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2010年1月 2日 (土)

『レクイエム 5 ドリーム』感想 その他

※リンク先閲覧および購入は21歳未満の方はご遠慮くださいですよ?
コミケ77の最終日の感想で、この本の感想単体で記事が長くなりそうだから別途…とか書いてたので、きっちり感想を書いておきたいと思ったので残しておきます。
委託待ちの人とか未読の人へ、ある程度のネタばれがあるので注意してください。ネタばれに拒否反応のある人は本編読後にまたおいでください。

さて、蛸壺屋さんの『レクイエム 5 ドリーム』、前作の『万引きJK生 けいおん部』の続きにあたるわけですが、より深く掘り下げて書かれていたので、前作と合わせて読まれることをお勧めします。本作のみでも楽しめなくはないけど、前作とつながってる設定もあるので。
あいかわらず人の暗部をえぐるような描写がグサグサきます…協調性はないけど才能的に天才な人っていますよね、確かに。いつも周りをイライラさせるような。唯はそういう人物として描かれています。周りを振り回す存在。そして、一番身近にいる憂が、それをわかってるけど甘んじて受けるような…いわゆる普通の努力家として。ちょっと歪んでる部分はあると思うけど、そんなのみんなだれでもどこかしら歪んでる部分はあるでしょ?と思いますし。世の中きれいごとだけじゃ成り立たないですよ。
ムギに関してはほとんど出てこないので何とも言えないんだけど、梓は…この子はこういう孤高な子なんだと思います。誰かがいないといけないけどバンド向きでもないような。狙ってる方向に対して生真面目すぎるんですよね、でも目指す方向がやりたかったことなのか?と問われると…というのが、前作での有様だったんじゃないかなーと。時間軸的に微妙にわかりづらいと思ったのが今作の梓が前作より前なのか後なのか、というところ。多分前作よりは前の時間軸にいるんだと思うんですけど。あの時点での梓の涙というのもよくわかるのですごいせつないわけで、唯が亡くなったことよりもそれを目指そうとしていた自分の三流さ加減に涙するとか…これをして作者を歪んでいるって評している人もいたけど、それはどうかな?わたしは、作者さんはきわめて冷静、冷徹なまでにキャラクターを描写しきれていると思いましたよ。人って大概そういうものでしょう。他人のために泣けるなんてそうそうないですよ?とわたしは思います。
律かっこいいですよ。部活のシーンで澪を止めた律はとにかくカッコよかった。お調子者であそんでばかりで練習もさっぽりぎみのキャラに見えて、実は一番芯が見えてる。正論が痛すぎるくらい。その意味ではリヴァイアスの昴治みたいな感じ。凡庸さを分かっているからこそ芯の強さがある描かれ方をしていて、律が持つ根本的な明るさが結果的には救いになってると思いました。
さて、澪ですが…正直きついですね、たぶん澪ファン的には見たくない姿なんじゃないかと。相手の男の表情とか、こういうのはこの作者さんすごいうまいです。背筋が冷え込むくらい。澪のある程度の努力に裏打ちされた他人よりも上にいられてるはずとする目線とか、痛いですよ。そこからひきこもりへ落ち込むところとかも。実際わたし自身も一時期価値観が総崩れして鬱にかかったりもしてひきこもっていた時期があったりしたので(って、こんなところでカミングアウトしてどーするよ?というのはさておいて)、さすがにお菓子とオナニーに明け暮れる生活というのではないにしても、無気力でなにもできなくて周りが怖くなって…という澪の描写は身につまされるものがありましたよ。自分は本当はたいしたことない人間なんじゃないか?とか、再び世に出るのに怖くて踏み出せない恐怖感とか、すごくよく描けてると思いました。本気で怖いものなんですよ?本作の澪みたいにお菓子に手を出さなくても、ひきこもっているだけで太ったりもするしね。澪の場合は、律という心の広い親友と呼べる関係から立ち直るきっかけを与えてもらったので、本作ではいい形でラストを迎えられているのだと思います。配送で律とコンビを組んでいるのもある意味では良い救いの形なんだと思います。チラ裏で申し訳ないところで、わたし自身の場合はそんな支えはなかったから、とにかく再出発するためにひきこもりというその時の状況はすべて利用して情報収集にあたったり活動を始めて、全てに復讐をという感じで(クエント篇のキリコみたいな)、どちらかというと負の感情をバネにしてきたところがあるから、こういう友人と呼べる人が救いを差し伸べてくれる環境があるのなら素直にそれに頼ってもいいんじゃないかなと思ったりもしました。多くの読者の方はこういうダメ人間な状態ではなく真っ当な人生を歩まれているでしょうから、これはこれで底辺のクズとして笑い飛ばしてしまうネタ的に受け取られて仕方ないかなーと感じた部分もあります。でも実際に就職率がどうのとか、あからさまに自堕落な知り合い(友人ではない)を見ていたりすると、他人事とはいえこんなのは多くないと断じることはできない現状があるんじゃないかなとも思いました。もっとも、自ら考えることを放棄した人はそのまま堕ちていけばいいとわたしは思いますけどね(こういうことを平気で言うから、冷たいとか黒いとか言われるのか…いいけど)。
全体的な感想としては、前作を読んでいること前提で物語全体が把握できてなお面白い、しかも澪については律の救いもあって読後感はすっきりしていて良かったです。
おそらく何もないんじゃーとは思いますがムギのエピソードや、梓のその後も読んでみたいですね。

余談ですがOutsider6巻を新刊だと思って買ってしまい、帰宅後ダブっててしょんぼりしたり(苦笑)。どうしよう…友人におすすめだおとか言って渡してみようか…既刊と続きを買ってくれればそれでよし、みたいな(苦笑)。Outsider7巻も期待しています。

拙い感想で申し訳ないのですが、こんなところでお開きとさせていただきます。
未読なのにこの記事を読んじゃったとか、どんな本なのか興味が沸いたという方は、ぜひ蛸壺屋さんの通販か、書店委託で本を手にとってみていただけるといいなと思います。作者さんがオリジナルの創作で描かれていらっしゃる松陰神社とOutsiderも面白いのであわせてどうぞ!(オリジナル創作では魔法少女RをDLして読むことができるので、まずそちらで感触をつかんでいただくのもよいかと思います、これも面白い作品でした…Outsiderはそこからぐっとパワーアップしていて面白いですよ)。


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