« 家庭用アケステコントローラーの比較とかについて(予告っぽいもの) | トップページ | ただの日記です。過度な期待はしないでください。(~20100706) »

2010年7月 6日 (火)

オーディオ用USBケーブル・FURUTECHのGT2とオヤイデのd+シリーズを聞き比べてみた

わたしがもともと持ってるオーディオ用USBケーブルはFURUTECHのGT2なんですが、WIRE WORLDのものと迷ってこっちを買ったというのはかなり前の話。
以前はダイソーの100円のUSBケーブルとGT2を聞き比べるというのをやってみましたが、こんどはオーディオ用に作られたUSBケーブル同士を聞き比べようということで、環境も前回のように安めでというのではなく、普段使ってるところに投入してみました。
で、今回オヤイデさんからd+というシリーズのUSBケーブルが出るというので、シリーズ全部買ってみました。

D
長さは全部最短距離の0.7m。全種類買うからケチりました…と、いきなり本音もしょうがないのでもっともらしい理屈をつけるなら、オーディオ用ケーブルだし、あまり長くひきまわさない方が良いだろう、ということで各モデルとも最短のものにした、というわけです。どちらかというとこっちが本音なんですが…GT2と合わせる意味もあったし。ちなみにGT2は0.6mのものです。
で、手持ちのUSB-DAC用のUSBケーブルを全部並べてみました。
Usb
左からUSBオーディオに添付していただいていたもの、d+ USB Class B、d+ USB Class A、d+ USB Class S、GT2です。
で、この時点でまずお断りしておきたいのは、GT2はわたしがずっと使っていてシステムに馴染んだものですが、d+の各モデルはパッケージを開けたばかりというものに近い状態なので、バーンインすらまともに済んでいないというわけで、比較としてはちょっとアンフェアな条件だということを念頭にお願いいたします。
それから、USBオーディオについては作者の方から紹介について了承いただけましたので、機会を改めてご紹介したいと思います。本当に素晴らしいものです。
比較環境は、普段使ってるノートPC(ThinkPad T61p Windows 7 32bit)からuLilithでWASAPIでUSBオーディオへ出力して、USBオーディオからはSilver Reference RCAでHD-1Lへ出して、MDR-CD900STで聞いています。

では、今回の本題、ケーブルについてです。

まずUSBオーディオに添付していたものですが、ぱっと聴きでは普通に音楽を楽しむ分には結構十分なんじゃないかなー?と思われました。USBオーディオ自体が素晴らしいものだからということもあるんだと思いますが、添付していただいているケーブルは少なくともそこそこの質はあるものなのだなーと思いました。某複合機に添付されていたような『機械の持ち味そのものを殺してしまう』ようなケーブルではありませんでした。USBオーディオの作者の方からは特に注釈等なかったので見たところプリンタ用とかのケーブルかな?とは思うんですが、機器そのものを楽しむための添付品のクオリティとしては必要十分に思えました。

そこから、まず一番お手ごろと思われるd+のClass Bに交換してみます。
これだけでも十分に効果があります、接続する機器にもある程度依存するとは思いますが、場合によってはこれでもびっくりする効果が得られるかも。メリハリが違ってきて、深みも出てきます。そして、音場感。ぐっと広がりが増して、響きが伸びやかになったと感じました。0.7mで2700円でこの効果なら、エントリーとしては十分アリじゃないでしょうか。USBケーブルで本当に音が変わったりするの?と疑問に思われてる方は、まずこのケーブルから試してみることをおすすめですよ?

一つ上のd+ Class Aに変えてみると、まず初めの印象として、Class Bよりも雑味が削がれたかな?と感じました。クリア感が増して響きが澄んできます。解像度もぐっと上がるし、音場の広がりと定位感も出てきます。Class Bからの値段分の差は感じられる、それだけの価値はあると思いました。全体的なメリハリについてはClass Bよりも若干おとなしめになるかな?いう気もしますが、響きとしてはこちらの方がより自然なように感じました。

そして、最上位のClass Sです。これ、良いんじゃないでしょうか?
まず、量感が上がって音そのもののコシや芯といったものがはっきりと感じられるようになり、ノイズのない透明感や音の締まりが良く、メリハリも解像感もかっちりと決まって、さすが最上位と思わせてくれます。くっきりかつなめらかな響きで音場の広がりも素晴らしくなります。ボーカルや楽器も力をもって迫ってくる印象に変わります。d+シリーズでオーディオ向けとして購入するなら、予算が許すなら迷わずこれを買ってしまうというのが最適解だと、わたしは思いました(そりゃ一番高いんだし良くて当たり前って突っ込みはご容赦願います)。

では、うちでの基本構成として使っているGT2に変えてみると…ごめんなさい、格が違いました(涙)。
d+もそれぞれ素晴らしいんですが、GT2の素晴らしさは別格すぎます。値段的にはd+ Class Sとそんなに変わらないはずなんですけどね…。音の芯、実在感、響きやメリハリといった要素、音場にしても、定位を明確につかめそうな感覚も、すべてが手持ちのUSBケーブルの中で一番で最高に良いです。

あれ?d+をおすすめしたくて考えたエントリーだったのに、困ったな(涙)。
いや、まあ、d+ Class Sもバーンインして慣らせば良くなると思うんですが…そうだ、GT2のことはひとまず置いておくとして(それでいいのか?)、お手ごろな値段から本気の価格までのラインナップのd+ USBですが、それぞれ買って損なし・効果はばっちりあることがわかったので、気になってる方は懐具合と相談して手頃なClassのモデルを手に入れることをおすすめいたしますよー。普通に機器付属のUSBケーブル使うよりは全然良くなること請け合いなので。特に超へっぽこなUSBケーブルが付属する7万くらいの某複合機をお使いの皆様とか(わたしは売っちゃいましたけど)、こちらも負けず劣らずギャグのようなUSBケーブルが付属するND-S1ユーザーの方とかには、なかなか良いケーブルなんじゃないでしょうか。
コネクターの作りもがっしりしてるし、いかにも「おぉ、なんか凄そう」感はあります。ただ、ケーブルの形状から結構硬かったりするので取り回しはすこぶる悪いです。それはオーディオ用USBケーブルはほとんどがそうでしょうけど、PC側のコネクターに負荷がかからないように気をつけて運用する必要はありそうです。
Class Bなら本当に手に入れやすい価格でそれなりに効果があるので面白いんじゃないかなーと思いました。それより上のClass AやClass Sはもっと効果が大きいですが、そこは本当にご予算次第で、興味がある程度ならまずは無理せず買えるところから…でよいんじゃないでしょうか。まあ、さらに予算が許すならGT2買っちゃえってのはあるんだけど(GT2の0.6mなら、場所によっては6000円ちょっとで買えてしまうようです)。
人によっては効果の有無が分かりづらいって人がいるかもしれませんが、わたしの感想としてはここまでに書いたとおり、それぞれのモデルに意味があって、手の届くモデルから試してみる価値はあるんじゃないかということで、おすすめしてみたいと思います。聞く前の予想としてはClass Bあたりはあんまり変わらないんじゃないかな?なんて思ってたんですがごめんなさいって感じですね。まずはClass Bで面白さにはまりこんだら、さらに上を狙ってみるっていう楽しみ方もあるんじゃないでしょうか?
Zonotoneから出ているUSBケーブルも興味があるのでいずれ聞いてみたいのですが、今後各社からこういったUSBケーブルが出てくると、それはそれでまた面白いんじゃないかなーと思います。
USBからのDACやDDCといった分野の製品も以前のようにキワモノ扱いではなくぼちぼち認知されてきてはいるので、そういった製品とともにケーブルもあれやこれやと出てくると良いですねー。


|

« 家庭用アケステコントローラーの比較とかについて(予告っぽいもの) | トップページ | ただの日記です。過度な期待はしないでください。(~20100706) »

AV機器」カテゴリの記事

コメント

以前、HiViという雑誌でとても短いUSBケーブルが付録として付いていたのを書店で見かけたことがあります。確か隔月で4本が付録され、それぞれの音の違いを楽しむという企画だったと思います。それを見て以来、各社のUSBケーブルに音質の違いがあるのかずっと気になっていました。よく雑誌で書かれている個々のUSBケーブルの音質の批評は評論家の方が書いた物なので一般人がこれを読んでも意味があるのかな?と思っていましたが、こちらのサイトを読んでオーディオ用のUSBケーブルを使うと一般の人でもその音質の違いが分かることを初めて知りました。私もこれからPCオーディオを始めようと考えているので、オーディオ用USBケーブルの購入にこちらのサイトを参考にしてみようと思います。

投稿: むむ! | 2015年7月17日 (金) 23時13分

むむ!さん
コメントありがとうございます。
USBオーディオやデジタルケーブルについては、その結果の良し悪しはさておいて、変化はあります。
どれが良くてどれが悪いかは試してみないとわからないとか、個々人の好みにもよるところがあるのですが、いろいろやってみると面白いと思いますよ!
ここで挙げているFURUTECHさんのケーブル以外にも、いろんなメーカーのケーブルが出ています。
その中には確かに高いだけで結果が伴わないものもあるかもしれませんが、おそらくだけどほとんどのメーカーさんは真面目に作られてるんじゃないかな?というようには思いますので、店舗などで可能なら試聴させていただいてからというのも有効ですね。わたしの場合は試してみないとわからないので思い切りで買っちゃっていますが。
ちなみにこの記事のころは発売されていなかったFURUTECHさんのGT2 Proシリーズは、高いけどかなりおすすめです。GT2でも良いのですが、聞いた限りでは格が違う感じでした。

投稿: 釘町阿梨 | 2015年7月20日 (月) 07時18分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: オーディオ用USBケーブル・FURUTECHのGT2とオヤイデのd+シリーズを聞き比べてみた:

« 家庭用アケステコントローラーの比較とかについて(予告っぽいもの) | トップページ | ただの日記です。過度な期待はしないでください。(~20100706) »