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2008年7月 5日 (土)

ス、スパイラルじゃないんだからねっ!(KH-K1000・MDR-EX90SL)

※修正しますた。結構いろいろ大事なところを直してるので再エントリーです。顛末は最後に。

えー、あの、KH-K1000MDR-EX90SL買っちゃいました。
新・萌えるヘッドホン読本、宣伝効果絶大だと思いますよ?
新・萌えるヘッドホン読本の感想はこちら
これで1万円くらいまでのボリュームゾーンの機種もいくつか加えた本を出せば、それはそれでウケそうな。アニソン聴く層だとハード投資ケチる人もいると思うし、そういう人にもってことで。とくると、オーバーヘッドの密閉式ではパイオニア辺りは面白いメーカーだと思うんですけどねー。
というわけで、萌え読本には、さらなる機種の充実を図ってほしいと思ったりします。あと、良録音だけじゃなくって、録音はアレだけどヒットしたディスクもレビューに加えてくれたら、より参考になるのではないかなぁ、と。『もってけ!セーラーふく』とかですねー。

ス、スパイラルなんかじゃないんだからねっ!
音の好みはわかってるからもう欲しい機種も手に入ったし、今のところ満足してるんだからねっ!!
(今のところ というのがぁゃιぃ)

で。
せっかく買ったし、ありがちな買ったぜ自慢だけじゃ意味ないんで、最近買ったCDとかお気に入りのディスクで聴いてみた感想なんかも書いてみる。チラ裏だねぇ(いいもん。ここ、わたしの日記だしw)。
というか、せっかくだから手持ちの中からよく使うのをピックアップしてみた。
KH-K1000MDR-EX90SLは今回の主役として、MDR-CD900STAH-D5000SE-M570も交えていろいろ聴いてみた。


KH-K1000は、そこそこ予算出せていいヘッドホンが欲しいって言われたら、真っ先に薦めたくなる音。
明朗快活に鳴って万人受けしそうな気持のいい機種って感じですよ?
密閉なんだけど、らしくない開放的な鳴り方をしてます。独特のくせっぽいものがなくて、何でも素直に鳴らす印象だから、何を聴いても楽しいって稀有な機種かな。加えて欠点も気持よく聴かせちゃうような部分もあるから、人によってはそのそつのなさを欠点と思うかも。装着感もきつくないし、フリーアジャストのバンドがいい感じで、見た目のわりに軽いから長時間聴いていても疲れない。
音に関してはとにかくクセがなくて、強調されたり演出されたりっていう印象がない機種なので、すごく自然なんだと思います。そういう線を狙ったんだろうし。他機種ではあるこもりとか低音がしまりがないとかベールがかかったようなとか、または高音がきついとか刺さるといったような特徴はなくて、ごくごく何でも気持よく聴かせてくれます。
というか、このヘッドホンのすごい(ある意味恐ろしい)ところは、機材や録音が多少悪かろうが、聴きやすくきれいに鳴らしてくれてしまうところなんだよね。いろいろと欠点すらもカバーしてしまうというか。しかもそれでいて作為的な音にはならないという。
ある意味ではファイナルアンサー的機種。

MDR-EX90SLは、すっごく乱暴な意見だけど、ぶっちゃけイヤホン買うならこれで決まりなんじゃ?的な、今まで無視しててごめんなさいな機種です。うん、猛省してるとともにEX90で毎日楽しませてもらってます。
E5cE500PTHをトリプルフランジでずっと使っていて、Triple.fi 10 Proとかとも比較してさすがにE500以上のものはなかなかないんじゃないかって思ってたんだけど、あっさり崩されましたよ?
もともとMDR-CD900STの音が好きで、それをイヤホンでも聴けたらなーって欲求はあったんだけど、イヤホンはE5cやE500で満足してたからそれ以降はあまり調べてなかったんですよ。
が、実際にEX90を買ってみて驚いたのは、当然同じじゃないんだけど、CD900STのエッセンスは十分に受け継いでるってことと、その上でEX90なりの個性もちゃんと持ってるのがいいなぁ、と。しかも店頭実売8000円程度でこの音が手に入るという、尋常ならざるコストパフォーマンスの高さ。
Shureのイヤホンはわりと断線しやすいし、保証が2年あるとはいえ交換時のダウンタイムが2~3週間あるし、E5cもE500も期間内に最低2度は交換に出してることと保証切れ後のコストも考えると、流通も豊富で気軽に予備を持っていても気にならなさそうな価格だし、しかもソニーなら断線に悩まされることは少なそうってことで、これで決まりかなぁ、と。
装着も見た目からは想像つかないくらい簡単で、カナルタイプの中では扱いやすいと思います。
音はCD900STのようなバカ正直(褒めてます)な部分を持ちつつ、元気で鮮明、爽快な鳴りっぷりです。
全体的に抜けが良くてとても気持ちいいイヤホンです。
機材の性格が如実に出るイヤホンかも…。低域もしっかり出てますが、かといってこれも素直なので、重低音が好きって人には若干物足りない部分もあるかも。だからと言って低音が足りないわけではないんですよ。わたしとしてはこれの低音は全然ちゃんと出てるだろって思います。EX90を使っていて低音が足りないって人は、たぶん装着がうまくいってません。この手のイヤホンは装着ミスるとスッカスカの音になるから、いろいろ感想聞いてると、ちゃんと着けられてないなーって人の話はわかりやすくて(苦笑)。着けられてるつもりでも多少ずれてたりイヤーピースのサイズがあってないと、低音ちゃんと出ません。EX90を使っていて低音が足りないよって人は、装着を見直すといいかもしれず。
ぶっちゃけちゃうとE5cやE500よりも鮮明でエッジの効いたソリッドな音を得られるので、これに慣れると他のが甘く感じて聴けなくなるっていうのはあるかな。解像度などもそのあたりの高額機に引けを取らないので、よくこの価格でこれだけのものを出せたなというか、ソニーの技術はすごいなって。
曲の持ってるもの、作り手の意図を素直に伝えようって意味では、極力機種的な味付けは排されてるから、イヤホンとしてはある意味では最高なんじゃないでしょうか?
E5cも以前はそういう機種だと思ってたんだけど、どうも違ったようで。とはいえE500とかのShureの豊潤な音もまた楽しいんですけどね。
でもEX90の鮮明さと正直さ、楽しさを知っちゃった今は、もう戻れないなぁ…よく思うことだけど、価格じゃないんだよね。イヤホン・ヘッドホンについて思うことは、確かに価格も重要なファクターだけど、ある水準を超えると、価格だけで比較できるものじゃないんだなーって思うんですよ? どんなに工夫や技術が凝らされた高価なものでも、結局は出てくる音次第ですよ?
ウィークポイントがあるとすれば、その構造ゆえに遮音性が高くないことかな。見ればわかるけどユニットにそういう穴があいているので、音自体は結構もろに漏れてます。まぁ、これも一応友人に協力してもらってフィールドテストしてみて、静かな屋内だとかなり気になるけど、そこそこの乗車率の電車ではそんなに気にならんのでは?ってことまでは確認してるから、そんなに神経質になる必要はないと思われるけど、漏れることは漏れるから、満員の電車内とかでの音量には注意した方がいいかも。
そこは、多少こもってもいいから遮音性重視でBA型の高価なカナルを選ぶか、それとも爽快な音の方を重視してEX90で行くか、悩ましいところですねー。

MDR-CD900STは、わたしにとって一番のお気に入りで基準機ですね。
CD買ったり新しい機材買ったり、DVDとかBDの編集の時は、かならずこれです。
装着感も長時間使用に問題ない良さです。
PVやビデオのメイキングでよく目にするあの赤ラインのヘッドホンはなんだろう?ってとこから始まって、実際にモニタ用といわれる機種をいくつか聴いてみてやっぱりこれしかないって結論に至ったので、いろんなところで道具として重宝されてるというのも納得です。
というか、こういう音が好みなんですよ?
正直で味付けがなくて素直。まあ、買ってる機種見ればそういう傾向なのはバレバレでしょうけど。
基本はそこで、その上で聴きやすいとかふくよかとかの味付けがある機種は好きなんだけど、その基本を崩して、曲のよさを曲げてまで機種の個性で聴かせようとするヘッドホンは嫌いですね。
暖かみがあろうと聞きやすかろうと、曲のよさやスピード感を殺したりベールのかかったような音で聞かせるヘッドホンは作り手の意図を歪めてるような気がして、いくら高価でもネットやレビュアーの評価がよかろうとも、ダメだと思います。
で、CD900STなんですが、リスニングに向かないって意見もありますが、そんなことはないです。
とにかく素直で正直で解析的な音が出るので、そういうのが聴き疲れするという向きもありますが、こっちから積極的に曲を楽しもうってときには重宝します。『もってけ!セーラーふく』なんかは他のイヤホン・ヘッドホンだとわからなかった仕掛けの細かさに気づかせてくれたし、他でもそういう曲が結構あって、さすが鑑賞用というよりは道具として練られて長年使われてるだけのことはある、いい機種だと思いますよ。
実際には長時間聴いていて聴き疲れすることもありません(というか、そんな機種だったら道具として使い物にならないでしょ)。いや、これは確かにソースにもよるんですが、要するに素直で忠実な音の機種だから実際にはCD900STが聴き疲れさせてるわけじゃないし、なんでもかんでも”CD900STはカリカリのモニター機だから聴き疲れする”っていうステレオタイプなレビューや意見は間違ってるよって思うわけよね。
これは下手にモデルチェンジとかしないで、ずっと作り続けてほしい機種ですね。
この傑作機があって、MDR-EX90SLなんていう素晴らしいイヤホンも生まれてるわけだし、どちらも末長く生産される機種であってほしいです。

AH-D5000は、CD900STを踏まえつつ、気持ちよくリラックスして聴けるヘッドホンが欲しいなと思って買いました。
結果は狙い通り!で、基本的にこれもあまりジャンルは選ばず楽しく聴かせてくれます。
装着感も大型機なのにわりと軽快で、すっぽりと耳にかぶってなお空間がわずかにある感じ。密閉なんだけど広い空間を感じさせる音はこの構造のよさなんでしょうねー。
音はとにかくリッチ。高音も低音もきれいにしっかり出ます。低音のふくよかさと高音のきれいな伸びは気持ちいいですね。どの音域も深みのある響きの音です。それでいてアップテンポな曲の雰囲気も壊さないでしっかり楽しませてくれるんですよ?
パーカッションとかの締まりもきれいだし、響きもきれい。スピード感も損なわずうまく表現してくれる。その上でリラックスして聴ける気持ちよさも持ち合わせているのだから、よくできた機種だと思います。
リラックスして聴くための機種というと、AH-D5000とは実売価格も近い某機種がよく話題にされますが、わたしはあれは曲のよさとスピード感を殺してベールのかかったようなくもった音でゆるく聞かせる機種なので、いまいちあいませんでしたね。以前にも、その機種は買ってエージングもして使ったけどやっぱり気に入らなくて売っちゃったって書いたような。あれ、価格のわりにつくりも質感も安っぽいし、音場もやけに作為的で結局好きになれなかったなー。
他機種の話はさておいて、AH-D5000ですが、これ結構その性質ゆえにいろいろ楽しめるんですよね。音場が自然に広いので、SU-DH1と組み合わせてDVDやBDをサラウンドで見るのも楽しいですよ?(まだ試してないけど、これはKH-K1000と組み合わせても楽しそうです)
実によく出来てるんだけど、若干の音の癖みたいなものがボーカルにあったりするので、そういう意味ではKH-K1000と比べてみて、好みの方を選んでねって感じですね。素直さにかけてはKH-K1000のが上なので。

SE-M570は、今回たまたま部屋の整理をしたら出てきました。
買ったのは4年ほど前だけど全然使ってなかった、というのも、臥せってた父のために当時あまりこういう知識のなかったわたしが退屈しのぎに何とかいいものを聴いてもらおう、と思って選んできたんだけど、病状がそんな状態じゃなかったってことで結局使われないまま残ってたのですよ。
聴いてみた。
いい感性してるよね、当時のわたしも(ぉぃぉぃwww)。というか、できるだけ強調されてない素直な音が好きっていう傾向は昔っから変わってなかったっぽい。そういう好みの中からこれを選んだんだろうなーっていうのがなんとなく思い出されて。
値段が値段だけに確かに若干強調のかかった部分はあるけど、これもわりと素直。で、低音もしっかり響くけど、むしろ高音がきれい。『こころのたまご』を聴いていて、一番キラキラとして楽しく聴けるのはこのM570だったりする。
装着感も軽くて、ヘッドバンドもフリーアジャストでなかなかよかったりする。
書いてて思いだしたけど、当時もわからないなりにいろいろ試聴して手の届く範囲でプレゼントできるいい音の機種はあるかな?って探したときに、その手のボリュームゾーンだと、ソニーのeggoかパイオニアの一定以上の機種しかなかったんだよね。
それ以外はあの価格帯は音がすかすかだったりデザインが奇抜だったりやたら重低音が強調されたのが多くて、基本的にハズレばっかりだったんで。
今はSE-M570は残り少ない機種っぽいけど、ちょっと上位機でSE-M870って機種もあるし、それもおすすめです。

ざっとこんなもんかなー。


えー、修正してます。ということで再エントリーです。
実は、やらかしたっぽい。EX90SLですが、寝ぼけててアンプにつないで過大入力でぶっ飛ばした様子(バカ)。
朝起きて、なんかボーカルがかさついててシャリ付きまくるし、低音は気色悪いし高域がやけに耳につく嫌味な音になったなー、と思ってたんですよ?
どうやら比較試聴しつつうっかりアンプにつないでフルボリュームに近い状態で結構な時間鳴らしっぱなしにしちゃったらしく、見事に飛んでました…たぶん、あれは飛んじゃった音かと。ぉぁぅー。これに懲りてイヤホンはアンプにはつながなくなりましたよ?(っていうか、つなごうとか考えるなよな、わたし…)
一応初期不良ってことで交換してもらいましたがかなりごめんなさいな感じなので次の給料入ったら予備機ってことでもう一個くらい買いに行きますすみません。
交換後はすこぶる正常で、CD900STを思い起こさせるようでいて、EX90独特の元気の良さもあるあの音で楽しませてくれてます。交換しに行ってよかった…(というか、マジでアホすぎるよ、わたし)。
そんなわけでこの記事自体、その半壊したEX90で書いてた節があるので、そこらへん修正しました。
追記するならば、EX90は、その音こそCD900STのエッセンスを確かに受け継いでますが、耐久力は繊細なイヤホンとして扱ってあげてね、ってことかなぁ…CD900STみたいにごっつい音量でカリカリにモニターな使い方をすると、たぶんあっという間に壊れると思われ。

参考までに、比較に使った曲を羅列すると、『その声が聴きたくて』(南夏奈(井上麻里奈),南千秋(茅原実里) 南春香(佐藤利奈))『こころのたまご』(Buono!)『曇天』(DOES)『トライアングラー』(坂本真綾)『塔頂者たち』(KENN)『XTC』(サイキックラバー)『あしたの手』(能登麻美子)『コスモスに君と』(戸田恵子)『もってけ!セーラーふく』『かえして!ニーソックス』(泉こなた(平野綾),柊かがみ(加藤英美里),柊つかさ(福原香織),高良みゆき(遠藤綾))ってとこで。
曲ごとの感想は特に書いてないですが、実際に作曲や音楽のプロってわけじゃないんで、プロのレビュアーみたいにあの楽器がどうのとか具体的すぎることは書けないんで、そこらへんは勘弁してねっていうか大目に見てくだちい。

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コメント

はじめまして、benoitと申します。
レビュー読ませていただきました。
EX90SLそんなに良いですか。僕は、ちょっと試聴した事があるだけなんですけど、これはキチンと買わねばならないかも。
僕のブログにも、稚拙ながらレビューがありますので、よろしかったら読んでやってください。

ではでは

投稿: benoit | 2008年8月 1日 (金) 20時26分

benoitさん
ご覧いただきありがとうございます。
EX90は好みの差はあるでしょうけどかなりいいイヤホンだと思います。
もしご購入されたらレビュー期待してますので教えていただけると幸いです。
HD60GD9ECのレビューも興味深く読ませていただきました。
そういえばDAPについてはわたしはほとんど何も書いてないので、歴代MEDIA kegについて書いてみても面白そう…とか思ってしまいました(といっても1.8インチHDDタイプで白いカラーのものしか持ってないんですが)。

投稿: 釘町阿梨 | 2008年8月 3日 (日) 08時15分

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