REAL ARCADE PRO.3 SAをセイミツ工業のレバーとボタンに換装してSE(Special Edition)化する ※RAP2SA互換
連休で工作するための記事。
というわけでもないのですが、ちょうど4月30日入荷分が届いたことで、ホリのジョイスティック・リアルアーケードPro.3SA(通称RAP3SA)とリアルアーケードPro.2SA(通称RAP2SA)、この現行機種を実戦仕様としてセイミツ工業さんのレバーとボタンに換装してしまおう、というものです。
前回の記事ではひとまず手元にあったRAP2をSE化してみたわけですが、RAP2はすでに生産が終わってしまっているのと、ちょっと写真をはしょりすぎたかな?と思ったので、今回は写真多めノリ重視勢い偏重'80~'90sのプレーヤー向け実戦仕様プラスアルファの偏向記事としてお届けです。
普通に『イマドキの新規ゲームセンターとの同一部品仕様』にこだわる方は、無改造でRAP3SAを使われることをおすすめいたしますので、今回の記事は無縁かと。分解の参考に位はなるかも…もっとも、このジョイスティックの分解程度でてこずるようだと換装やメンテは考えない方がいいですよ?
はっきり言って普通の人が使用する分には、RAP3SAくらいのジョイスティックだとメンテナンスフリーとして使ってもわりと一生ものとして長持ちするんじゃないかなー、と。本気なゲームセンターの人気台よろしく過酷に使われるわけではないはずなので。
それに、レバーやボタンを交換しないとゲームで命取り…というほどの話でもありませんよ?そんなんだったらゲーセンで遊べないですよね、筐体のレバーが三和だったらいちいちセイミツレバー持ち込んで換装してもらんですか?そんなことしないですよね(苦笑)。自分が下手糞なのをレバーのせいにするのは下手な人のやることです。※SIXAXISだとか360のデジタル部方向キーだとかとアーケードのレバーの差といった根本的にどうしようもないものはともかくとして、一応ゲームセンターの筐体のレバーはセイミツでも三和でも最低限では腕に差の出るレベルでないとはいえます、ただ、好みや扱いやすさや耐久性なんかはもちろん差があります…わたしは三和製はコストダウンとメンテナンス簡略化は認めてますが、操作性と耐久性・ものとしてのつくりが気に入らないので換装してます。
要するに、自分が買って使うものなのだから、より使いやすいように換装しておこう、という趣旨です。自分で気に入る状態にしておけば頻繁に使いたくもなるでしょうしね。
ではまず、今回の元となる箱を。
はい、やっちゃいました。
今回、幼女棒は参考までにあけただけです。わたしが360持ってないから(今後買う予定はあるけど、そのときにスティックが手に入らないと困るのでとりあえず買っておきました)。換装する予定はあるので、そのときはまた何か書くかも知れません。なにせ標準だとボタンさえマトモに固定されてなくてぐらついているくらいひどいので。それと天板の印刷もRAPのようにコーティングされてなくて印刷面がむき出しで、下手すると使い込んでいくうちに印刷削れたりかすれてくるんじゃ?ってくらい安っぽいつくりなので、これが価格的に標準のRAPEXからも高くて、RAP3SAとかと比較すると5000円も高いとか、ちょっとぼったくりすぎじゃないかな?と思いましたね。
前回SE化したRAP2と並べてみて、の図。こうしてみると、RAP3SAとRAP2SAは天板をすぐに開くことができる仕様ですが、RAP2や幼女棒はいちいち裏から開けなきゃダメなんだなぁという感じですね。
それで、今回用意する工具は以下のとおりです。
・4mmの六角レンチ
・#2のプラスドライバー
・5mm程度のマイナスドライバー(サイズはテキトウでいいです)
・ラジオペンチ
・カッターナイフ
工具はすべてダイソーでそろえてます。最近の100均の工具なめんな!ってところですよ。工具屋さんで何倍もの値段のする工具を買わなくても、これで必要十分です。
そして、今回の換装用にセイミツ工業さんから取り寄せたパーツは以下のとおりです。
・LS-32-01(SSベース)
いわずと知れたLS-32の基板タイプ、今回もこれ。ベースは標準でSSベースが付属しますが、心配なら注文時に確認するとよいですよ。
・PS-14-KN(合計8個)
30φのスケルトンボタンを8個(今回はちょっとした目的があって、レッド・ピンク・グリーン・ブルーをひとつずつとクリアを4個買っています)
・PS-14-DN(同色ボディー白 2個)
24φの同色ボディー白を2個(スタート・セレクト用)
※同色ボディーで白はネジ式しかないのでこれなんです。
・35φのクリアレバーボール
(気分で変えられるように何色か買ってみました)
それから、今回の記事でも家庭用アーケードスティックスレまとめWikiはとても参考にさせていただいています。
では…さぁ、はじめましょうか(PIIIじゃないですよ?)。
まずは天板を六角レンチで開きます。
参考までにRAP2SAから。
なんでこれを先に見てもらっているかというと…RAP2SAとRAP3SA、基本的にやること一緒です。なので、ここらで現行機については記事の共通化も図りたいな、というわです。だから、この記事でもってRAP2SAをメンテする記事として読みかえてもらっても全然おkですよ。
そしてRAP3SAのパネルオープンの図。
はい、同じですね。
ではまず、レバーを外してしまいます。
レバーの軸にマイナスドライバーをあてがって、レバーボールとレバーパッキン、シャフトカバーを取り除いて、レバーをステーに固定しているネジ4本をプラスドライバーで外して、レバーを取り外します。
レバーだけの図ですが、こんな感じです。
ちなみにこの図、セイミツのレバーを取り付ける下準備の図でもあります。レバーボールとレバーパッキンを取り外しておきましょう。
レバーにきている配線のコネクタにくっついているホットボンドは毟り取れば取れます。ひっぺがしてください。なお、このときにコネクタが取り付けられていた向き、コネクタの表と裏を確認しておいてください。セイミツレバーにハーネスを取り付けるときは、コネクタの表と裏が逆になりますよ。
それから、レバーを取り付ける前に、ある程度レバー自体の分解が必要なので、まずはレバーを分解した図がこちら。
サブガイド、メインガイド、スイッチ取り付け板、マイクロスイッチをレバーから取り外しています。
なぜここまで外しているかというと、天板のステーとスティックのベースをネジ4本でしっかり固定しておきたいため。2点止めする場合はここまで分解しなくてもいいのですが、そのかわりにベースを取り外して90度角度を変えて取り付けなおす必要があります。が。それだと取り付け強度的な問題もあるので、やっぱりここは4点止めをおすすめします。
※ちなみに新品のレバーの場合はグリスアップしなくていいので、シャフトまでは分解しないようにしてください。元々グリスついていますから。というか、ゲームセンターで酷使されるわけでもないので、グリスアップなんてそう頻繁にやるものでもないです。家庭用として使うなら、そこまでは不要ですね。買ってからもう20年近くになるコントロールボックスのレバーでさえ、グリスアップなんてしたことないですよ?(さすがにそれはやっておけって気がしますが…)。
そして、この状態まで取り外したスティックを天板のステーに取り付けます。
向きは写真のとおりで。というか、これじゃないと取り付けられません。
ここで注意点。記事の流れではここでレバーを一気に組み立ててしまいますが、実際はレバーの配線のコネクターがレバーに一番近いボタンと干渉してしまうので、まずはそのボタンを取り付けてからこの先のレバー組み立てに入った方がスムーズに作業が進みまよ。
マイクロスイッチとスイッチ取り付け板を取り付けます。ご覧のとおり、配線用コネクタ部がボタンに干渉してしまっています。で、ここ重要なんですが、写真ではコネクタむき出しのまま作業を進めていますが、実際にはもうこの時点でハーネスを接続してからマイクロスイッチとスイッチ取り付け板を取り付けるようにしないと、コネクタを取り付けることができなくなります。ただしボタンも換装するのであれば、ボタンを外した状態でハーネスを接続して、それからボタンを取り付ければ問題ありません。いずれにしても優先順位はコネクタにある、と覚えておかないと、セイミツレバーに換装する場合はあとあと面倒ですよ。
なお、ハーネスのコネクタの挿しこみは三和レバーについていた状態とは表裏が逆になります。
メインガイドを取り付けて、
サブガイドを取り付けます。
ボタンのファストン端子はラジオペンチでつまんで、左右にぐにぐにこじりつつ引き上げます。ここで力を入れすぎると端子を傷めたりケーブルを損傷する恐れがあるので、慎重にゆっくり、かつ大胆にやるとよいですよ。
それから、今回ボタンはちょっとした理由でネジ式にしているんですが、ネジ式だとレバーに一番近いボタンの固定用リングがステーに干渉してしまうという問題があります。これ、ステーを削るかリングを削るかという問題なんですが、ステーを削るのは工作が面倒くさいしリスクも高いし、なによりRAPのパーツを削るというのが精神的になんかやだ(苦笑)、という理由からリングを削っています。また、削らなくてもむりくりリングをステー下にもぐりこませてボタンをねじ込むことができるのですが、ボタンのボディ側に変なテンションがかかるので部品的にあまりよくないのと、ステー下部分の空間がリングが入るかどうかも天板とステーの工作精度的に個体差があることも考慮して、リングを削る方法をとっています。なお、削る部分はねじ込みのねじ切られてない側を削ってください。要するにねじ切られている側が天板に接触するような感じになります。※写真だと思いっきり逆にやっちゃってます…これでも取り付けられなくはないですが、できることなら…気をつけてください、ということで。
カッターナイフで干渉しそうなところを深さ1mmちょっと位で。範囲は大して削りません。写真のとおりです。
削ったリングをステーの下に軽くもぐりこませて、ボタンの固定は裏からスイッチを回して固定する、という具合ですよ。
その他の場所でボタンを固定するときは、リングのくぼみにマイナスドライバーを引っ掛けて固定して、ボタン側をスイッチを持って回してあげるといいですよ。ちょうどこの写真みたいな感じです。
これを繰り返してボタンを全部交換して、一通り交換が完了したのがこの図です。
上の方に掲載した出荷時の三和のと比較してみていただけるとよろしいんじゃないでしょうか?
今回はボタンは全部ネジ式ですが、普通は特にネジ式にしなければいけない理由がなければ、はめ込み式の方がボタンの価格も安くて便利です。メンテナンス性も高いですし。
そして、これが完成したところです。
どうでしょうか?
結構綺麗にしあがってるんじゃないでしょうか。
ボタンはPlayStation用コントローラーの○・△・□・×の配色に合わせて視認性と操作性と見た目の綺麗さを両立させたいなーと思ったので、今回はねじ込み面倒だったんだけどあえてネジ式のスケルトンボタンを使ってみました(普通のボタンで色合わせだけした場合を考えたらえらいチープなイメージだったので、スケルトンボタンにしてみました)。普通は手元は見ないけど、何かのときにぱっとコンパネを見て、ボタン配置をいちいち印刷で確認するよりも視覚的に色でわかった方が便利かな?と思ったんですよね、画面表示でも色つきで出るものもありますし。
合わせてレバーボールもクリアタイプに。なんとなくクリスタルでいい感じです(そこ、「昭和の人だー」とか言わない!)。
見た目わりと綺麗でいい感じに仕上がったかな?と思います。ボタンもこれで操作性はちゃんとセイミツボタンなので、かなりいい感じですよ。
操作感と信頼性はデフォのSAに比べてぐっと上がった感じです。すごいしっくりくるし使いやすいですよ。
好みの問題ではあるんですが、わたしには三和のレバーはふにゃふにゃして軽すぎるしスイッチに板がついてないことで確実性に欠けるように思えて信用しきれないのと、三和ボタンもタッチが軽すぎてダメですね、ボタンに指をのせているだけで押してるつもりがなくても押されてることになっちゃってる、というのがあるので、どうにも操作しづらいです。
ゲームセンターで遊ぶときにコンパネが三和で固められてると、あーあーあーとか思いますけど、好みの問題だから遊べないわけではないんですけどね、やっぱり自分が所有していて使うものなら、使い勝手いいように交換できるならやった方がいいよね、という話。
この分解や換装自体は、はっきりってそんなに難しい工作ではないので、手際のいい人なら1時間もかからないでしょう。とりあえず換装に関する分解手順はわかりやすく見せられていると思うので、参考にしていただけたなら幸いです。
余談ですがファストン端子のスリーブについて。メンテで頻繁に交換するようなゲーセンだとスリーブついてる方が作業性も上がるし怪我しないようにもできるし便利なんですが、ぶっちゃけ接点が導通してりゃいいんですから、家庭用のジョイスティックなんかでファストン端子にスリーブをつけるのは、はっきり言ってお金の無駄と手間の無駄です。自己満足としてはありですけどね。
大事なのはスティックをカスタマイズすることではなく、使いやすくしてそれでプレイの精度やスコアを上げることなので、ここからがはじまりですよ?
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