AH-D1000、手軽でC/Pも高い汎用高音質機
別のエントリーでもでちょこちょこ書いてましたが、DENONのAH-D1000買いました。
iHA-1 V2-1が戻ってきたあたりからなので結構前のことなんだけど、前々から気になっていたこともあって思い切って買っちゃいました。今年の目標はDENONのD系ヘッドホンをコンプリートすること。冗談抜きでそんな感じです。そのためにもAH-D1000は欠かせなかったし。
で、結果的にはすごい満足してます、これはいいものです。
側圧わりとゆるめで着け心地いいのはDENONのおやくそくみたいなところはあるんですが、AH-D1000はほんのわずかですが、こころもちホールド感がしっかりしているように思います。おそらくは携帯プレーヤーとかでのアウトドア用途も意識してるんじゃないでしょうか。このへんは後述します。
装着感のよさという部分についてはDENONのヘッドホンに共通してるんですが側圧がゆるめなこと以外にもハウジングの固定軸が内向きにそこそこの角度まで軽く若干旋回することもうまく効いてるんだと思います。
パッドは合皮の縫製で肌触りも良く耳をすっぽり覆うようにかぶさって着け心地はとてもいいです。かなり軽量なこともあって、長時間つけていてもその音と相まって全く快適に楽しめます。
ハウジングの質感は結構軽くてやすっぽいんですが、それゆえ気兼ねなく気軽にラフに扱えそうというかそうしてます。ヘッドバンドは合皮で覆ってありクッションも仕込んであるので、着けていて頭頂部が痛くなったりといった着け心地で不快になる部分はありません。ヘッドバンドも表面は艶消しで頭部の当たる部分は梨地仕上げっぽいいい手触りでちょっとしたこだわりを感じます。
肝心の音ですが、これまたDENONらしいと思わせてくれる”この価格帯でこの音は良すぎでしょ”って…以前AH-D501をハイコストパフォーマンス機として感想を書きましたが、AH-D1000もなかなかとんでもなくコスパは高いですよ?
基準はわたしの例によってMDR-CD900STとして、バランスは若干低音寄りのフラットでわりと音源を忠実に追う冷静さはあるんですが、そこにDENONらしい音場の広さと低音の深さとが加わり全体的にエネルギッシュな押し出しの強さを持っています。
音場については、素でボーカルが前方にふと浮かぶような感覚と少し広めの空間を感じさせてくれます。定位もぼやけずしっかりしてると思いますし。DENONの中ではそんなに広い方ではないのかな?というところですが、わりと自然な鳴りなので心地いいバランスです。音自体はわりとユニットの近くから鳴ってるなって感じですが、それとてDENON機としてはというくくりの中でのことです。空間表現を得意としつつも実は迫力と元気よさという点ではAH-D5000よりも面白いかも。
結構低音の押し出しが強いですが、中高域がそれに埋もれることなく鮮明に聴こえるのはナイスです。ウォームな感じの聴きやすい音で長時間聴いていても疲れないしかなり気持ちいんですが角を丸めたりキレを失ったりっていうことがないので、ロックやポップスでも楽しく聴けます。このあたりの不思議な万能っぷりもDENONの味だと思うんですが、AH-D1000はその押しの強さとインパクトでよりポップス向けを狙ってるような印象を感じました。
解像度もかなりしっかりしていて、当然AH-D5000には敵いませんが実売価格で同レベルの他機種からは一歩抜きんでていると思います。
ポータブル機を意識してるのか音量がかなりとりやすく、しかもソース機器をあまり選ばないようです。AH-D5000だとHD60GD9EC直挿しで使った場合にちょっとわずかにだけど息苦しさというか窒息感というかつっかえる感じがあったんですが、AH-D1000だとそういうのはありませんでした。それでいてヘッドフォンアンプを経由したりなど上流を変えるとちゃんと追従する面白さも備えています。
上流をあまり選ばない、で気がついて”じゃあAH-D5000で聴いて録音が安い気がするって苦笑したような音源はどうかな?”と思ってそういうものをAH-D1000で聴いたところ意外と粗が気にならず楽しく聴けたので、録音がアレでも粗を目立たせるよりはフォローするような性格のようです。多分押し出しが強くて音が近めだからかな?とは思いますが、そういう意味ではそんなに良録音が多いってわけではなさげなアニソン向け?っていう気もしますよ。AH-D5000が向いてないわけじゃないんですけどね、AH-D1000のがそのへんちょい上手って感じです。例えるとAH-D5000があかりならAH-D1000は志保って感じでしょうか?わかりづらいですか?書いてて自分でもわかりづらいかなと思いましたよ、すみませんw
…と、そんなこんなで意外にもお気に入りにのぼりつめてしまった感のあるAH-D1000です。
で。装着感のところでも触れたポータブル機向けか?ってことも含めて、今わたしの手元にあるDENONのヘッドホンとそれぞれ比べてみた感じなどをつらつらと書いてみたいと思います。D301はD501にほぼ準じるので割愛してます。
まず側圧のゆるさですが、これは
D501>D5000>D1000
って感じですね。D501もポータブル用途を狙ってないわけじゃないんですが、ホールドのしっかり感ではD1000が一番です。
音場の広さでは
D5000>D501>D1000
ってところですが、これ広い狭いというよりもうちょっといろいろな要素があってたとえば見方を変えて音の遠さでは?ということだと
D501>D5000>D1000
ですが解像感も含めた音場の豊かさでは
D5000>D1000>D501
って感じになるんですよね。
D501は音が遠くてD1000は近め、D5000は広くて見通し良くて遠近しっかり配置する…そんな音です。
音量の取りやすさは
D1000>D5000>D501
これ、意外にもD501が音量取れない機種であることが比べるとわかります。ポータブル機で使う場合は結構ageてやらないと物足りないかもですね。D1000は普通にというかsage気味のボリュームでもしっかり鳴ってくれます。
こうやって比べてしまうと以前のエントリーで結構褒めてたD501もDENONの中では値段なりなんだってわかってしまうんですが(D5000は正直な話別格です)、D1000とD501ではその音のキャラクターも結構向きが違うと思うので好みで選べるのではないかな?と思いました。D501の広い音場が良ければそれでいいし、解像感が高くてメリハリのきいた迫力ある音が欲しければD1000って使い分けはできると思います。
また、ポータブル機向けってことに関してはD1000もD501もいいんですが、音量の取りやすさとホールド感でD1000の方が扱いやすいかな?とわたしは思いました。
ケーブルはエラストマーの皮膜でしなやかで絡みにくいです。AH-D1000、D501、D301は全部これですね。プラグはアルミニウムでしっかりしていてミニプラグに変換の標準プラグをかぶせるタイプですが、変換プラグはねじて固定ではなく差し込むだけのタイプです。
AH-D1000は家でゆっくり聴く用途でも実力のある機種だけどアウトドアへも気軽に持ち出せていい音を楽しめる、これまた活躍できるシーンの広いヘッドホンだと思います。D501とは予算と好みで選んでいいのではないでしょうか。ちなみに通販送料込みで11500円くらいで買ってます。これでこの音と使い勝手は安すぎますよ?
欲をいうならAH-D1000のハウジングがオーテクのATH-ESW9みたいに回転して持ち歩きに便利だともっといいなぁなんて思うんですけどね(苦笑)。これだけ小型で軽量で聴いてて楽しいといろいろなところへ連れまわしたくなります。
iHA-1 V2-1が戻ってきたあたりからなので結構前のことなんだけど、前々から気になっていたこともあって思い切って買っちゃいました。今年の目標はDENONのD系ヘッドホンをコンプリートすること。冗談抜きでそんな感じです。そのためにもAH-D1000は欠かせなかったし。
で、結果的にはすごい満足してます、これはいいものです。
側圧わりとゆるめで着け心地いいのはDENONのおやくそくみたいなところはあるんですが、AH-D1000はほんのわずかですが、こころもちホールド感がしっかりしているように思います。おそらくは携帯プレーヤーとかでのアウトドア用途も意識してるんじゃないでしょうか。このへんは後述します。
装着感のよさという部分についてはDENONのヘッドホンに共通してるんですが側圧がゆるめなこと以外にもハウジングの固定軸が内向きにそこそこの角度まで軽く若干旋回することもうまく効いてるんだと思います。
パッドは合皮の縫製で肌触りも良く耳をすっぽり覆うようにかぶさって着け心地はとてもいいです。かなり軽量なこともあって、長時間つけていてもその音と相まって全く快適に楽しめます。
ハウジングの質感は結構軽くてやすっぽいんですが、それゆえ気兼ねなく気軽にラフに扱えそうというかそうしてます。ヘッドバンドは合皮で覆ってありクッションも仕込んであるので、着けていて頭頂部が痛くなったりといった着け心地で不快になる部分はありません。ヘッドバンドも表面は艶消しで頭部の当たる部分は梨地仕上げっぽいいい手触りでちょっとしたこだわりを感じます。
肝心の音ですが、これまたDENONらしいと思わせてくれる”この価格帯でこの音は良すぎでしょ”って…以前AH-D501をハイコストパフォーマンス機として感想を書きましたが、AH-D1000もなかなかとんでもなくコスパは高いですよ?
基準はわたしの例によってMDR-CD900STとして、バランスは若干低音寄りのフラットでわりと音源を忠実に追う冷静さはあるんですが、そこにDENONらしい音場の広さと低音の深さとが加わり全体的にエネルギッシュな押し出しの強さを持っています。
音場については、素でボーカルが前方にふと浮かぶような感覚と少し広めの空間を感じさせてくれます。定位もぼやけずしっかりしてると思いますし。DENONの中ではそんなに広い方ではないのかな?というところですが、わりと自然な鳴りなので心地いいバランスです。音自体はわりとユニットの近くから鳴ってるなって感じですが、それとてDENON機としてはというくくりの中でのことです。空間表現を得意としつつも実は迫力と元気よさという点ではAH-D5000よりも面白いかも。
結構低音の押し出しが強いですが、中高域がそれに埋もれることなく鮮明に聴こえるのはナイスです。ウォームな感じの聴きやすい音で長時間聴いていても疲れないしかなり気持ちいんですが角を丸めたりキレを失ったりっていうことがないので、ロックやポップスでも楽しく聴けます。このあたりの不思議な万能っぷりもDENONの味だと思うんですが、AH-D1000はその押しの強さとインパクトでよりポップス向けを狙ってるような印象を感じました。
解像度もかなりしっかりしていて、当然AH-D5000には敵いませんが実売価格で同レベルの他機種からは一歩抜きんでていると思います。
ポータブル機を意識してるのか音量がかなりとりやすく、しかもソース機器をあまり選ばないようです。AH-D5000だとHD60GD9EC直挿しで使った場合にちょっとわずかにだけど息苦しさというか窒息感というかつっかえる感じがあったんですが、AH-D1000だとそういうのはありませんでした。それでいてヘッドフォンアンプを経由したりなど上流を変えるとちゃんと追従する面白さも備えています。
上流をあまり選ばない、で気がついて”じゃあAH-D5000で聴いて録音が安い気がするって苦笑したような音源はどうかな?”と思ってそういうものをAH-D1000で聴いたところ意外と粗が気にならず楽しく聴けたので、録音がアレでも粗を目立たせるよりはフォローするような性格のようです。多分押し出しが強くて音が近めだからかな?とは思いますが、そういう意味ではそんなに良録音が多いってわけではなさげなアニソン向け?っていう気もしますよ。AH-D5000が向いてないわけじゃないんですけどね、AH-D1000のがそのへんちょい上手って感じです。例えるとAH-D5000があかりならAH-D1000は志保って感じでしょうか?わかりづらいですか?書いてて自分でもわかりづらいかなと思いましたよ、すみませんw
…と、そんなこんなで意外にもお気に入りにのぼりつめてしまった感のあるAH-D1000です。
で。装着感のところでも触れたポータブル機向けか?ってことも含めて、今わたしの手元にあるDENONのヘッドホンとそれぞれ比べてみた感じなどをつらつらと書いてみたいと思います。D301はD501にほぼ準じるので割愛してます。
まず側圧のゆるさですが、これは
D501>D5000>D1000
って感じですね。D501もポータブル用途を狙ってないわけじゃないんですが、ホールドのしっかり感ではD1000が一番です。
音場の広さでは
D5000>D501>D1000
ってところですが、これ広い狭いというよりもうちょっといろいろな要素があってたとえば見方を変えて音の遠さでは?ということだと
D501>D5000>D1000
ですが解像感も含めた音場の豊かさでは
D5000>D1000>D501
って感じになるんですよね。
D501は音が遠くてD1000は近め、D5000は広くて見通し良くて遠近しっかり配置する…そんな音です。
音量の取りやすさは
D1000>D5000>D501
これ、意外にもD501が音量取れない機種であることが比べるとわかります。ポータブル機で使う場合は結構ageてやらないと物足りないかもですね。D1000は普通にというかsage気味のボリュームでもしっかり鳴ってくれます。
こうやって比べてしまうと以前のエントリーで結構褒めてたD501もDENONの中では値段なりなんだってわかってしまうんですが(D5000は正直な話別格です)、D1000とD501ではその音のキャラクターも結構向きが違うと思うので好みで選べるのではないかな?と思いました。D501の広い音場が良ければそれでいいし、解像感が高くてメリハリのきいた迫力ある音が欲しければD1000って使い分けはできると思います。
また、ポータブル機向けってことに関してはD1000もD501もいいんですが、音量の取りやすさとホールド感でD1000の方が扱いやすいかな?とわたしは思いました。
ケーブルはエラストマーの皮膜でしなやかで絡みにくいです。AH-D1000、D501、D301は全部これですね。プラグはアルミニウムでしっかりしていてミニプラグに変換の標準プラグをかぶせるタイプですが、変換プラグはねじて固定ではなく差し込むだけのタイプです。
AH-D1000は家でゆっくり聴く用途でも実力のある機種だけどアウトドアへも気軽に持ち出せていい音を楽しめる、これまた活躍できるシーンの広いヘッドホンだと思います。D501とは予算と好みで選んでいいのではないでしょうか。ちなみに通販送料込みで11500円くらいで買ってます。これでこの音と使い勝手は安すぎますよ?
欲をいうならAH-D1000のハウジングがオーテクのATH-ESW9みたいに回転して持ち歩きに便利だともっといいなぁなんて思うんですけどね(苦笑)。これだけ小型で軽量で聴いてて楽しいといろいろなところへ連れまわしたくなります。
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コメント
AH-D1000良さそうですね。
しかし、釘町さんは本当にDENONフリークですねww
ぜひ、DENON現行機のコンプを目指して下さい。
あと、るっきゅんを裏切って、Eee PC買っちゃいました。
投稿: benot | 2008年9月 4日 (木) 11時28分
benoitさん、どうもです。
DENON好きといってもヘッドホンだけですけどw
もともとDENONってそこまで意識していたメーカーじゃなかったんですが、いろいろ聴いていてAH-D5000がピンポイントで好きな音だったので、ここのを一通り聴いてみたい!と思ったのがきっかけですね。
今ではDENONのヘッドホン好きすぎてもう集めちゃうか!って感じになってますが(苦笑)。
AVアンプも素晴らしいものを作ってるのは知ってるので、うちがもっと大きければ欲しいなぁとは思うのですが…。
あと、音聴箱(おとぎばこ)は面白いなと思うんだけどアナログはもうディスク持ってないんですよね、たぶんBeepのソノシートが数枚と山崎ハコが押入れにあるくらいかも。
EeePCも面白いと思いますよー。小型のセカンドマシンとしては面白いんじゃないでしょうか。わたしとしてはるっきゅん一押しなんですけどねw
投稿: 釘町阿梨 | 2008年9月 5日 (金) 01時18分