫌いなわけではないですよ?かがみんのスク水抱き枕とか、この人の絵だから買ったってのもありますし、アニメ版ヨーコの絵も好きなんだけど、ヨーコなんだからやっぱりできれば赤石沢さんの絵が動くところが見たかったんですよね。新装版をきっかけに原作準拠で再アニメ化されたり…するとうれしいんだけどなぁ。
原作本編はわたしも結構忘れちゃってるんですが、パイロット保護のバブルボードの設定だったりとかをはじめとしたメカ関連・時空関連のSF考証もすごく面白かった記憶がありますし、キャラものの今風にいうラノベとしての面白さもあるし、新装版で新しく読み始める人が増えるといいなぁ、と思いますね。パロディの元ネタがメガドラ時代からのものなので、ちょっとついて行くのは大変かもですが(苦笑)。
発刊ペースが落ちてきたころがビデオゲーム(特にシューティングゲーム)の衰退ともリンクしていた部分があるので、作者さんがゲームに飽きてきちゃって元ネタが取れなくなってきたとかでペースダウンしてるのかな?なんて思うところもあったので、新装版とそれで完結するという話は本当にうれしいんだけど、ヨーコが終わっちゃうと自分の中での『楽しかったあのころのゲーム』も終わっちゃう気分になりそうだ…という、ふとした寂しさもあります。
それでも、未完だったものがようやく完結するということで、結末が楽しみです。もともとはじめのころから『結末は決めてあって逆算しながら話を進めてる』ことを明かしていたと思うシリーズなので、その結末がどうなるのかもずっと楽しみにしながら読んでたところもあるので、これでようやく終わるのかと思うと感慨もひとしおです。先日友人宅で集まったときに「長く続いたラノベはフェードアウトして終わらない」って話になって、そのときにわたしが真っ先に挙げたのがこのヨーコだったんだけど(苦笑)、ようやく終わることが発表されたということで一安心しています。
既刊は本編12巻・opt.10巻ですが時系列で読まないと流れがつかめない部分もあるので、新装版はその辺も整理されるんだろうなーと期待していたりして。で、庄司卓さんのブログを読むとすでにファンの方のコメントでわたしも思ってるようなことが書かれてたりして、『京アニで再アニメ化・主題歌はもちろん奥井雅美さんで』って、めちゃめちゃ同感です(苦笑)。やっぱり原作準拠でのアニメ化は見てみたいですね、それで赤石沢さんの絵が動くなら最高ですよー。
新装版には新作短編も収録されていくということなので、それももちろん楽しみです。
秋が待ち遠しいですよー。
しかし。
完結というのは惜しいですね。
今のヨーコなら今のゲームシーンをどう見ているのか、今のまどかなら~、紅葉なら~、という部分がもし実現するのなら、そのあたりも興味があるし見てみたいというのはありますね。リアルタイムにはメガドラ世代なはずですが、後期のヨーコはその当時のゲームをやってたりというのはあったので、まどかなんかにしてもそうだけど、そのあたり今だとどうなのかっていうのは、もし実現されるのなら楽しみですねー。
新装版をきっかけにまた盛り上がると面白いですね、当時でアニメ化されるほど力のあったシリーズだから、今改めて新装版が出るほどなのだから、やっぱりすごい作品なんだなと思いますし。
終わってしまうのは残念ではあるんですが未完でフェードアウトよりはずっといいし、新装版を読めるのを楽しみにしています。
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